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2013/10/16

申し訳ありません、今日の記事は
完全にジャグラー向けに書かせていただきますので、
技や道具の解説などは一切記載しません。

今年もJJF(Japan Juggling Festival)に参加してきました!!
都合、3日間の1日目と3日目にしか参加できませんでしたが、
1日目はワークショップ(講師役)とチャンピオンシップ観覧、
3日目はだべりんぐと特別ワークショップ受講と、
それなりに充実した2日間だったのではないでしょうか。

まずは、スタッフの皆様、参加者の皆様お疲れ様でした。

恒例であるチャンピオンシップ感想を。
推敲している時間があまりなかったので、いつもより意見が散漫で、
もしかすると、僕のこの感想を不快に思ってしまう方がいるかもしれません。

それに、今年は
特に男性部門のレベルの高さにショックを受けてしまい、
本当に感想が書けるかどうか不安な状態で書き始めています。

いつもながら「僕がこんなことを書いてしまってもいいんだろうか……」と思いつつも、
それでも、なかなか全部の感想を書いているサイトというのもありませんし、
僕の将来的な勉強の為でもあると思いますので、
皆さんの努力に対して失礼を承知で書かせていただいております。

■チーム部門

Fabs (デビルスティック)
ハンドスティックの上でデビルスティックを立て、その状態でバランスをする……という技を武器に、
二人組みのバリエーション豊かな技を行っていくというもの。
二人ともキャラクターがかわいらしくて、とても好感のもてるパフォーマンスだったと思います。
演技終了後には一番手からこれかよと(レベルが高い!という意味で)、観客席がざわついてましたね。
バランス技というのは、本当にステージでやるのは緊張するんです。
しかも、よりによって一番手。(まあ、僕に言わせると、一番手は緊張する時間が短くて済むので消耗しなくて済むと思うんですが。)
いつもは感じない手の震えが伝わってきたり、いつもはかかないはずの手の汗がいつも以上に気になったり。
その中でも、(多少の失敗こそあれ)多くの技を成功させるのは、精神力の強さだと思いますね。
さらに、あくまでバランス技は「武器」であって、それ以外の技にも創意工夫を感じました。
デビルスティックではないのですが、クラブバランスの演技を参考にすると、もっとえぐいバランス技のアイディアが出てくるでしょう。
二人とも相当なバランスの匠だと思いますので、その道を是非とも極めてみてください!!

Arlon Children (シガーボックス)
昨年準優勝の超絶シガーボックス使いトリオ。この3人は、各個人が相当高いレベルのシガーボックス使いなのですが、
敢えて3人で組んでパフォーマンスをしています。
シガーボックスをチームでやる場合、タイミングをあわせるのが本当に難しいんです。
全員の屈伸運動(シガーボックスはひざの曲げ伸ばしが重要な道具。)が揃っていないと技は決まらないので、
3人の呼吸が合っていないと失敗してしまいます。
それをこなせるのは3人が長期間にわたってお互いに切磋琢磨していることの賜物でしょう。
ルーチン全部を通して、高難易度の技が続いているので、せっかくのさらなる高難易度の技が映えていないように感じました。
シガーボックスの原点である、端返しや中抜きなど、ベーシックな技を効率よく使うと、
「この技は失敗しないよね」という安心できる箇所が生まれたり、技の難易度の緩急がつき、高い難易度の技が映えるようになります。
演出面は、去年より数段レベルアップしてかっこよくなっていますし、技術的には充分なものを持っていると思いますので、
少し力を抜いてみるとまた違う演目が見えてくると思います。

