こんにちは。
いつも「スケッチブックを片手に」をご愛読いただきありがとうございます。
前回の更新から日があき、ご心配をおかけして申し訳ございません。
タイトルにございますように 大変急ではありますが
このたび誠に勝手ながらコラムの連載を休止することとなりました。
仕事での制作と、コラムに載せるプライベートでの描きものを両立することが
時間の制約上とても厳しくなってしまったためです。
帰国後 日本で仕事を始めてからも
このコラム内で描くことを続けることで「自分の描きもの」を
出し続けていたいという思いがありました。
しかし時間も気持ちも なかなか思うように分けられず
焦るばかりで更新もままならない状況となってしまったため
このままだらしのない更新を続けるよりも一度区切りを付けようと
考えるに至りました。
ジャンクステージスタッフのみなさんのあたたかい計らいで
休載としてコラム一覧に残して頂く運びとなりましたが
申し訳ございませんが連載再開のめどはまだたっておりません。
仕事に慣れ、また精神的に準備のできた段階で ここに戻ってきたいと思っております。
突然のお知らせで申し訳ございません。
長い間ご愛読いただき 誠にありがとうございました。
またお目にかかれる日まで…
佐々木千尋
久しぶりの更新となってしまいました。
気がつけば、前回の更新から二ヶ月…
情けない気持ちでいっぱいです。
まだぎりぎり1月!なので 明けましておめでとうございます。
以下は年賀状のために描いたカット。
自転車に乗って夫婦でうろうろするのが、たまの休日の楽しみでしたので こんな絵に。
今年も走るように過ぎてゆくのだろうな…
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
この間、ここに載せる事のできないイラストレーションをいくつか描いていました。
会社勤めを始めてから、なかなか無い機会でしたので
純粋に描けるうれしさもあり、
反面 時間が思うように取れない戸惑いもあり。
描かせていただいた絵は、どれも「ご縁」があってのものたち。
改めて、人のつながりってすてきだなと感じました。
中学時代の後輩のウエディングボードの絵もその一つだったのですが
卒業してずいぶん経つのに、こうしてまた繋がれたのは
「絵を描く」という行為を続けているからなんだと、そう思うと
なんだか たまらないものがあります。
さて 新年を迎えて一息ついた、ここ数日で一つ気になるテーマができました。
それは「生活感」。
今住んでいる場所に移ってから一年少し経ったのですが、
尋ねてくる方から「生活感が出てきたね」と言われるようになりました。
それってなんだろう?と思ったのがきっかけです。
きっと少し散らかった様子や、使いさしの調味料、飾ってある写真
そういう少し雑多で、でも時間や感情を感じるもの
それが生活感で、自分の家では気づかなかったけれど
ふと見ると安らいで、愛おしく感じてしまう情景なのではないでしょうか。
その雰囲気、作品にしてみたい。
身近にありすぎて気づけない、日常の美しさというか。
まだ漠然としていて、ブレインストームをしているところですが
とても気になっていて シリーズでイラストが描けないかな、と思っています。
ジャンクステージ上でアイデア練りから完成まで記録してみるのも
あたらしいかな、と考えてみたり。
このコラムのテーマは、「スケッチブックを片手に」
街並の様子をよく取り上げてきました。
そして、人のにおいのする風景。
それも実は「生活」のかおりだったのでしょう。
今まで気になっていたものを括るキーワードが ひとつ見つかった気がしています。
次の更新までに、またすこし 表現を探れるかな。
恥ずかしい第一回ブレインストームの中身と、
「生活感」のある 我が家のキッチン窓辺の空きボトルスケッチ。
映画ムード・インディゴを観てのリフレクション
日々の生活でなにかすてきなものを体験して,その感動を残しておくのは大切なことです。
もしそれが具体的な対象で、なおかつ具体的な感想なら…
きっと言葉にしやすいのかとおもいます。
紅葉を見て、紅葉の赤がすてきだったことを書きたい。
文章のいろいろはありますが、自分なりの表現で書き残せそうです。
わたしは文章で思い出を表現するのがあまり得意ではありません。
そういいながら書いてみる文章は,どちらかというと絵的と言うか
抽象的な表現が多くなりがちです。形容詞の羅列になってしまいます。
