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2013/04/04

日本では桜がキレイな季節で羨ましい限りです。

年中常夏の南国とは違って、四季がある日本はやっぱり素敵だなと思います。

日本を離れてみて初めて気付く日本の素晴らしさを改めて感じる日々です。

そんな南国の駐在員の妻たちは、日本の春を少しでも演出しようと頑張っております。

桜の金粉をのせた抹茶シフォンケーキや桜のミルクプリン・・・みんな春を感じるお菓子つくりに精を出しています。

異国の地に暮らすようになって、お料理や部屋の小物で季節感を出すことが上手になった気がします。

  
先日日本のお友達と話をしていて、駐在員というものに対するイメージを改めて実感させられました。

友人いわく、「ホテルのランチやアフタヌーンティー、服や靴のオーダーをする生活をしていて夢のような暮らしで悩みなんてなさそう」だそうです。

けれど、実際に異国の地で暮らすということは、いつも外国人でいるということです。

そして、私たち日本人の駐在員は特にお金を持っていると思われています。
実際お金を持っていなくても、発展途上の国からしたらどうしても日本人=お金を持っているという先入観を感じてしまうようです。

だから常に危険と隣り合わせです。

ひったくり、スリ、強盗、空き巣、強姦・・・。
アジアの中では安全と言われているこの国でも日常にいくらでもあり得る普通の出来事です。

・道を歩くときはバッグは車道側に持たずにしっかりと手で押さえながら歩く。(ひったくり対策)
・金色の装飾品を身につけない。(ネックレスなどを引きちぎられてしまう)
・レストランでご飯を食べる時には、荷物を手から離さない。(ひったくり対策)
・携帯を公共の場で出さない。(携帯電話を取られてしまう)
・電話で話しながら歩かない。(ひったくり対策)
・コンドミニアムのガードマンに部屋番号を教えたり旅行に行くことを言わない。(空き巣対策)
・ショッピングモールの駐車場で車に乗り込むときには周囲を確認してから乗る(強盗対策)
・流しのタクシーには乗らない(強盗、強姦、誘拐対策)
・子供と常に手をつないで歩く(誘拐対策)
・車に乗ったらすぐに鍵をかける(強盗対策)
・メイドさんに気を許しすぎない(強盗対策)

他にもあげたらキリがないくらい、異国の地で暮らすために常に気を配っています。

旅行で手荷物に気をつけることはもはや当たり前になっていますが、異国の地で暮らすということは365日それが続くということです。

そして、会社の名前を背負って駐在生活をしている駐在員は、何か事件や事故に巻き込まれたら会社にも迷惑がかかるため、特に気をつけています。

一見華やかそうな駐在生活ですが、実は籠の中の鳥。

限られた日常の生活圏で、常に身の安全を考えて、その中でどうやって楽しく暮らしていくか。
駐在員はそんなふうに制約のある日々の中で必死に暮らしている生き物なのかもしれません。

02:14 | kagami | 駐在員という生き物 はコメントを受け付けていません
2013/03/28

あっという間に3月も終わり。

今月はマレーシアはウキウキモード。

F1グランプリが開催されるため、街中いたるところにフォーミュラカーが展示してあって、F1レーサーが出没すれば大混乱。

もう一つ、今月はマレーシアの人にとってドキドキな出来事が・・・。

日本のセンター試験のような国家試験の結果が出るのが今月。

マレーシアは小学校6年、中学校5年というシステム。

さらに大学に行くには中学校の卒業時に試験を受けて上位の成績をとって、2年間大学予科教育を受けなくてはいけない。

その予科教育の卒業試験の結果で行ける大学が決まってしまう。

結局、小学校6年、中学校5年、予科教育2年を経てようやく大学に行ける。

マレーシアのムスリムはこれ以外に、小学校の頃にイスラム教を学ぶための学校に放課後通う。
そして、中華系・インド系の人々は試験がマレー語で行われるため、マレー語の塾に通ったりもする。