そらにん (クラブ)
高校生4人組のクラブパッシング。東京大学ジャグリングサークルマラバリスタの十八番であるクラブパスマスゲームを行っていました。
僕は、彼らの演技を見終わったときに鳥肌が立ちましたよ。この構成を考えられる高校生っていったいどんな頭脳をしているんだろうと。
クラブパスのマスゲームというのは、演者一人ひとりについて、どう移動し、どう投げて、どの技をするのかを考えなくてはなりません。
その上、技を成功させなくてはならない。一人でルーチンを考えるのとはわけが違います。
例え、他のジャグラーのクラブパスを研究し、それを自分たちの演技に取り入れていたとしても、
それを作り上げることが「できた」ということにまず賞賛を送りたいと思います。
技術的には控えめでしたが、マスゲームは成功してこそ、だと思うので、無理して難易度を追及する必要は無いと思います。
(あるに越したことは無いのですが。)
ただ、ジャグリング以外の部分でもっと伸びそうな部分を感じます。例えば、ジャグリングしていないときの歩き方やポーズを統一させたり、
技を決めたときに技の主役となる人以外が技の主役を生かす煽りを観客に行ったり。
ベタ褒めした構成も、まだノビシロを感じますし、今後もさらなる活躍が期待されます。

こーのCLUB(クラブ)
じゃぐなぎ杯にも参加してくれた、千葉大学ジャグリングサークルpossumの二人組正統派パサー。
じゃぐなぎ杯で見たときと比べ、安定感・二人のキャラクター付けの色分けなど、さまざまな部分が向上しており、
また、途中にはまったく関係の無い演出をはさむ余裕すらありましたね。
難易度の高いアルバートやトレブラーを絡めたパスを連続して行ったうえに、さらにそれを発展させた技や、
正面のパスからダイレクトにバックトゥバック(背面パス)につなぐところなど、技術面でもかなりハイレベルな技が光っており、
また、演技中の姿勢が良く、足元もふらついていなかったので、パスがダイナミック、かつ綺麗に見えていました。
演出面においては、二人が違うポーズをとりながらも、ちゃんと笑顔(&どや顔)でお客様の歓声に答える姿は
とても好感度が高かったです。
正統派、王道であることは間違いの無い二人ですが、
+アルファとしてキャラクターを出したこと、ネタを挟んだこと、というのは、「これが俺たちのパスだ!!」と
ちゃんと競技会の性質を汲み取ったパフォーマンスであり、とても個性を発揮できていたと思います。
この調子で自分たちの世界観作りを強化しつつ、安定感をさらに向上させられれば、
またパワーアップしたこーのCLUBを見せることができるのではないでしょうか。

チーム部門の結果は、
1位 こーのCLUB 2位 そらにん 3位 Fabs
でした。
見ていて、正直チーム部門は審査委員泣かせだなと思いました。
どのチームも素晴らしく、甲乙つけがたかったのではないかと思います。

そうなってくると、ドロップが目立ってしまったArlon Childrenは入賞から外さざるを得なく、
(ドロップが多くなると、「完成度」の点数が低くなり、
 それにひっぱられて「難易度」「エンターテイメント性」カテゴリの点数も低くなってしまうでしょう。)
残った3組を見ると、
「エンターテイメント性」・「難易度」でこーのCLUBが、
「構成力」・「完成度」でそらにんが高得点を稼いだのではないかと想像します。
因みに、Fabsは「希少性」を中心に、偏り無く点数がついていたと思いますが、
こーのCLUBもそらにんも、高得点を取ったカテゴリ以外の点数も満遍なく得点があったと思うので、この2組に及ばなかったのではないでしょうか。

結果論となってしまいますが、そらにんとこーのCLUBを比較したとき、
「難易度」の得点が高い……すなわち、ガンガンに難しい技を決めていると、それに引っ張られる形で
(当然観客を魅了するので)「エンターテイメント性」や(難易度が高い=誰もやっていないという意味で)「希少性」の得点が上がるので、
こーのCLUBに軍配が上がったのかな、と思います。 

やっぱりガンガンに難易度の高い技をやっていたほうがジャグラーとしては好感度高いですしね。

今回、事前に、かなり実力のあるチームの落選を知っていまして、
これは決勝に進出したチームが相当なパフォーマンスをしないと後腐れが強いだろうなと思ったのですが、
特にクラブパスの2組は素晴らしいパフォーマンスであり、堂々とした演技であったと言えましょう。