特に,ものを見たり聴いたりしたときに抱く感想は
なんというか非常に「ふわっ」として つかみ所がないことが多い。
水の上にインクをたらして 色がにじんで混ざり合っていくような感覚に近いと思います。
特に音や物語に対して抱く感想は まさしくそんな様子です。
おそらく いろいろな要素が織りなす全体への感想…ということなのでしょうか。
そんな非常に抽象的な思いをなんとか残しておきたいなあと思うとき
一番最初にやってみることは 思い浮かんだ色を一色,スケッチブックにポンと置いてみることです。
形や質感のイメージがともなっていれば,雑誌の切り抜きなどを張ってみることもあります。
不思議な事ですが,スケッチブックが白いうちには何も見えてこなかった形が
一ヶ所おくと なんとなく道筋がみえてくる。
この色も感じたなとか,こんな形も印象的だったなとか
連鎖的に,雰囲気が具体的になっていきます。
思い出のマッピング,という感覚です。
出来上がったものが,はたして他の人にも分かりやすい代物なのかと言うとそうではありません。
非常に個人的な思いの塊なので,作品にはなりえない荒いもの。文章なら箇条書きでしょうか…。
ここから要素を整理して,作品になっていったりするものだと思います。
ただし 自分のための記録としては非常に濃度の高いものです。
感想のエッセンスと言うか,感じて思い出に残っているものだけがそこにあるのですから…。
この感想の残し方は,ロンドンの美大で日常的につけさせられていた
「リフレクティブダイアリー」のやりかたを そのまま続けているものです。
平たく言えば絵日記なのですが,観たり聴いたりしたものをビジュアルで記録に残していくノートのことです。
当時は作品提出時にこのダイアリーも提出だったので,強制的に大量に描かされていましたが
これをつける習慣は,いつまでも変えずにいたいなと思っています。
ミシェルゴンドリーの映画、ムードインディゴを観てのスケッチを載せてみました。
映画を観た方,わたしの受けた印象とシンクロするところはありますか…?
こんにちは!
9月中の投稿にするつもりが 月をまたいでしまいました…
無念です。
でも気を取り直して。
今月は 待ち時間について考えてみようと思います。
生活している中で 何かを待つ時間というのはけっこうあるものです。
たとえば
電車がくるまで
目的地に着くまで
待ち合わせの友達を待つ時間
カフェでコーヒーを待つ時間
ランチが来るのを待つ時間
ぼんやりするのもいいし、長めなら本を読むのもいい。
ケータイをいじる人が最近は多いですね。
そして。スケッチブックに落描きするのもなかなか楽しい。
待ち時間は絶好のお絵描き時間。
そして周りの世界の再発見ができる時間だと思います。
わたしはいつも 小さな手のひらサイズのスケッチブックを持ち歩いています。
カフェやレストランに一人で入って注文を済ませたら,その子の出番。
別段 何を描くわけでもありません。
目に入った目の前のイスだったり 斜め前の席のお姉さんだったり。
そうして何となくペンを動かし始めると,周りのものがもっと気になってくる。
テーブルの上のカトラリー入れ
自由に汲んでいいらしい,レモン入りの水さし
面白い模様の壁のタイル
キッチンの奥にかかっている,しきりのカーテン布
店によって違うサイズのグラス それをつたう水滴
グラスの影 明かりがオレンジ色なのに気づく。
ランプシェードがすてきなことに気づく。
あまり考えないほうが,不思議なコラージュみたいなスケッチになっておもしろい。
もうごちゃごちゃで あんまりよく分からないけど。
旅の記録もこんな風に残します。
ある日行ったカレー屋さんでの待ち時間。
タイルの絵が衝撃的で。(左)
そのときに目に入ったものや考えたこと。
おいしそうな食事のスナップも もちろんすてきな記録だけど
そういう何気ない周りの雰囲気も描きとめておくと 記憶に奥行きが出るような気がします。
いろんなオブジェクトが集まる空間をよく見ることで
自分の好みを再発見できたり 観察眼を磨けたり そんないいことがあるかなとも思います。
何より そうこうモノ描きをしている間に
遅ーい なんて思う暇もなく 注文したものが運ばれてくるのだから
なかなか平和で健康的な 待ち時間の使い方。
もしお手元に紙とペンがありましたら。あしたのランチでぜひためしてみてください。
(紙ナプキンに描くのもいいですよ!)
