« ふくやま大道芸に参加してきました。 | Home | 初めての発表会 »
JunkStageをご覧のみなさま、こんばんは。
5月に入り、夏に向けて各所でお祭りのシーズンが到来いたしました! この時期はいつもより新しい音楽やアート、パフォーマンスに触れる機会も多くなりますが、本日はそんな季節にぴったりのドキドキを与えてくれるパフォーマーをご紹介したいと思います♪
■vol.31ジャグラー・竜半さん
ジャグリングの国際大会にてシガーボックス部門で優勝するなど、国内外の競技会で多数の受賞経験を持つジャグラー。浜松市にてジャグリングサークル「じゃぐなぎ」を主宰するなど普及にも努める。
http://www.junkstage.com/ryuhan/
* * *
歴史をさかのぼれば古代エジプトにまで起源を辿れるというジャグリング。
ボールを使うことが多いトスジャグリング、独楽を使ったディアボロなど様々な種類がありますが、竜半さんはその中でもシガーボックスと呼ばれる箱を使ったジャグリングの名手です。
大学在学時にジャグリングを初めたという10年以上の経歴の中では、2007年には”IJA Summer Festival”のシガーボックス部門で優勝、名人としてテレビ出演も果たしその名を冠したオリジナル技も多数保有するほど。
その竜半さんのテクニックを実際に私が肉眼で目にすることが出来たのは、2011年に開催した「JunkStage第三回公演」のステージでした。沢山のお客様が詰めかける中、竜半さんは軽々とそう小さくもないシガーボックスと呼ばれる箱を操り、高く放り投げ、受け止め、くるくると位置を変えて繰り返していた。その間、釣り込まれるようにお客様は前のめりになり、息を呑んで見守り、そして最後には笑顔になっていました。ステージの上の竜半さんは技の合間にはお客様に話しかけ、真剣な顔で演技していた。
わざとらしくなく盛り上げ、お客様を喜ばせ、それを演技中ずっと維持すると云うのは本当に難しいことだと思うのですが――私はいつもJunkStageの名を冠したイベントでそれを痛感しています――竜半さんは、当たり前のように、それをしていた。
ライブパフォーマンスは難しいものです。会場によって天井の高さも照明の明るさも違うし、客層だって違う。
そこでベストの演技を披露する、というのはおそらく想像を絶するほどのプレッシャーがあると思うのです。
竜半さん曰く、「ジャグリングと大道芸の違いは観客がいなくても成立するか否か」という点だそう。その見方に立つと、竜半さんはステージに立つ際見せたいものより挑戦したいこと、華やかな技より地味に見えても難しい技のほうを選ぶようにしているそう。
当然、基本的には演技中も真剣な表情を崩しません。
が、そんな竜半さんには心強いパートナーがいるのです。
▲竜半さんの相棒・ジャグリングドラゴンのヒョウガくん。動きがラブリー!
ヒョウガくんは竜半さんの相棒ですが、主に大道芸のほうを担当されているとのこと。
大道芸の場合、まずは足を止めて見てもらうというところからのスタートになるわけですが、こんな可愛い子がクラブを投げていたら拍手をせざるを得ないと思うのは私だけでしょうか? ああ可愛い凄い偉い…などとヒョウガくんを愛ではじめると暴走しますので割愛しますが、浜松や愛知県でのイベントには引っ張りだこの人気者です。
* * *
竜半さんは、ジャグリングを純粋に楽しみ、そして愛しているのだなあと思う。
それはコラムの更新の頻度(驚くべきことに累積更新数は全ライター中堂々の一位!)であったり、自らジャグリングの大会「じゃぐなぎ杯」を主催、多くのイベント・大会でも審査や運営などのお手伝いを積極的にするなど、広くジャグリングの啓もうや普及に努めていらっしゃる点からも感じられるのですが、今回このラブレターを書くに当たり、一番それを痛感したのは下記の文章でした。
人前に立つ以上は「アマチュアだから」という言い訳は許されない、と僕は考えています。
「アマチュアだから」という言い訳が許されないのは、ショーの演目だけではありません。
依頼を受けたとき、自分のアシで会場に行く時には、依頼の30分前には到着しておくようにすること。
会場に到着したらしっかりと挨拶をすること。
ゴミは持ち帰ること。
控室が用意された場合は控室を散らかさないこと。
こういうことができていないと、「ジャグラーはマナーが悪いですね」と、ひとくくりにされてしまい、二度と同じ施設から(自分だけでは無く)ジャグラーが呼ばれない、ということも起こりえます。
ということは、自分のマナーの悪さが、プロの仕事を減らすことだってあり得るのです。
(「アマチュアジャグラーなので……」より抜粋)
愛しているからこそ、それにふさわしいスタンスを執る竜半さんの厳しい言葉。
しかしその一方で、自身の勉強のためにと参加された他のジャグラーの方への技のコメントや改善点、アドバイスなども真摯に竜半さんは綴ります。それだけではなく、世界中のジャグラーたちが日々投稿する動画などを発掘し、惜しみない称賛の声を送る。
竜半さんは、プロパフォーマーではないかもしれない。それでも、本当に好きでないと出来ないこと、を、当たり前のようにする竜半さんは、JunkStageの誇る素晴らしいパフォーマーなのだと思うのです。