僕がよく言うことなのですが、
日本人の美徳のひとつとして、”Won by Ippon”という言葉があります。
これは、柔道などで勝つとしたら、「一本勝ち」をするということ。
柔道という競技も、「有効」「技あり」など、審判のさじ加減で得点がついてしまう競技でありますが、
(もちろん、そうならないように世界各国の柔道界で色々な工夫をされていると思いますが、そういう話ではなく)
誰が見ても文句なしの一本で勝つことができれば、まったく後腐れなく終わることができます。

「誰が見ても圧勝」という状況を作ること。
当落のボーダーラインから飛びぬけるためにはそんな演技が必要なのかな、と思います。

今回4組は、先にも述べたように、甲乙のつけ難い、どの組も素晴らしい演技でしたが、
逆に、飛びぬけていなかったからこそ、お客さんだったジャグラーの皆さんには、
様々な順位予想が存在していたのではないかと思います。

因みに、僕の予想では、鳥肌が立つほど感動したのでそらにんが1位、こーのCLUBが2位でした。
(3位はFabs。)

■女性部門
鈴木(クラブ)
JJF2012で2位だった鈴木さんの再登場です。王道クラブジャグリングに、ヘリコプタースピンなどの高度な技を織り交ぜたパフォーマンスでした。
しめやかな感じのキャラクターを押し出していたり、ドロップのときにキックアップをして技に戻ったりなど、
昨年からさらに成長をしている印象を受けました。
完成度重視でテクニカルな印象はそこまで強くなかった……のですが、
最後は5クラブまで成功させているし、ヘリコプタースピンをあんなに投げられるような人は男性を含めて探したとしても、
そういるもんじゃないんじゃないでしょうか。
演出の力が多くなってきただけに、ドロップのときのキックアップも、さらに発展させて、「ドロップしましたよ、けど何か?」と、さらっと
流れに組み戻せるようになると、さらに見ごたえのあるパフォーマンスとなるのではないかと思います。

田崎杏(ボール)
こちらも2年連続出場。頭の上系の技を武器とした、可愛らしいルーチンでした。
まず、本人が事前ナレーションで
「去年より成長している姿を……」と言っているとおり、昨年よりも技術力はとても上がっていると思いますし、
多分普段はもっとガンガン技を決めているんだろうなぁと想像しますが、やはりステージの上だとちょっと勝手が違いますよね。
頭の上系の技は、何が起こっているかわかりやすいですし、3ボールのときに使った技の応用を4ボールでやっていたりと、
構成の面でもうまいなと思う箇所がありました。
(前に伏線を貼っておいて、後からさらなる発展系の技が出てくる、というのはルーチン作りのちょっとしたアクセントになります。)
やっている技も、可愛らしさとオリジナリティあわせた技でよかったんじゃないかなと思います。
ひとつの技を武器として持っている人の場合、その技を中心にできる可能性を探っていくと、
何かしらのイノベーションが突然起こることがあります。
「こいつあほやろ!!!!」と言われるような、突拍子も無い技を閃くのはちょっとまだ先かもしれませんが、
是非ともその調子で、自分独自の技を探っていってほしいなと思います。

おの(リング)
ホログラムの貼られたリングを使ったかなりガンガン系のリングジャグリング。
まず、ホログラムリングが不思議に見えたこと。 道具の特性とはいえ、「綺麗に見える」「不思議に見える」というのは
とても重要なことなので、アイテム選びから成功していると言えましょう。
キャラクターも良かった。僕の目には、クールでかっこいいお姉さんキャラクターに映っていましたが、意識されてましたでしょうか。
序盤で(多分いつもは何の失敗もしていない箇所で)ミスをしたとき、落としたリングを拾いきれずまた落としてしまうと言うことがあり、
緊張感がかなりこちらに伝わってきたのですが、
ところどころ硬い動きながらも、決めるべきところはしっかり決め、最後まで集中力を切らせなかったのは素晴らしいですね。
最後の技、6リングのプルダウンを、(失敗こそしましたが)最終的にはちゃんと決めて演技を終了させたのもとても好印象です。