日本のようにとりあえず大学に行くという生徒はほぼいない。
若い頃から自分の将来を見据えて、自分の家の家計状況も考慮して真剣に進路を考える。

マレーシアは日常会話のほとんどが英語なので、イギリスへ留学というパターンも多いらしい。
そして、憧れの国として日本への留学を希望する人も多い。

日本への留学は、日本語で2年間講義を受けなくてはならず、とてもハードルが高い。
加えて日本の物価が高いため奨学金を得なくては大半の生徒は留学できない。

日本留学を目指す人たちは、それはもう驚くほどに勉強をしている。

いつも行くスターバックスの店員さんもその一人。

上手な日本語で名前を書いてくれる彼女は、試験結果発表の前日こんなことを話してくれた。

「小さい頃から日本に行くことをずっと夢みてきて、どうしても実現させたいの。そのための勉強だったらいくらでもしたい。」

試験の結果がどうだったのかまだ聞いていない。

どうか彼女の夢に一歩近づける結果でありますように。

雨季が明けようとしていて、めっきり暑くなった南国の熱い3月。

10:00 | kagami | 熱い3月 はコメントを受け付けていません
2013/03/20

「ちょっといいかしら・・・」

鏡の前で自分の全身チェックをしている私に、夫人はためらいがちに声をかけてきた。

「あなた、その格好でどうやって・・・その・・・あそこに入るの?」

突如言われて、私は一瞬何を言われているのかわからなかった。

その夫人は、私が英語を理解していないんじゃないかと思ったらしく、もう一度ゆっくりと質問してきた。

質問の意図を理解して、思わず大きな声で笑ってしまった。
つられてその夫人も笑ってくれて、私たちはお手洗いで立ち話をした。


夫の仕事の関係で、レセプションやパーティーに着物を着ていく機会がある。

この国では様々な民族衣装を見かけるけれど、やっぱり着物を見るのは珍しいらしく、いつも声をかけられる。
そして、着物という日本のものを着ることで、私はいつも日本という国のことを学ぶ。

お手洗いで声をかけてきたその夫人は、着物を着た私がお手洗いでどうやって用を足すのか気になったらしい。

女性同士なので、すそをめくって帯に挟んで見せた。
「日本の女性はお手洗いに行くのも大変なのね」ってちょっと苦笑いされた。

それから夫人は、興奮しながら「階段はどうするの?」「素材は何で出来てるの?」「ファスナーはついてないの?」と次から次へと質問をしてきた。

その夫人が伝えてくれた外から見た日本という国は、私に「美しさ」を教えてくれた。

「日本人は美をアピールすることに長けている。
生け花や着物やお料理、目で見てわかるようにその場の華やかさを演出している。そして、日本人の心の美しさをおもてなしで表現している。
着物を着ているその立ち居振る舞いから、日本という国の優雅な美を演出している。
言葉ではなくて、日本人の全身で日本という美しさを表現している。
だから日本はずっと昔から世界で一番美しい国なんだと思う。
日本人はきっと自分の国の美しさを体で表現することを小さい頃から覚えているのね。」

日本語という独特な言語を持ち、礼儀作法をしっかりと守り、日本食という個性的な食文化を持つ。

当たり前のように体が覚えてきた日本人としての文化や習慣が、海外の人には「美しさ」としてとらえられる。

異国の地にやってきて「日本という国」を初めて知った気がする。
そして「日本の美しさ」と初めて向き合った気がする。

「美しさ」は、一日では出来上がらない。
代々受け継いできた日本人としての生きる姿勢が自然と体現されることによって「日本の美しさ」は出来ているのかもしれない。

日本人として生きる姿勢が「日本の美しさ」を伝えていく。

「I’ m from Japan」と胸を張って答えること。
異国の地で、私が「日本の美しさ」を体現していく第一歩。

10:00 | kagami | 美しい国 はコメントを受け付けていません
2013/03/11

今朝、バスルームの不具合があって工事をお願いした。

工事にやってきた顔なじみのボスは、玄関を開けた私に一番初めに言った。
「今日は、3月11日だね」

2年前の今日、私は渋谷のオフィスにいた。
ビルから見下ろした渋谷の街は夜になってもすごい人で、一人で自宅のある日本橋まで歩いて帰るのが怖くて、同僚たちと会社で一夜を明かした。

