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2011/11/22

去る9日(水)、茨城県桜川市の小中学校合同音楽会
にお招きいただき、ゲスト演奏してきました。午前・午後
の部合わせて3~400人ほどの生徒さんがいたでしょうか。
ジャズ演奏と音楽(作曲)の魅力について自分の思うところ
を20分間お話してきました。

 それぞれの学校の合唱団、吹奏楽団、マーチングバンドなどの
演奏を聴かせていただいて、その後に私が登場。まずは1曲演奏。
午前の部は「My Favorite Things」午後の部は「星に願いを」
にしました。

 依頼してくださったA小学校の教頭先生でサックスプレイヤー
でもあるTさんには、私が小さい頃から作曲を勉強してきた
ことを通して音楽の楽しさについてお話してもらえれば、と
伺っていたのですが、、、いろいろ考えましたねえ。

 やはり今ジャズをやっている身なので、自分が今やっている
ジャズや作曲ってどんなもの?ということを
「メロディー、リズム、ハーモニー」という音楽の三要素を
通して説明することにしました。

 まずはリズム。ロンドン橋やネコふんじゃった、をジャズ
風にするとどうなるか、実演して、リズムを変えることで
曲調がガラリと変わるということを体感してもらいました。

 そしてハーモニー。唱歌の「もみじ」を普通バージョンと
リハーモナイズ(和音をアレンジして自分流につける)ジャズ
バージョンと聴き比べしてもらい、同じメロディーでも和音が
違うだけで曲調がガラリと変わるということを体験して
もらいました。

 最後に「メロディー」をどう作るか、その場で実践!
ということで生徒さんからお題をもらってそのイメージを
その場で曲にする、という即興演奏をやりました。自分の
感情や気分も曲にできるんだよ~という例を出したら、あと
から女子中学生に「悲しい曲が印象に残りました」と感想
をもらったので「悲しくなったら曲を作ってみてね。きっと
心が少し楽になるよ」と伝えてみました。
 
 自分の子供の頃のことを考えると、やっぱり音楽って私の
生きる支えだったのだなーと思います。
 厳しい練習にほとんど挫折していたり(笑)もうやめよう
と何度も思ったけれど、自分の中で音楽をやっていたという
形がきちんと残せるまではやめられない、と思いながら
やっていました。最終的にはフランスに演奏に行けたので、
ここを区切りに止めたことになるのですが…。
 だから今までは自分の中では意地でピアノを続けていたほうが
強かったのかも、と振り返って思うこともありましたが、でも
やっぱり、そうではなく、いろんな悩みや悲しみがあってもピアノ
があったから乗り切ってこられた、という部分もあり、何より自分は
ピアノや作曲で何かを表現できる、ということが強みであり支えで
あったんだな、と再確認しました。 

 自分のことも振り返ることができたし、生徒さんたちが直向き
に音楽に取り組んでいる様子も見られたし、自分の演奏について
も面白い反応も沢山もらって嬉しかったです。どんな形であれ、
今回の講演が少しでも生徒さんたちの心の中に残ってくれたら
嬉しいなと思います。
 何より、ジャズの若年層化を訴えている身としては!絶好の
機会でした。このような機会を持たせていただいたことに感謝
します。

 そして、これからもこういった講演の依頼などもお待ちしており
ますので、お気軽にお問い合わせくださいね♪

05:43 | toyama |  未来のジャズミュージシャンは出るか!?~小中学校音楽会 で講演 はコメントを受け付けていません
2011/11/04

 前回の記事から1ヶ月以上ご無沙汰してしまいました。
更新を楽しみにしていてくださる皆様、申し訳
ありません。この9月~10月は本当に忙しく、CD
発売記念ライブの2回目、3回目があり、新潟や
札幌へのレコ発ツアーもありました。
 芸術の秋ということもあり、発表会のサポート仕事
も沢山、頑張っているサックスやボーカルの生徒さん
たちのバックを務めたりしました。
 普段の演奏も10月は26本を超え、月6回の
完全レッスンデーと合わせても1ヶ月の計算が
合わない(汗)そんな月でした。

 ツアーや日々のライブを無事に終わらせることで
精一杯の先月でしたが、それでも考えていることは
ありまして、なんとか文章にしたいな、とは思って
いました。それはジャズの未来についてです。

 ちょっと題目が大きすぎますかね。。。

 最近よく耳にするのが「もうジャズなんて・・・」
という言葉。今に始まったことでなく、大分前から
「ジャズは死んだ」という名言があるくらい、流行の
音楽ではあきらかになくなっている今のジャズ。

 でも本当に「もうジャズなんて未来はない」のでしょうか?