みなさん,こんにちは。
JunkStage,大変ご無沙汰してしまいました。
しばらく生活が大変慌ただしくなり,一度お休み頂いてからずるずる休載を延ばしてきて
もう復帰は厳しいかなと正直思っていました。
でもジャンクスタッフの方に励まされ,またこうして戻ってくることができました。
ほそぼそ築いてきたこの場所で,またイラスト描きの思う事,描きたいことを書いていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
これからしばらく,身近な風景にスポットを当てて
気になった情景をいろいろなタッチで描いてみたいと思います。
まず今月の街の景色…
わすれもの
わたしは どうも人間のにおいのする風景が好きです。
遊歩道の,車両進入禁止の仕切り?のうえに。
みかんとりんごが二個ずつ…
この遊歩道は,小さな公園があったり 水場があったり
三軒茶屋という都会の真ん中にあるのですが なんだか和やかな雰囲気を持った場所です。
きっと どこかの坊やかおじょうさんが遊んだあと。
人のにおいは 街並に色彩をあたえます。
そして ものがたりの始まりは絵になります。
街中に ひそやかに紛れ込んだ物語の断片
これから,そんな風景をピックアップしていけたらいいなと思っています。
さあ来月はどんな物語に出会えるでしょうか…
またお付き合い頂ければ幸いです。
JunkStageをご覧の皆様、こんにちは。 いつもJunkStageをご訪問いただき、ありがとうございます。
「スケッチブックを片手に」のライター、イラストレーター・佐々木千尋さんですが、現在私事多忙のため2013年3月末日までこちらの連載を休載とさせて頂いております。
ご愛読頂いております皆様には大変申し訳ございませんが、次回更新の際をお楽しみにお待ちくださいますよう、お願い申しあげます。
(JunkStage編集部)
JunkStageをご覧の皆様、こんにちは。 いつもJunkStageをご訪問いただき、ありがとうございます。
「スケッチブックを片手に」のライター、イラストレーター・佐々木千尋さんですが、現在私事多忙のため2013年3月末日までこちらの連載を休載とさせて頂いております。
ご愛読頂いております皆様には大変申し訳ございませんが、次回更新の際をお楽しみにお待ちくださいますよう、お願い申しあげます。
(JunkStage編集部)
非常に久しぶりの更新となってしまいました。
最近はデザイン関係の仕事ばかりをしていて,絵を描くことがままならず
このコラムをどう書いたらいいものか頭を悩ませてしまっていました…。
しばらくこの状況が続きそうなので,イラスト的視点のロンドン・留学について何本か書いていこうと思います。
帰国して丸一年が経ち,わたしもいろいろ心境の変化があったので,そんなことについても。
オリンピック,そしていよいよ始まったパラリンピックで盛り上がるロンドン。
歩行者のかた,自転車のかた,お車のかた,各経路に変更がありますので注意してください…
競歩とロードレースと新体操?をもじって挿絵にしていました。
無理矢理ではあるけど,思わずくすっとなってしまうイラスト。
テーマも分かりやすいし,このまじめな絵柄とふざけた表情,動作がおもしろい。
フットボールですね。困りますね…
これも好きだった。オリンピック開催で道が塞がる,というのをこういう切り口で来る…
通行止めのマークなんかより,ユーモアがあって面白い。
TFLというのはロンドン交通局,かなりまじめな組織です。
でも,地下鉄に貼ってあるポスターや、こういったちょっとしたビジュアルがすごくユーモラスで凝っていて,
いつも楽しんでみていました。
日本ではあまり見かけませんが,向こうではイラストレーションがメインビジュアルに使われる事が非常に多いなと思います。
絵のタッチとしてはアニメの可愛いキャラクターというより,もっとリアルなイメージのキャラクター,もしくはグラフィックデザインとしての単純な絵が目立ちました。色合いもビビット。
個人的な意見ですが,ポスターなどの表現で,日本では写真媒体を使うことのほうが主という印象があります。
(それか,ものすごく[カワイイ]イラストか…)
経済誌などの雑誌の挿絵などもそうです。
オフィシャルな印象を与えたいときに写真を使った表現が適しているという考えなのかもしれませんが,
すこし皮肉ったり,テーマをより強調しダイレクトに伝える手段として,イラストレーションやグラフィックが持っている力は大きいのではないでしょうか。
ただ,需要として,イラストレーションは可愛いもの,やわらかい雰囲気のもののほうが求められているような,そんな印象も日本では受けます。
上のTFLのイラストも,面白いけど可愛くはない,というように受けとられると言うか…
逆にロンドンだと,きれいに描けているけど面白くない。となる。
嗜好や,心地よい表現の違いは,地域によって大きく変わってくるものかもしれません。
イラストレーターやデザイナーとしては,自分の表現したいもの,感性によっては,活動の場所も選んでいくべき,
そしてそれは必ずしも自分の国ではないかも…
とにかく 日本でのイラストレーションの可能性,需要,
もっともっと 広がればいいなと思います。
たくさん言いたい事がある
でも 言えない気持ちはどんどん溜まって
ふくらんでふくらんで
言ってしまおうか
飛んで行ってしまおうか
こんにちは!