まぁちゃん(ボール)
2013年じゃぐなぎ杯にも出場してくれた、ボールのまぁちゃんです。
前半が演出重視の演技、後半が技術重視の演技、となっていました。
やはり緊張していましたよね、多分普段なら難なく決められる技がボールが手につかなかったりとか、そんなことがあったかもしれません。
前半の演出にあった、足を動かしながらの技というのは、意識が散漫になってしまい難易度の高い技なんです。
それを、難なく決められるところあたり、練習のあとが垣間見れますよね。
後半の技も、かなり「攻めて」いたことを感じました。難易度の高い技に、会場も「おおっ!」と反応を返していましたね。
最後、多分当の本人は納得いかなかったと思いますが、
5ボールのバッククロスを、何度か繰り返し、ちゃんと拍手をもらえるまでやったことが素晴らしい。

女性部門は、
1位 おの 2位 鈴木 3位 まぁちゃんでした。

まず、おのさん、鈴木さんはともに決めた技の難易度が高かった。
特におのさんは、最後の6リングのプルダウンをきっちり決めたことでぐっと「難易度」や「完成度」の点を稼ぎ、
さらに、クールなお姉さんキャラが「エンターテイメント性」を引き上げていたのではないでしょうか。
鈴木さんは「難易度」や「完成度」はおのさんと競っていたと思いますが、「エンターテイメント性」の得点を稼げなかったのではないかと
いう印象です。

まぁちゃんも田崎さんも「エンターテイメント性」は評価されていたと思いますが、
最後の技にもたついてしまったところで、「難易度」や「完成度」が引かれてしまったのでは? と感じます。
同じ「エンターテイメント性」のカテゴリの中で、よりまぁちゃんの方が印象が強かったため、この順位になったのではないかと思います。

因みに、僕の予想順位は
1位 鈴木 2位 おの 3位 まぁちゃん でした。
全体的に決めた技としては鈴木さんの方が難易度が高かったんじゃないかなぁと感じましたので。
会場の盛り上がり方はたしかにおのさんの方が上だったんですよね。

■男性部門
加藤侑大 (ボール)
加藤さんは、過去もJJFに出場していました(していましたよね?→※ 追記 していないそうです おいおい、僕は誰と勘違いしていたんだ?)が、久々のJJF出場です。
とにかく首の後ろ!!これでもかというくらい首の後ろから投げたり、首の後ろでキャッチしたり。
もう、頭の後ろに目がありますね、これは確実に。
こういう、ひとつ筆頭となる「武器」があって、その「武器」を最大限に生かしたパフォーマンスがJJFでは強いんですよ!!
しかも、その「武器」それ自体が高難易度だったため、それの応用の技をガンガンやられてしまうと、観客席も盛り上がらざるを得ない。
ドロップもあったことは間違いないですし、むしろ多かったかもしれませんが、
それ以上に「その技が決まっているところが見たい。」 そう観客に思わせたら勝ちです。
前半のピルエットからのトランジッション(技の移り変わり)は、やり直してでも成功しているところが見たかった!というのが僕の本音です。

JIN(シガーボックス)
3つのパズル的な動きの斬新なシガーボックスのスタイルから始まり、4つ、さらには5つと増やしたシガーボックスの新星。
はっきりと申し上げて、彼はまだ出てきてはいけない存在だった。
去年までのシガーボックスの世界をたった6分間で2世代くらい塗り替えてしまいました。完全に狂ってる。
体感ですが、4年後くらいにこのスタイルが出てきたら「すげえ!! ついにこんな技を決められるシガーボックス使いが現れたか!!」
と素直に賞賛を送ることができたのですが、今出てこられると、まったく現実味がありません。
普段はステージ上に大声で歓声を送っている僕なのですが、彼の演技には呆然とするばかりで声すら出なかった。
これが高校二年生だというのだからたまりません。
友人の言葉を借りるとするならば、「全てのシガーボックス使いの心を折りました。」
まあ、そんな心の折れたシガーボックス使いがどう彼と勝負していくかはまた別の話で議論することにしましょう。
前半の3つのシガーボックスのスタイルは、
Erik Åbergが考案し、日本のイケメンシガーボックス使いサクユさんが発展させ、JIN君が完成させたといっていいパフォーマンス。
今後、類似するパフォーマンスが出てきたとしても、この事実は揺るがすことができないでしょう。
(よっぽどさらに発展させるようなものが出てくるなら別ですが。)
その3つのパフォーマンスですら相当な賞賛を送りたいのに、彼はその後もすごかった。
4つの技もやってたと思うのですが、とにかく5つの技がやばすぎて記憶にあまり残っていません。
5つのダイヤモンドだけでもすさまじいレベルだというのに、5ダイヤモンドループ、5タワーピルエット、5日大回転背面キャッチと、
一回のドロップもせず連続で決めるということは、例えるとすれば禁忌の森に足を踏み入れる行為。
これからのJJFでは、彼のシガーボックスを基準に考えられてしまうかと思うと恐ろしくてたまりません。
そのくらい完璧な演技でした。僕はもう、この時点で彼の優勝を確信していたくらいです。