 現状として、ジャズのライブハウスにお客さんが
入らない、若い人がライブに来ない、、、そういう様子
から、ジャズ屋さんをやっている店主までが「もうジャズ
はダメかもしれない」なんて言っています。

 ジャズを提供する側の人間がそんなことを言うなんて、
とんでもない!

 ツアーで出会った方、日々のライブで出会う方・・・
古くからのジャズファンばかりでないし、若い方も
多いです。これからジャズを聴こうと思っているんです、
でもどこへ行ってよいかわからなくて・・・そういう人、
実は沢山いるんだと思います。それから子育てを終えた
お母様方・・・音楽が好きで実はジャズもやりたい、
だけれど酒場には行けない、、、耳の肥えた、本物を求める
方がたも沢山います。私のジャズピアノの生徒さんの3分の2は
そういう方なんです。

 そういう「ライブはどこへいけば聴けるの?」と思って
いる人たちに、足を運んでもらえるような、そんなお店や
そんなミュージシャンが増えたら、まだまだジャズは
続いていくと思います。
 
 若手のミュージシャンも優秀な人が沢山出ています。
古いジャズも好きで良く聴いていて(私なんかより知識が
豊富で冷や汗もの)そういうものを取り入れながらも
新しい感性で自分なりにジャズを演奏していく・・・

 私もそうありたいと思っているし、まだまだ沢山の人に
聴いて欲しい、そのための努力もしようと思っています。

 ただ、自分には商才はあまりなさそうなので、自分が
良いと思った音楽を新しく生み出していく、ジャズの良い
ところをもっと学んで継承していく、そういうことしか
できませんが・・・。

 そんなことを思いながら演奏していた10月でした。

9月末の新潟ツアー、そして10月末の札幌ツアー、それぞれ
本当に色々な方々のお力を借りてなんとか成功しました。
今回は精一杯の力を出しましたが、まだまだ、もっともっと
やれるはずだ、と思っています。
もっともっと自分の「Ambition」を抱いて、今年の残り2ヶ月
まい進していきたいと思います。

 札幌ツアーの様子をブログにアップしました。
もしよければご覧ください。

札幌ツアー1日目
http://goo.gl/QiIAI

札幌ツアー2日目
http://goo.gl/2X7B6

 3rdCD『Ambition』好評発売中です。
各メディアでも続々取り上げられております。
手元の在庫も着々と減っております。お買い上げは
今のうちに!!

http://homepage2.nifty.com/akiko-toyama/Ambition.htm

03:34 | toyama | 自分なりの『Ambition』 はコメントを受け付けていません
2011/09/21

もう1週間以上経ってしまいましたが・・・
去る9月11日、JunkStage第三回公演「瑠璃の彼方に」に参加。
無事終了しました!

前回と前々回のコラムにも書いたように、
今回はJunkStageのイベント初参加。そして演劇に初挑戦。
また、テーマ曲を初書き下ろし…と初めて尽くしのドキドキ体験。
一度の打ち合わせの他には、前日の合わせと通し稽古にしか
参加できず、スタッフの皆様をきっとヤキモキさせたことでしょう、すみません。

でもスギさんの脚本コンセプトがしっかりしていて、バシバシと
何かが伝わってくる。私たちパフォーマーは、何も余計なことを考えずに
いつものような表現を精一杯すれば良いようになっていたのだと思います。

そしてそれは、ひいてはこのJunkStageコラムという場所での表現に
つながるのだな、と思いました。

 代表の優さんをはじめ、スタッフの方々が、私たちライターが書きたい
ものを書きたい時にいつでも表現できるように準備しておいてくださって
いるのが、このJunkStageという場所なんですね。

そして、公演後の打ち上げで、公演を見に来てくださった沢山の他の
ライターの方々とお話をする機会も貴重でした。普段「表現する」ということ
を直接仕事にしている人もしていない人も、コラムや仕事や、どこかで何か
を伝える「表現者」として生きていることは共通なのだな、と話の中で
思いました。

  JunkStageという場所の中で繋がる人たちが共有する喜び、悲しみ、悩み
を分かち合う・・・そしてまた勇気をもらって明日へ進んでいく・・・JunkStage
公演はそんな場所でした。

 さあ、また明日から自分のできる限りの表現を、胸を張って続けていこう!!

