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JunkStageをご覧の皆様、こんにちは。
唐突ですが、皆様はダンスを踊ることはできますか? こんな風に聞かれると身構えてしまう方も多いと思います。もちろん、私もその中のひとりです。
ですが、そんな方にこそ、ぜひこのコラムを読んでほしい。
目から、脳から音楽や踊りへのためらいを軽やかに変えてくれる、このライターを本日はご紹介したいと思います。
■vol.43 マルチタレント・エイミーさん
――「奥深いと思っていたことは実はもっとシンプルで自然なこと」なのかもしれない。
難しい、と身構えることで本質から遠ざかってしまうことが多々あるということ。――(エイミー)
声楽、ピアノ、ダンスと幅広く活動するアーティスト、パフォーマー。アートを通じて感じた美と快楽の本質について執筆。
http://www.junkstage.com/aimi/
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エイミーさんは声楽やピアノなど音楽芸術分野で活躍するパフォーマー。
ピアノから音楽の道に入り、大学では声楽を専攻。趣味でずっと続けられてきたというクラシックバレエから大学卒業後はテーマパークのダンサーを勤めるなど、マルチな活動を展開しています。
エイミーさんのコラムの特徴は、これらの音楽や表現芸術が混ざり合った見識の高さと、その根底に流れる美意識の高さ、そして貪欲なほどの熱意です。
“私って欲が深いんです。
そもそも歌ったり踊ったり弾いたり演じたり、時々自分は一体なんなんだろうと思う。
普通は音楽家、ダンサー、役者、モデル…等々一つの分野を職業としてる人が多い。
でも、私が今のようなスタンスになったのには欲の深さが原因だと思う。“
(「話は飛躍して」より一部引用 )
ご自身をして「欲が深い」と言わしめる、自分の限界への挑戦力。
時間がないから、やれないから、と諦めない。まず挑戦してみる、という行為は当然のことながらリスクもありますし、長じれば長じるほど難しくなってきます。
が、エイミーさんはまず試してみる。ミュージカルの振り付けにもチャレンジし、合唱団の指導やイベントのプロデュースなど多岐にわたる活動の原点はまさにここにあるのだと思わしめる言葉です。
▲JunkStageCafeイベントでの演奏の様子
複数分野にまたがって活躍されているからこその気づきである、バレエとサルサという二つのダンスジャンルの違い。ダンスは別世界のことじゃないと力説するこちらの記事、子どものうちから骨格を意識して自分の動きを知ることの大切さ。出産後のレッスンで自分の身体を作りなおしていくことの喜び……。
エイミーさんは自分のあり方を自分で決定し、コンロトールしていくことに対してごく自然な欲を感じています。
美意識、という言葉でくくられがちな身体のメンテナンスが生活の一部であり、そして健康な身体、健康なバランスで自分を維持することの大切さ。
それは手本となる存在と一体でなければ説得力を持ちませんが、エイミーさんご自身もバレエで鍛えた美しい所作や非の打ちどころのないプロポーション、そしてよく通る張りのある声をお持ちの方。
しかも、天が何物も与えたというわけではなく、それはエイミーさんご自身が作り上げてきたものなのです。
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とはいえ、エイミーさんのコラムは単なるファッションとしての美を追及したものではありません。
どこかおやじっぽい語り口ともあいまって綴られる出産時のBGMの音楽のセレクトのエピソードや、ご自身も先生として活躍しながら、いまだ学びの道を続けれているバレエのレッスンでのひとこまなどのコラムは音楽と生活、そして身体が一体となったエピソードばかり。
ラジオ体操の効能などもダンスを難しいものと考えがちな頭を柔らかくほぐしてくれます。
そしてもちろん、姿勢をよくする方がカッコいい!と強く語る言葉も、女性のみならず男性にも参考にして頂きたい部分です。
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美は一日にして成らず。
でも、その一日を始めるのは今日からでも遅くはありません。
まずは自分の身体を意識すること。音楽に乗って身体を揺らす喜びを感じ、いいな、と思ったらてらいなく身体を動かしてみること。その延長線上にダンスがあり、舞踊があるのだと、エイミーさんのコラムは教えてくれます。
そしてその快感こそがアートの中にある美を日常に発見できる秘訣なのではないかと説くエイミーさんの言葉は、だからこそ私たちにも響いてくるのではないでしょうか。