宮野玲(リング)
この散々盛り上がった2組の後はきつかったのではないでしょうか。
しかし、さすがは数々の舞台を経験してきた玲君、最初の技でばっちりと観客の心をつかんでいました。
話が前後しますが、オープニングの斬新な演出はとても面白かったです。
演技の方は、彼が舞台活動で行っているソロ演技の雰囲気そのままの、「ジャグリングショー」の6分間だった、という感じです。
ドロップいて床に落ちてしまった道具をそのままジャグリングに織り交ぜてしまえと、
失敗も失敗と受けとめて、それを含めた演技をする、というのがあるべき姿だと思いますし、それを実践しようとしたのも伝わりましたが、
ややそれが原因で演技が乱れてしまったように思います。
とはいえ、随所に彼ならではのハイレベルな技術を要求される技もありましたし、それを成功させていたと思います。
玲君の実力は、誰しもが知るところですので、本気の「競技会用の」演技というのも見てみたいという欲求が生まれてしまいました。

阿部紘凡(クラブ)
ガンガン系クラブジャグラー、ぱねやすさんの登場です。
初っ端から5つのクラブジャグリングを始め、そして足の下を通す。いきなりのオープニングで会場がどよめきます。
いきなりガッツンガッツンストレートを繰り出す戦法といっていいでしょう。
クラブという道具は扱うのが難しいですが、標準レベルを5つにおいての戦い方は漢らしかったですね。
昔のトーマス・ディーツのパフォーマンスを彷彿とさせます。
ここら辺は、個人のこだわりの話もあるので、あまり突っ込むべき話ではないかもしれませんが、
せっかくここまでの武器があるのだから、初っ端からボルテージマックスとせず、
緩急をつけるためにも最初は手加減をして始めた方がいいのではないかなぁ、と感じました。
ぱねやすさんは、王道のジャグラーだと思っているので、王道の組み方をすればまた印象の違った演目ができてくるものと思いますし、きっとまたドギツイ演技を引っ提げてステージで見られるものと思っております。
間違いなく決めた技の難易度の高さは全競技者の中でもトップクラスです。
6クラブの足の下……すさまじい技です。

榊原教貴(ボール)
彼もじゃぐなぎ杯に参加していただきまして、今年は見事に2位を獲得した方です。
4~5個のサイトスワップやボディースローの上手い方で、
今年のじゃぐなぎ杯では僕は彼が一番技術的に高度な技を決めていると評しました。
安定感が増しており、演技全体を通して、「見たい技」を「決めてくれたな!」という感想を持ちました。
途中にあったのは、数が数え切れなかったのですが8個のハーフシャワーをやっていましたか?
演出系のカテゴリにはそこまで力を入れていなかったのではないかと思いますが、
僕はこういうフラットなキャラクターというのも「あり」だと思っています。
演技を行う上において、使いたい技を「生かす」ことのできるルーチンというのが良いと思うので、
期待感をあおるような構成にしていくと、さらにパワーアップした演技となるのではないでしょうか。