 明日からは台風が懸念されますが、新潟ツアーに行ってきます。
新潟の皆さんの前で良い演奏ができますように・・・頑張ります!

外山安樹子ライブスケジュール
http://homepage2.nifty.com/akiko-toyama/LiveSchedule.htm

03:38 | toyama | 瑠璃の彼方に・・・ はコメントを受け付けていません
2011/08/25

Junkstage舞台公演まで、あと3週間を切りました!

今年で3回目を迎えるイベント。昨年の9月末からライター
の仲間入りをさせていただいた私にとっては初めての
参加になります。

前回のコラムで、テーマ曲の作曲エピソードについては
書いてしまったしなぁ…なんて思って、何を書こうか、書き
あぐねておりましたが、今回の公演に参加する自分の
心情について素直に書いてみようと思います。

異業種交流会ってありますよね。ブルーカラーの方々が
よく開催しているような…。ミュージシャンの中にも、異業種
交流が得意なタイプ、そうでないタイプがいるようですが、私は
その中間くらいかなあ…。決して積極的なほうではありません。
映画やドラマ、CMの音楽など担当されている方は常に他の
創造物との関わりやバランスを考えながら創作活動をしている
と思いますが、ライブ活動が主のミュージシャンはその世界だけ
で完結してしまいがちです。日ごろから他の創造物にアンテナ
を張っておくことも大切です。
…というのは分かってはいるけれど、休みの日はつい寝ほうけ
てしまうワタクシ。反省。実際に仕事で他の分野の方と共演する
と決まってからその分野について調べたり、教えてもらったり。
今までコラボしたのは、絵画、社交ダンス、珈琲(私の曲の題名を
商品名にしてもらったのです)、、、くらいでしょうか。あとは、私の
曲を聴いて小説を書きたい、と言ってくださった方がいますが、
途中までで止まっているようです。

これらのコラボは、必ず私の曲が先にあって、そのイメージで
作品を作ってくださったり振り付けをしてくださったり・・・逆のことは
今までほとんどなかったのです。

そして今回の舞台公演。
脚本を読み、詞を読んで、イメージを作る、という体験をしました。
そして大異業種交流なわけです(笑)最初お話をいただいた時には
どうなることか、、、と自分の中でとても不安でしたが、話が具体化
していくとそんな不安は吹っ飛びました。とにかく皆さんプロ!ただの
異業種交流じゃないのです。一芸に秀でた人たちが集結して一大
プロジェクトに携わっている・・・そんな感じです。そういう場面では
自分は自分のできることを十分に能力を発揮するだけ。それで大丈夫
なんですね。

これから稽古も始まりどんどん形が見えていくと思います。どんな形
になるのか、参加する私もとても楽しみなのです。

03:55 | toyama | JunkStage公演、参加によせて はコメントを受け付けていません
2011/08/08

 JunkStageのライターさんの一芸がぐぐっと結集する
年に1度の舞台公演が、9月11日に吉祥寺スターパインズカフェ
にて行われます!私は今年初参加。今回この舞台公演の
テーマソングを作らせていただきました!作詞は演出のスギタクミさん。
 詞を読んでイメージを膨らませたかったので、詞を先に書いて
いただきました。詞に曲を付けるのは、ほぼ初めての経験。どんな
風に作るのだろう・・・自分でもわからなかったのですが(笑)
いただいた詞を読んでいたら、自然とその詞に合う曲が頭に
流れてきました。詞の特徴を生かしながらメロディーを展開
させていく作業はとても面白かったです。
 どんな作品に仕上がったか、興味のある方は是非9月11日に
いらしてみてくださいね。生演奏もあります。

 というわけで、普段は曲だけを書くことがほとんどな私ですが、
どんなときに、どんな風に曲を書いているの?と質問されること
が多いので、この際書いてみようかな、と思いました。