次の日の朝、オフィスから見た朝日が今でも忘れられない。

朝がやってくる。

この当たり前のことがこれ程ありがたいことなんだって初めて感じた。

震災から2年。
今でもマレーシアの人は「TUNAMI」のことを心配してくれる。
マレーシアにやってきてから何回も「地震のあった場所は日本のどのあたりなの?」「今はどうなっているの?」と質問された。

遠い国の出来事。
私たち日本人は、海外で大きな震災や戦争やテロがあると少なからずそう思ってしまう。
日本のニュースは「被害者の中に日本人はいない模様」と伝える。

けれど、マレーシアにいる人々は被害にあったその国の人の心に寄り添おうとする。

とても悲しい2年前の今日の出来事から、日本人・・・いや世界は何を学んだんだろう。

偉大なる地球に生かされている。
私はこんなことを学んだ。

そして、一つの地球にいる人々は、肌の色や言葉が違っても、人の心を感じ悲しみを分かち合おうとするのだということも学んだ。

異国の地にやってきて、さらにその学びは心に深く広がった気がする。

当たり前のようにやってくる明日は、実は当たり前ではなくて奇跡的な偶然の上に成り立っている。
今日も生かされているという奇跡をありがたく思う。

毎日5回、感謝の祈りを捧げるこの国からこんなことを学んだ気がする。

今も悲しみを抱えている人々のことを思って、マレーシアの空を見上げた。

02:05 | kagami | マレーシアの空を見上げながら はコメントを受け付けていません
2013/03/06

早朝5時頃。
太陽が顔を出すにはまだ2時間も早い暗闇の中。

この国の至る所から響きだす、独特な声。
この国の朝は、街中に響き渡るこの音ではじまる。

呪文のように響き渡るこの声は、アザーンと呼ばれる礼拝への呼びかけ。

モスクから聞こえてくるアザーンを聞けば、イスラム教の国にいるということを嫌でも実感させてくれる。

365日、1日5回。
休むことなく鳴り響くこのアザーンは何とも神秘的な響き。

1日に5回お祈りをするイスラム教徒(ムスリム)にとっては、このアザーンの響きは生まれた時から聞いてきた毎日の響き。

買い物中もドライブ中も旅行中もお祈りを欠かすことのないムスリムを見ると、宗教というものの威力を考えさせられる。

 

真夜中12時。
湿った空気の中から乾いた破裂音。
爆竹の音が街中の至る所から聞こえる。

中国人が祝う中国の旧正月。

爆竹と花火が、人々をたたき起こすように夜空に鳴り響く。

中国仏教寺院では、まるでドラゴンが大暴れしているみたいに爆竹の勢いがすさまじい。

ショッピングモールでは、獅子舞が太鼓やドラムの音と共に踊りだす。
ショッピングモール中に鳴り響くその音は、ショッピングなんてさせてはくれない。

 