野中葵(ディアボロ)
彼も何年もJJFに挑んでいたと思いますが、悲願の出場です。
昔、じゃぐなぎで練習していたころは、まさかここまですごいジャグラーになるとは思っていませんでした。
今回の彼のルーチンは、「見たことが無くて」「綺麗な」技が多かった印象です。
ディアボロ使いの演技は演技の内容が似たり寄ったりになってしまい、他の人との差別化が難しい道具であったと思います。
しかし、彼は演技の中心を2つと3つのディアボロの演技に集中させ、
2ディアボロは動きの面白さを、3ディアボロは間髪無く続く技の連続をテーマにおいて観客を盛り上げていました。
特に、技の開始~ストールでフィニッシュまで、かなりの時間をかけて連続で技を行う
怒涛の連続技は技の途中で歓声が沸き起こっていましたね。
演技も、気負い過ぎることなく、実に堂々としたパフォーマンスで、お見事でした。

shinkai(ボール)
JJFのチャンピオンシップの出場者が決まり、もし名前の知らない人が出ていたら、
googleなりなんなりで、どんな人なのかみんな調べてみると思います。
すると、「ああ、この動画の人ね。」とか、「ああ、この大会で●●位を取っている人か。」
と、なんやかんやで結局世に名前が出ている……くらいでないと
最近はJJFの予選すら突破することが難しい状況になっています。
しかし、このshinkaiさんという人だけは、みんなが調べたものの、まったく正体がわからずじまい。
どこのサークルに所属しているのかもわからない。
フェスティバルが始まっても誰も何者か知らない。
パフォーマンス直前に、事前に提出する必要のある意気込みの文書が読まれるのですが、
それすらもまったくのノーコメント。誰も知らないshinkaiさん。
いったい何者なんだ……!?
そんな、異様な雰囲気に包まれた会場、音楽の開始とともに舞台袖から3つのボールで技をやりながら現れたのは……

2010年男子個人部門優勝、2011年2位、2012年3位の村上翼さんじゃあないですかっ……!!!!!

この演出は卑怯w
大爆笑に包まれる会場。絶対村上さんそんなことする人だと思ってないもんw
聞けば、出場者の集合時間へ現れたのも時間ちょうどで、そこまで徹底しなくてもw
この演出を「エンターテイメント性」に含めていいかと言えば多分Noだとは思いますが、
含めていいんだとすれば満点をつけていいと思いますw

そんなshinkaiさん、出落ちで終わる筈もなく、、
いつもの村”神”節+昨年も感じた観客へのアピールに加え、今回は全出場者の中で目立ってドロップが少なかった。
もはや技術に関しては説明も不要でしょうが、全ての観客の理解を越えた3ボール、及び4ボールの
凄まじいまでのテクニックを堪能させていただきました。

それにしても、この年々レベルの上がり続けるJJFにおいて、
4年連続の決勝進出というのは凄いことですよ。
むしろ、毎年毎年手を変えて、成長する姿をしっかりと見せてくれる村上さんの今後にますます期待してしまいます。

こんな茶目っ気のある人だとはまったく知りませんでした。
いやぁ~……ファンになっちゃうなぁ、これは。

隈本哲人(デビルスティック)
東京にすげえデビルスティック使いがいる。ちらほらと噂を聞き始めたのは昨年の夏くらいだったか。それがこの人、てつんどさん。
聞けば、何回も予選に臨んだものの落選を繰り返し、悲願の決勝進出だったとか。
演技の開始から、縦横無尽に暴れまくるデビルスティック。
もともとどうして浮くのかわからないところがデビルスティックの魅力であるのですが、
摩擦と遠心力を上手く使いこなすことでデビルスティックを浮かすことができるのだよということを理解している、
大半がジャグラーという特殊な環境なのに、
観客の半数以上の人が舞台上で何が起こっているかを理解できていなかったのではないでしょうか?
少なくとも僕は、7割、いや8割以上の技が「初めて見た」技だったと言えると思います。
これだけジャグリングの文化が定着し、知らない技なんかもうないだろうと思っていたのに、
まだここまで可能性を見せつけてくるとは……
この感触は、5年ほど前に、村上さんが、開拓し尽くされていたと思われていた3ボールの世界に
新たなる風を巻き起こした時に似ています。
それでいて、きちんと観客を意識したポーズの決め方であるとか、客層を理解しているマニアックな技であるとか、
全ての面について隙がありませんでした。
舞台の使い方も非常に上手い。デビルスティックだけではなく、自分も右へ左へと動き続け、
ボディー系の技を多用した機敏でダイナミックなパフォーマンスは、真似しようと思ってもそう簡単にはできるものではないでしょう。
ドロップだってあったのですが、それを感じさせないくらいリカバリーが早い。
とにかく、「何が起こっているのかわからなかった」。
JINくんと同じように、途中から呆気にとられっぱなしで、拍手も歓声もあげることを忘れてしまいました。
敢えて、なのですが、途中でタオルでスティックをふきましたが、
何かの入れ物を使って、もともとそこに入っていて、そこに戻す、くらいの舞台への気遣いがあったら
さらに素晴らしいものになると思います。
いずれにせよ、この演技を見て、JINくんの圧勝だったと思っていた優勝予想が、
一気に変わってしまいました。