 だいたい最初のテーマは日常生活を送っている最中とか、
ベットの中とか、電車の中とか・・・ピアノの前に座っている
時というのはほとんどありません。浮かんだら、すぐにはメモ
せずに頭の中で繰り返してみる。少し時間を置いても覚えて
いるようだったら「このメロディーは使える」と判断して(あくまで
自分基準です)続きを作るため、まずはメモ。
 このメモの段階で放置されるものもあれば、すぐに続きが
作られるものもあります。モチーフメモだけで終わったものは
数知れず・・・。

 そして、続きも、すぐピアノの前に向かって作るわけでは
ありません。頭の中で鳴らします。頭の中ではどう鳴ってる
の?というと、オーケストラのように壮大な音の時もあれば、
ピアノの音のときもあるし、サックスやトランペットなどの時も
あります。ピアノの上で指を使って作ると、どうしてもピアノ
らしい、その枠に収まった曲にしかならないような気がします。

 続きもある程度決まって、今日は曲になりそう!と思ったら
ピアノの前に向かいます。録音しながら頭の中で鳴っていた
ものをイッキに演奏して行きます。その過程でかなり直しが
入ることもあるし、すんなりといく場合もあり。

 こうしてだいたい1曲が完成します。

 一度夢の中で自分が曲を弾いていて、それを聴いていた
横の人が「それは良い曲だから書き留めなさい」と言って
くれて、慌てて起きてメモした、ということがありました。
 作曲してる人は一度は体験することではないかと思うの
ですが・・・。でもいつもこうして夢の中で作れたら、いいです
よねえ。。。(笑

 そんな曲たちが詰まった、新しいCD、好評発売中です。
プロモーションビデオもあるので見て聴いてみてくださいね♪

『Ambition』外山安樹子トリオ:PV

購入はこちらから
http://homepage2.nifty.com/akiko-toyama/Ambition.htm

01:03 | toyama | 曲が思い浮かぶのはどんなとき? はコメントを受け付けていません
2011/07/31

お酒とジャズ

 ジャズといえばお酒、と連想される方、多いと思います。
実際、ジャズの生演奏を入れているお店でお酒を出さないお店
のほうが少ないのでは・・・。
 日々演奏する場所も、音楽とお酒の需要の割合はその場所
によって様々です。料理やお酒もありながら、ライブ時は静かに
演奏を聴く、というライブハウス。適度にお酒とおしゃべりを
楽しみながら聴いてもらうという姿勢のジャズバー、ラウンジ。
そして、主にお酒と男女の語らいが目的で、雰囲気作りとして
ジャズの生演奏が使われるクラブのような場所・・・。
 カラオケがなかった時代はお店の専属バンド、いわゆる
「ハコバン」全盛期で、生演奏の需要もとても多かったですが、
カラオケの普及、バブルの崩壊・・・どんどんミュージシャンの
職場は減ってきました。でも大分少なくなったとはいえ
どのミュージシャンも、スケジュールに出さないスポットライトの
当たらないBGMの仕事も多かれ少なかれ持っていると思います。
 でもこういう仕事が侮れない。お客様のリクエストが来れば
できるだけ弾けるようにどんどん曲を覚える。どんなときでも
演奏できる精神力も養える(笑)経験を積む場としても貴重で
あります。

 ただやっぱり、私は自分自身があまりお酒を飲まないので
お酒に特化した場所での演奏は苦手なほうではあります。
どっちかというと美味しいものが出るレストランとかカフェの
ほうが好きだなあ。。。ちなみに外山安樹子トリオのメンバー
は3分の2が下戸でございます。(って3人しかいないけど)
で全員食いしん坊です。(バンマスが一番食いしん坊という
説あり)
 
