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2015/02/23

今回は、比較的、トランペッター向きの内容になることをお許しください。

練習用ミュートについての続編です。

今回は特に、フリューゲルホーン用の練習用ミュートについてリポートしたいと思います。

(ところで前回、フリューゲルホーン自体について書かせていただいたのですが、同じくJankStageのライターで、トランペット奏者でもある鈴木さんが、ぼくよりも深い楽器紹介コラムを上げていらっしゃいました。こちらです。さらに、とあるぼくのコラムについても触れてくださっています。それはこちらです。ともに充実の内容ですので、ぜひ!)

さて。

その前に、トランペット用の『ブレンナー・シーミュート』の使い心地について。

それまでに使っていた『ヤマハ・サイレントブラス』(旧モデル)との比較になるのですが。

『ブレンナー・シーミュート』、いいです。実に、いいです。

これを使ったことで、上達が進んだ、かどうかはまだわかりませんが、今後その方向に作用する予感があります。

何がいいかというと、ずばり、唇へのダメージが減りました。

前に書かせていただいたことがあるのですが、トランペットの練習において大事なことは“ダメージは溜めずにポイントを溜める”ことだと思っています。

ポイントとは、良いイメージだったり、スタミナだったり、ポテンシャル全般です。

しかし、ダメージを溜めてはいけません。ほんと、これは絶対に。

ダメージが残ったほうが練習した感を得られます。自分もそう感じがちです。

しかし、これが上達への障害になるのです。

というわけで、ここ数年は以下を実践しています。

30分吹いたら、最低でも1時間のインターバルを取る。

で、『ブレンナー・シーミュート』を使うようになって、インターバル明けのダメージの残り方が、相当に少なくなりました。

これは今後、半年とかのスパンで、絶対に効いてくるはずです。

はずです…。そうに違いありません。…。

さて、フリューゲルホーン用のプラクティスミュートについてです。

そもそも、フリューゲルホーン用のそれを欲しい、という頭はなかったのですけれど。

練習はトランペットでやればいいから、です。

実際、それで概ね問題ないのですが、以下の部分だけ、ちょっと…。

低いC♯とDを吹く時に3番管を動かして音程を取るんですが(3番のピストンを押した時に空気が通る管の長さを伸ばして音程を取る)、トランペットとフリューゲルでは、3番管を動かす操作方法が異なります(ぼくの所有楽器においては)。

なので、フリューゲルで吹くフレーズにC♯もしくはDを含んでいる場合、そのフレーズに関してはフリューゲルで練習したいところです。

さらに、セッションとかでフリューゲルだけを持っていこうと思った時、出番の直前にウォームアップをしたくなります。

これまでは、フリューゲルしか吹かないとわかっていても、ウォームアップ用にトランペットとトランペット用プラクティスミュートを持っていったりしていました。

なので、フリューゲルの練習用ミュートもあったほうがいいな、とは思っていました。

でも…。

フリューゲル用の練習用ミュートは、世の中に存在しないと思っていたんです。

まったくの思い込みです。

今回、『ヤマハ・サイレントブラス』の新作が出ていたことを知るにつけ、初めてフリューゲル用もあることも知りました。

で。

トランペット用の練習用ミュートを買うついでに、フリューゲル用も買おうと考えました。

トランペット用のミュートは『ブレンナー・シーミュート』がいい、という結論に達したわけなので、ならばフリューゲルも『ブレンナー』でOK、と思って、それだけ試してみました。

吹奏感(抵抗感)の少なさは、トランペット用と同等。

しかし、案外音が大きい…。

しかし、ブレンナーがいいという頭になっていましたので、他の選択肢を考えることなく、買うか買わないかは大いに悩み迷いつつも、結局買って帰りました。

家で使ってみたのですが…。

普通に吹いて、ちょっと音の大きさが心配になるレベルでした(ぼく的に)。

特に、上のEの音以上の高い音で、消音性能が落ちる印象です…。

まあ、特別なフレーズだけ練習できればいいのでそもそも必要頻度は少ないですし、小さい音を心がけて練習すればいいのですが…。

しかし、もう1点気になることが…。

そのものの大きさも、でかいのです。

フリューゲルに付けたままでソフトケースに入れてみると…。

ぎりぎり入るのだけれど、きつきつ過ぎる…。ちょっと細部にテンションがかかってなんか不安な気持ちになるレベル(ぼくのケースでは)。

ミュートと楽器を別々のケースに入れて持ち運ぶのは、ちょっと違う気がするし…。

というわけで、吹き心地は良いのだけれど、少々もやもやしつつ…。

で、丁度その時、ちょっとした探し物があり、楽器屋さんに何件か問い合わせをしていて、ぼく的に旬なフリューゲルの練習用ミュートの話になり、『ブレンナー』以外にもいいのがありますよ、という話になりましてですね。

試しに行きました(いつも行っているお店と違うところ)。

以下を試しました。

Fl-h_m

写真左から、

01・ブレンナー・シーミュート(sshh mute)税抜き定価:9200円
02・ベストブラス・ウォームアップ 税込み定価:1万2600円
03・ベストブラス・イーブラスジュニア 税込み定価:6825円

(って、01の製品はすでに持っているのですが、その事実は隠しつつ…。すみませんでした)

ちなみに01は、フリューゲルホーン/アルトトロンボーン用、02、03は、トロンボーン/フリューゲルホーン用です。

比べたところ、抵抗感の少なさは『ブレンナー・シーミュート』が1番でした。

トランペットの練習用ミュートと同様です。

しかし、消音性能は『ベストブラス』の2つのほうが、高い(静か)かな、という感じでした。

そして小さい(楽器に付けて、そのままソフトケースに余裕で入る)。

ちなみに、02と03は、同シリーズでトランペット用もありましたですね。

トランペット用でのその2つは、『イーブラスジュニア』のほうが消音性能が高かったのですが、トロンボーン/フリューゲルホーン用に関しては、若干『ウォームアップ』のほうが上(静か)でした。

というわけで、もう買ってしまった後ですが、『ベストブラス・ウォームアップ』を購入…。

ちなみに、それでも、フリューゲル用のミュートは、音が大きいですね。

楽器自体の“ラッパ”部分が大きいほど、消音は難しくなるようです。

結論です。

トランペット用の練習用ミュートは『ブレンナー・シーミュート』が実にいい。

フリューゲル用は、『ベストブラス』製品がおすすめ。

以上です。

(このコラムが、どなたかの参考になりますように…)

押忍

2015/02/23 11:19 | ohta | No Comments