しばらくコラム休載してしまい申し訳ありませんでした。
今月は,仕事関係でまた大きな動きがありまして
働き方について考えさせられる日々でした。
フリーランスで一人で描いていく,会社に所属して描いていく,
イラストレーションをお仕事にするにも,いろいろな立場があります。
それぞれによい点があったり 困難な点があったり。
卒業するなりして,はじめて社会に出た時は,誰もがみんなフリーランス。
そうして一人でいることが 不安で,ひとりで描いているのが 嬉しい。
もっと掘り下げたら,
「絵描きと言う肩書きをしょって一人でやりたい気持ちが とてもとても強いから
不安もあるけど踏ん張れる」 と
自分にも,周りにも言って 勇気を繋いでいる。
これはどなたも経験する気持ちなのではないでしょうか。
フリーから企業所属なるなど立場が変わるとき,
それまで自分に言い聞かせていたこういう言葉が,
そのまま自分に突き刺さってきます。
自問自答を繰り返して,自分がまた納得できるまで なかなか前に踏み出せない。
それくらい,どちらの立場で働くかというのは,心構えとしても違うものなのではないかと思います。
ただ,絵を描くことで何を伝えて行きたいのか,おおきな目標に立ち戻って考えてみると
どんな立場で描くことにも 肯定的に思えるようになってきて
制作自体の幅も広がっていくのではないか そんな風に今は思います。
一人で描いてる人も 会社で描いてる人も
「絵で社会とコミュニケーションをとる」なかま。
悩み事もいえない事も絵に込めて描けるのは,幸せな事かも。
がんばっていきましょう!
こんにちは!
先月お知らせした西荻窪での展示即売会,無事終了いたしました。
足を運んでくださった皆様,本当にありがとうございました!
最終日はジャンクステージのゆうさんも来てくださいました〜
そのうえ 「ジャン子の部屋」でジャン子ちゃんがレポートをしてくれています…恐縮です 笑
http://www.junkstage.com/juncco/?p=193
会場はこんな様子。10人の作家のグループ展です。
わたしのスペース。最終日でちょっと棚が寂しくなっていますが。(いい事です…ほ…)
イラストレーションで,くるみボタンを作ったりカードを作ったり,雑貨を販売しました。
ところでディスプレイに使用している棚は,ギャラリーのものなのですが
アンティークでとってもすてきだった…
会場では,カード作りのミニ体験講習もやりました。
布をはったり,カラーインク,アクリル,クレヨンなど何でも使うミクストメディアの体験。
受講してくださった方のなかには,「理想を描いているつもりが,最後は自分の内面が出てきた!」とおっしゃる方もいました。
もの作りって,そこが醍醐味かもしれません。
作業時間は,自分との対話時間です。出来上がったものを観察すると 自分が少し見える….
また,今回のイベントでは 新しいキャラクター「ピム」のお披露目もしました。
(ジャン子ちゃんが紹介してくれていますが…!)
今年8月に,イラストレーションを描いた手帳が全国で発売される予定です。
ちょっとジャン子ちゃんに似た「ピム」ちゃんが主人公。
会場では,オリジナルデザインのメモ帳を作って販売しました。
ジャン子ちゃん共々,どうぞよろしくお願いいたします!!