 いま私は、いわゆるショットバーのようなミュージックチャージを
いただかない形で音楽を提供する、という現場が2~3件
ありますが、ありがたいことにどのお店もお客様が演奏に耳を
傾けて下さるし、スマートでステキなお店ばかりです。
 そんな場所でお客様とお話しながら、普段どんな気分で音楽を
聴いて下さってるのかなーなんていうのもわかって勉強になります。
  先日、バーでお客様とお話していてちょっと残念なことを
ききました。知り合いと行った初めてのジャズバー。ミュージック
チャージのことを知らずに行って2,3曲リクエストして弾いて
もらっただけで、かなりの金額を取られてしまったとのこと。
明朗会計じゃなくて、言い値のようなお店・・・まだあるんですね。
 初めて触れるジャズがそういう場所だったら、、、ジャズのイメージ
がダークになってしまうなあ、、なんて思って悲しくなりました。
 もちろんそういう世界のお客様にジャズ界が支えれているという
現実もありますが、、、、やっぱり自分としてはもっと気軽に、
お酒が飲めなくてもジャズを楽しんでほしいと思っています。

 今までもカフェや昼間ライブには取り組んできましたが、そういう
企画、いっそう頑張っていきたいと思っています。もし昼間に
演奏してほしい、イベントやりたい、なんて方がいらっしゃったら
一緒にやりましょう!!

11:37 | toyama | お酒とジャズ はコメントを受け付けていません
2011/07/15

去る7月12日(火)渋谷のセルリアンタワー内にあるジャズクラブ
「JZ Brat」にて、同日発売の外山安樹子トリオ・3rdアルバム
『Ambition(アンビション)』の発売記念ライブが行われました。

3月3日の録音、そして3月11日のジャケット撮影中に起きた
大地震。個人的には身内の心配なこともあり、いろいろと大変な
こともあり、途中でくじけそうになったりしつつも、無事この日を迎える
ことができ、感無量です。

自主制作盤を出した07年からまだ4年、決して早いスタートでもなく、
肩書きがあるでもなく、大手事務所のバックアップがあるわけでもなく、
マイペースで細々と、自分のやりたいことを精一杯やってきました。
こうして3枚目をリリースすることができ、最高の場所で沢山のお客様
に見守られながら演奏できて、幸せです。
これに満足することなく、さらに良い曲を作り、良い演奏ができるように
やり続けたいです。

当日は沢山CDも買っていただき、たくさんサインしました♪

記念品に用意したスペシャルチロルチョコ

そして、当日は外山安樹子トリオライブだけの一日限定カクテル
「Ambition」も出ました!

周りの方々はお世辞半分で「これでメジャーに一歩近づいたね」
と言ってくださったりしますが、きっと私はこれからも、これまでと変わらぬ
スタンスとペースでやっていくと思います。それが自分らしさだと思うので。。。

最後に、もしよろしければ、最新アルバムのプロモーションビデオです。
見ていただけたら幸いです。

外山安樹子トリオ「Ambition」プロモーションビデオ

CDはhttp://homepage2.nifty.com/akiko-toyama/Ambition.htm
コチラでお求めになれます。

05:12 | toyama | レコ発ライブ終了!! はコメントを受け付けていません
2011/06/30

 ジャズミュージシャンが作るオリジナルが今なかなか
認められない、という事態―それは、ジャズの将来にも
関わってくる問題だと思います。

 ジャズというジャンルが今なかなか多くの人に聴かれないのは、
新しいヒット曲が生まれないからではないか。そう考えることも
できるわけです。元々ジャズは大衆の音楽として生まれ、その時代
時代に出現したジャズメンが常に新しい音楽を生んで発展させてき
ました。ここではジャズの歴史は割愛しますが、大雑把に言うと
「トラッド~スイング~ビバップ~モード~モダン~コンテンポラリー
もしくはフリー」というように数々の形式を生んで80年代~90年代
にはジャズはもう行き着くところまで来てしまった感があります。
ジャンルが細分化され、多種多様で混沌とした状態が続いている
と思われます。

 ここで、いつも対極として比べられるクラシックのことを考えると、
何百年も前から近現代までの名曲が伝承者を通じてずっと生きて
きているわけで、再現芸術とも呼ばれています。もちろん現代でも
新しい曲を生み出す作曲者も沢山いるわけですが、世の中のクラシック
コンサートの中では圧倒的にバロックから近現代までの既成曲が演奏
されていることのほうが多いでしょう。
 これがジャズにも起こってきていると思うのです。
ある人は古典としてトラッドジャズを専門に演奏する。ある人はビバップ期
のスタイルこそがジャズだと思っている。ある人はフリーこそジャズと
思っている。。。。これらすべてが、今までの「ジャズの中の形式を
伝承して再現している」ともいえるわけです。
 これがアドリブの中身にまで入ってきているのはかなり由々しき
問題だと思っています。「こういうフレーズをやらないとトラッドに
ならない、バップじゃない」「○○を聴いてやらなきゃだめだ」
というような・・・。
 もちろん、先人の音源は素晴らしく、学ぶところも多く、聴くことこそが
練習、とも言えるくらいではあります。でもそれをそのまま再現する
こと、、、これはジャズとは言えないのではないでしょうか。