コータロー(ボール)
コータローさんと言えば、マニュピレーションジャグラーの方なのかなと勝手に思っていましたがとんでもない。
素晴らしいトスジャグラーでした。
見せ方のうまさが流石で、演技の最中、投げるボールのスピードが緩急つけられていたり、
4ボールのパートも、不思議な動き方のパートがあったりなど、うまい構成をしているなと感じていました。
派手な演出というのはあんまりなかったように感じますが、何しろ、技のセンスと演技の構成がよかった。
この世界観の作り方というのは職人の成せる技なんだろうなぁという印象を受けました。
世界観が完成されてしまっているので、なかなか難しいとは思いますが、
ジャグラーをはっとさせるようなインパクトの強い技がところどころにガツン、ガツンと入っていると
こういう複数のパフォーマーが出演するような機会においても印象に残っているようになるのではないでしょうか。
ドロップの数も少なく、完成度も高かったように感じています。

今年の男性部門は、上の感想を見てわかってしまうと思うのですが、
てつんどさん、JINくんの2人が圧倒的だったように僕には映っています。
やはりこれもまた結果論になってしまうのですが、
この二人を比べた時、てつんどさんの方が舞台を目いっぱい使い、また、見たこともないような技ばかりの
パフォーマンスだったので、
「構成力」「希少性」のカテゴリでJIN君を上回っていたのではないでしょうか。
とはいえ、このカテゴリでも、それ以外の部分でも、高いレベルで二人とも僅差だった筈で、
この順位が入れ替わっていたとしてもまったく不思議ではありませんでした。

3位は、観客席の盛り上がりで言ったら間違いなく加藤さんで、
「希少性」や「エンターテイメント性」、「難易度」のカテゴリで他を上回っていたのではないでしょうか。
演技の最初の方のトランジッションが綺麗に決まっていたら、もしかすると上位の2人に並ぶくらいの
得点はありえたかもしれません。

「完成度」の高かったshinkaiさん、ディアボロという「希少性」を出すのが難しい道具でそれを実現した野中君がこれに続いていたと感じます。

※追記 書き忘れていましたが、1位 隈本哲人、2位 JIN、3位 加藤侑大 でした。
男性部門は、1位~3位の予想は的中しました。

総括です。
2007~2011年くらいは、それこそ、ノードロップに近い出来の
パフォーマンスが高い評価を受けていたのですが、
ここ最近でまた技術力のイノベーションが起きているのか、
ドロップはあまり気にすることなく、
まずは凄い技を決めること、という形に変化しつつあるのかなと思います。
今、日本全体としてみると、技術が伸び盛りな時期で、
また少し時が流れると変わってくるのかもしれません。

あと、衣装もあんまりこだわらないでTシャツだったりとか、
音楽も「曲ハメ」ではなく、あくまでBGMとしてそこにあるという
タイプの演技もありましたね。
「ジャグリング」が主役ですから、そういう変わり方というのも面白いと思います。

来年以降のチャンピオンシップ、それはそれはまた楽しみになってきました。


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