またしても夜中。
勇ましい熱気と打楽器と花火に包まれて。
ヒンドゥー教の寺院ではお祭りが始まる。

背中に串を刺し、苦行をしながら夜中に歩き続ける。
ヒンドゥー教のお祭りタイプーサム。
危険が伴い過ぎる為、インドでは禁止の苦行をこの国のインド人は行う。

人々の熱気は異様な程に闇に光り輝く。

イスラム国家のマレーシアは、多民族国家という顔を持つ。

イスラム国家でありながら、様々な宗教がひしめき合うこの国は、寺院も人々の服装も多彩な色をしている。

それぞれの民族衣装に身を包み、それぞれの宗教を尊重しながら生きているこの国は、流れてくる音色も多様。

この国の空気そのものが毎日にぎやかな香りがする。

にぎやかな宗教。にぎやかな音色。にぎやかな香り。

そのにぎやかさがスパイスになって、この国は味わい深いのかもしれない。

09:59 | kagami | にぎやかな宗教 はコメントを受け付けていません
2013/02/28

ここは南国マレーシア。
一年を通して気温は30度前後で毎日プール日和です。

赴任前の私は、南国と言ったら思い浮かべるのは、だら~んとした国民性でした。
街の路上でのんびり座っているおじさんをイメージしていました。

実際生活をしてみると、本当にのーんびりしています。

約束の時間に人が来ないなんて当たり前。
約束したその日に業者の方がやってきたらラッキーと思えるくらいにのーんびり?のん気?な人たちが沢山住んでいます。

でも、こんなゆったりとした南国にも規律がいっぱいあります。

ここは、イスラム国家。

イスラム教は日常の様々な行いを規定したシャリーア(イスラム法)に沿って日々の生活をしています。

宗教警察もいるので、この規定に違反した人は厳しく罰せられます。
ナント、結婚前の男女が密室で二人でいたために「鞭打ちの刑」に処されるということは、ごく当たり前の日常です。

そんなイスラム国家らしい看板がコレ。

これは、タクシーの中で見かけました。

「イチャイチャ禁止」です。

タクシーの運転手さんがイスラム教徒の場合、お客さんが外国人であっても目の前でイチャイチャされるのは苦痛なんだそう。

シャイな日本人もこれは共感できそうですよね。
目の前で熱いキスをされると目のやり場に困ってしまいますからね (笑)

 

そして、南国らしい看板がもう一つ。
ホテルのエレベーターやコンドミニアムのロビーにあります。

「ドリアン持込禁止」です。

ここは南国。
ドリアン、マンゴスチン、マンゴー・・・南国の果物が豊富です。
ご存知の通り、ドリアンはすごい臭いです。

ドリアンを持ち込んだ人の後にエレベーターに乗るほど苦痛なことはありません。
密室ですからね、息を止めて早くエレベーターがフロアに到着するのを祈るばかりです。

イチャイチャ禁止、ドリアン禁止・・・
ゆったりとした南国にも不思議な規律がいっぱいです。

 

07:03 | kagami | イチャイチャ禁止、ドリアン禁止の国 はコメントを受け付けていません
2013/02/25

皆様はじめまして、こんにちは。
ご縁があってJunk Stageでお世話になることとなりました。

現在、イスラム教の国マレーシアで駐在員の妻として生活をしています。

1年前には、まさか自分が結婚するなんて、まさか自分が会社を辞めるなんて、まさか自分が専業主婦になるなんて・・・そして、まさか自分が駐在員の妻になるなんて思いもよりませんでした。

1年前の私は、世に言う「バリバリのキャリアウーマン」。
総合広告代理店、IT系ベンチャー企業で働いていた私。
深夜帰宅は当たり前、都心のど真ん中に住んで、結婚しなくても仕事があれば良しと思う仕事中心の生活でした。

そしてそんな生活は、6年間一緒にいた彼(今の夫)の一言で大きく変わりました。

「マレーシアに行くことになったから、入籍しないといけないね。」

この一言で、結婚⇒退職⇒専業主婦⇒海外駐在という人生の転機がバタバタとやってきました。

そんなこんなで、バタバタと事が進み、あっという間に海外駐在生活がスタートしました。

仕事を辞めて専業主婦としての生活、慣れない海外での生活、イスラム教の国での生活などなど駐在生活の苦労と面白さをお伝えできたら嬉しいです。

10:04 | kagami | 自己紹介 はコメントを受け付けていません

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