 そして、こんな雁字搦めの状態になったジャズは悲しい。。。

「原点に返る」、、、自分の曲の題名にもしているくらい好きな言葉ですが、
ジャズは「心の叫び」だったはずです。音楽がしたい、これを表現したい、
この音が出したい!この想いこそが今のジャズに必要なもの。だと思います。
もちろんスタンダードを題材にしても良いですが、オリジナル曲はそのプレイヤー
の「今」が如実に表現されるものです。Liveは「生」!知っている曲が
再現されることだけに喜びを感じるのではなくて、今目の前にいるプレイヤーが
どんな気持ちで音楽に向かっているのか、そしてプレイヤーも、どんなものを
表現しようとしているのか、お互いに真剣勝負で向き合う・・・そんなライブも
また良いものではないでしょうか?

 自分もいつもそんな気持ちで演奏しています。曲を作るのは「鶴の恩返し」
の鶴になった気分です(笑)
 
 自分の表現したいものを追及していったら、別にジャズにこだわらなくても
いいんじゃない?こういわれることもあります。
 でも、ジャズを聴いてジャズがやりたい、と思った私は、「ジャズメンとして
新しい音楽を生んでいきたい」と思って活動しています。

12:26 | toyama | ジャズの未来~スタンダードとオリジナル② はコメントを受け付けていません
2011/06/16

 いつか書きたいと思っていてなかなか書けなかった、
ジャズミュージシャンにとっての「スタンダード曲」と「オリジナル曲」
について、書いてみようと思います。(なぜ書けなかったかというと
ジャズミュージシャンにとって、その活動の根幹にも関わる話題で
あり、そして様々な考えの人が存在し、簡単に自分の考えを言い表す
ことが難しいからです。)

 まず、ジャズのスタンダードとは何ぞや、というところから
説明したいと思いますが、スタンダード曲と呼ばれるものは
大きく
1.ジャズメンが作った曲
2.映画音楽やミュージカル、民謡やポップスなどの既成曲を
  ジャズアレンジしたもの
の二つに分けられ、その中で広く世に知られ親しまれ、あるいは多くの
アーティストにカバーされるようになった楽曲のことをさすと思われます。

 わかりやすい例を挙げると、1.はサックス奏者のポール・デスモンドが
作った「Take Five」。2.はフランスのシャンソンから由来する「枯葉」
など。

 1.も2.もジャズの歴史と共に増加し、新しいスタンダードが次々と
生まれ、いま「ジャズ・スタンダード」と呼ばれる曲がどれくらいあるのか・・・
何百曲、いや何千曲とあるかもしれません。

 今、国内外のジャズライブハウスで日々演奏されているもの、有線
や店内BGMでかかっているJAZZ、これらのほとんどはジャズ・スタンダード
ナンバーと言っても過言ではないでしょう。「ジャズが好き」と言っている方の
中で「ジャズ・スタンダード曲が好き」という方も大勢いらっしゃいますし、
いわゆる「ジャズのジャムセッション」でも、取り上げられる曲は殆どが
スタンダードです。
 こうして世界中の人々に愛され、演奏される曲がスタンダードですから、
その力というのも絶大なもの。

 そして、現代リアルタイムでジャズをプレイするミュージシャンにも
このスタンダードの存在はとても大きく、そしてある意味壁にもなっている
わけなのです。

『 ある日ある晩のあるジャズライブハウス。若手ピアニストAは、自分が
リーダーとなってベースとドラムを率いて演奏していた。曲は耳馴染みの
ない曲。Aが作ったオリジナル曲だ。思い入れたっぷりに演奏し、終わって
顔を上げると、目の前にいる常連客が一言「ねえ、そんなのいいからさ、
枯葉やってよ枯葉!」Aはチャージをもらっているお客様のリクエストを
断ることができず、枯葉を演奏し始める。「ああ、これだよこれ。やっぱり
スタンダードはいいねえ」満足して帰る常連客。終わってからお店の
マスターにも「Aさんさあ。やっぱりお客さんはスタンダード聴きにくるんだよ。
わけのわからないオリジナル聴いたって疲れるだけじゃない。うちでは
オリジナル禁止ね!」といわれる。Aは肩を落とし「やっぱり自分には曲を
書く才能がないのかなあ」と呟きながら家路に着くのであった。』

 そんな光景。。。きっと今宵もどこかで繰り広げられているかもしれません。

 オリジナル曲に挑戦し、演奏しようとするジャズミュージシャンなら、必ず
遭遇する、と言っても過言ではない出来事なのです。
 なぜこんなことが起きてしまうのでしょう。
 ジャズミュージシャンが新しいオリジナル曲を作ることは、必要ないこと
なのでしょうか?

 理由は様々あると思いますが、
一つは「ジャズ=スタンダードを演奏すること」だという観念を持つ人が
多い、ということが挙げられると思います。
 「ジャズをやるなら、まずスタンダードをマスターしなさい」ともよく言われます
し、間違いではないと思います。しかし、それを絶対視するあまり、スタンダード
以外はジャズじゃない、なんて思う人も出てきてしまうわけです。

 そして、聴き手の立場からすると、耳慣れた曲を聴くことが安心し、そして
またそれを聴きたい、と思うこと、というのも挙げられると思います。

 そしてもう一つ、少し毒舌ですが、「スタンダードを越える名曲を作れる
ミュージシャンが少ない」ということも挙げられるのでないかと私は
思うのです。
 ジャズミュージシャンは、やはり「インプロビゼーション」つまりアドリブ演奏
が大好き!という人が多いわけです。自然と、自分で作る曲も「アドリブが
しやすいもの」になっていくことが多く、アドリブのための素材としてのテーマ、
が氾濫していくわけです。アドリブをより自由に演奏するためには複雑な
メロディーやコードは必要なく(コードに関しては複雑なほうがいいという人も
いるかもしれませんが。。。)テーマそのものの魅力、というものにあまり重き
が置かれなくなっていく。。。そうすると、ジャズのために書かれたものでなく、
メロディーで勝負している曲たちにはどうしても負けてしまう・・・。

 もちろん、ジャズの醍醐味の一つが即興性であることは否定しません。
私もインプロビゼーションは大好きです。そしてその中で起こる奇跡がまた
「名演」と呼ばれることもあるのです。
 しかし、アドリブ偏重が行き過ぎると、「何をやっているのかわからない、
理解できるのは一部のヘビーリスナーだけ」という状況が生まれ、そうして
ジャズが「難解なもの」という印象が付いていってしまったのではないか、
と思います。

 ジャズミュージシャンが作る曲の中にも、魅力的な旋律を持つスタンダードも
沢山あります。でも、「ジャズメンのオリジナルは難解でつまらない」という
固定観念のようなものがどこかに出来、それが聴き手の心を閉ざしてしまって
いるという現実もあるのではないかと私は思うのです。それはとても憂うべきで
あり、そしてジャズの将来に関わる問題でもあると思うのです。

 ②へ続く。

01:24 | toyama | スタンダードとオリジナル① はコメントを受け付けていません
2011/06/01

 やっとのことで来月発売のCDのライナーノーツを書き終えました。
書き始めて乗ってくれば3~4時間あれば書き終えちゃうのですが・・・
まったく子供のころから「石綿のお尻」と言われていて直りません。
(尻に火がつくのが石綿並に遅い、ってことみたいです)
で、ここの更新も期限ギリギリになってしまう訳でして…モゴモゴ…。

先日気分転換にテレビを見ていたら、「私たちキャラかぶりなんです」
という2人組を何組も集めてトークする番組というのが目に留まりました。
ドラマやバラエティーでキャスティングする上で第1に思い浮かぶ人の
スケジュールが空いていない時、芸風が似ている別の人を頼む、その
時に浮かぶ人たちが「キャラかぶり」ということになるそうで・・・。
 そのお話し聞いていて、なんだか身につまされました(笑)だって、
ジャズの世界も一緒なんですもの。。。

 ジャズの世界は固定のバンドを持つ人もいるけれど、大体は仕事毎に
メンバーを変えてセッション的に演奏することの方が多いです。あるところ
から仕事が来る→こういう編成でこの人数でお願いします、と指定されたり
すると、そこからリーダーはその日スケジュールが空いているプレイヤーを
探してブッキングしていくわけです。依頼内容と照らし合わせて、どんな
プレイが望まれているか、それをするにはどのプレイヤーが最適か、そして
プレイヤー同士の相性はどうなのか?いろいろ考えて人選していくわけです
が、ここで1番に思いついた人たちでバシッと決まるならラッキー。大抵は
だれかがNGだったりするのです。そこで、同じようなプレイをしてくれそうな
別の方にお願いすることになります。

 「お声がかかる時にだいたいセカンドコールかサードコールかだろうなっ
てことは、わかっちゃう」とおっしゃっていたプレイヤーもいますが、まあ普段
都内のライブハウスのスケジュールなどいろいろ見ていたら、分かりたくなく
ても、わかってしまうというもの。ジャズ界の暗黙の了解だからしょうがない。
2番手だとわかっていながら相手に尽くす愛人が如く健気に頑張るのみ、
なのです(笑)一方でその方にもファーストコールのバンドはあるし、その影
で落ち込むミュージシャンも居る訳ですから。

でもこの暗黙の掟、実は若手や新規参入者を非常に受け入れやすいもの
になってるとも言えます。
 「ちょっと使ってみるかー」と声を掛けられたバンドのリーダーにその機会に
気に入ってもらえれば、今後自分がファーストコールの存在になりうる可能性
もあるわけです。活動したての頃は、そういう機会のほうが多くて、ド緊張して
息巻いて演奏するものだから、やっぱりこの子だめだわ・・・なんて思われて
しまうことも多いのですが、そのプレイの中でも「ん?いいところあるな」なんて
思ってくれて指導しながら使ってくれる先輩ミュージシャンもいます。わたしも
そういう方々に育てられたと言っても過言ではありません。
 逆に、今までやっていた仕事をスケジュールが合わないから、と一度断ったら、
代わりの人がそのままその仕事を引き継いじゃった・・・なんてことも多々アリ。
そんな中で活動を続けていくために、ファーストコールであり続けようと努力する
人、オンリーワンであるように個性を磨く人、セカンドやサードでも良いから
のんびりやっていこうと決める人、アウトローになっちゃう人、はたまた自分が
ブッキングする立場にあり続けようと営業活動に勤しむ人・・・いろいろ居ます。

 ジャズは自由恋愛の世界か、はたまた弱肉強食の世界か。その中に
魑魅魍魎がウヨウヨしていて、卵から孵ったばかりのヒヨコを騙して食べちゃう
人も居る!?そういう中で揉まれながら、揺るがない自分のプレイスタイル、活動
スタンスをを築き上げて行く強さが、ミュージシャンには必要なのかもしれません。

 で、私の活動スタンスは?というと・・・
無理に自分を売り込まない、頂いた仕事ではベストと礼儀を尽くして精一杯の
プレイをする、新しいご縁を大切にしながらも、固定のメンバーとサウンドを固めて
いくことも大切にする…といったところでしょうか。
 あまり仕事を取り合ったり、突撃して自分を売り込むのは得意でないので、
マイペースで自分の音楽性を大切に上昇しながら、セッションを楽しんで行きたい
と思います。

 来週末は、新宿の老舗ジャズクラブ「J」(宣伝部長はあのタモリさん!)にて、
バースデーライブがあります。CDのメンバーで、新曲盛りだくさんでお送りする予定
です。演奏は外山安樹子トリオにしか出来ないオンリーワンのサウンドです!
是非あそびにいらして下さい!


***********
6月9日(木)19時15分~
3セット(途中入退場も可です)
新宿「Jazz Spot J」
外山安樹子トリオ:関口宗之(b)秋葉正樹(dr)

http://www.jazzspot-j.com/

***********

11:44 | toyama | キャラ被り はコメントを受け付けていません

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