作業着に着替え、
壁の中塗り用の石灰を練り、
薄手のゴム手袋でコテを握り、
朝から山小屋の作業、
いったん石灰を練ってしまえば、
塗り終わるまでの、
休憩することができません、
ひたすら、
壁や天井の中塗り、
昼近くにいったん休憩と思い、
ベランダに座っていると、
ほら、苺のスムージー飲む!!
ママが苺のスムージーを差し出します、
朝から休憩無しの作業、
からからに乾いた喉には、
初夏を思わせるさわやかな森を抜ける風と、
苺のスムーズィーが体中に染み渡ります、
なんだかいつもと違います、
砂糖と牛乳が入っているはずなのに、
酸味が強く苺の香りが飲み終わっても、
口の中に広がっています、
ふと横にいるママを見ると、
分かった!!
この苺、庭で取れた苺よ、
今年は雨が少なかったから、
苺が綺麗に、
美味しく実をつけてくれたわ!!
そうか、
最近の国道の野菜売り場で見る苺は、
やよいひめかとちおとめがメインになって、
そのまま食べても果肉は柔らかく、
想像以上に甘味が口の中に広がり、
昔の苺の味を忘れておりましたが、
今日の庭で取れた苺のスムージ、
お日様をいっぱい浴びて、
森の中で懸命に生き残った、
野生の味がするようです。
何にしますか!!
苺は苗から育て、
甘酸っぱさはお店では買うことができない自然の味、
ミルクと砂糖を入れてスムージーにすると美味しいよ、
黄色く色付いた木苺は、
ありんこさんに食べられる前に、
レモンの隠し味でジャムに、
もちろんそのまま食べても美味しいよ,
蛇苺は焼酎に漬けて虫さされに、
蛇苺は食べちゃダメよ、
ワイルドストロベリー、
食後に食べると、
苺のつぶつぶで、
歯磨き効果抜群よ、
桑のみですか、
残念ですね、
桑のみは、
さっき見てきましたが、
まだ実が熟していないので、
2週間後に来てくださいね!!
作業をしながら、
窓から外をのぞくと、
静かにママが、
庭で取れた実を、
葉の上に並べて、
誰かに説明しております、
ママの側にはロッティー、
何やら美味しいものがもらえると思い込んだロッティー、
尻尾を振り、
首を傾げながら、
ママの説明を聞いております。
鳥のさえずり、
楓の若葉が風に揺れ、
天窓から射し込む朝日に照らされて、
室内の壁には、
影だけが音もたてずに,
小刻みに踊っています、
目を覚ますと、
鳥のさえずりと、
若葉の踊り、
山の朝は、
素敵に始まっています、
早いもので2の娘たちは、
それぞれ小さな時から夢見ていた世界に、
それぞれ羽ばたき、
社会の中で楽しそうに飛び回っています、
2の娘たちは、
仕事というよりは、
スリリングな毎日に、
遊びに行っているようです、
どんな世の中であろうと、
娘たちが好きな事を夢見て、
飛び回る事ができる世界さえ有れば、
毎日が、
楽しくてしょうがないようです、
ママと2人の
今日の朝食は、
朝日の当たる森のベランダ、
鳥のさえずり、
キラキラ輝く朝日、
風に煽られ飛び回るチョウチョ、
木々の青々した若葉、
庭の草花、
ここにいる皆で、
一生懸命に、
居心地の良い森を作っているようです、
朝食の後、
ママは管理人のおばさんから借りている畑に行くそうです、
私はママが畑に行く前に、
室内の壁塗り用の足場の組み立てを、
手伝ってもらうよう頼みます、
鳥が又さえずいだしました、
萌葱色だった若葉は濃い緑になり、
日射しの中で揺れています、
気持ちのよい、
森の中の朝が、
始まりました。
シロツメ草の髪飾り、
畑の隣一面に生えていた、
シロツメ草、
昔、娘たちに教えた、
シロツメ草の髪飾り、
一人で、
草の上に座り、
暖かな日射しと、
さわやかな風が吹いていたそうです。
ママが春の花の匂いに誘われて、
天井からぶらさげられた花束を、
抱えて顔を近づけています、
こんな寒い冬の日に、
春の花の香りが、
この部屋には漂っているなんて素敵、
春に摘んだ花が、
今ではドライになってはいるものの、
香りだけはいまだに、
春の季節を、
放っているようです。
そんなとき、
玄関の扉の向こうから、
『カリ、カリ、カリ』、と
扉を爪で叩く音、
ママがドアを開けると、
ロッティーがちょこんと座っています、
ママは思わず吹出すくらいに大笑い、
顔は泥だらけ、
着ているものも泥だらけ、
爪の先まで泥だらけのロッティー、
ママが「、
どうしたのロッティーちゃんと声をかけると、
ロッティーは、
再び庭の中に走って行きます、
どうも庭の中で何かを発見したのを、
ママに伝えにきたようです、
私とママが、
ロッティーの後を追って庭に出てみると、
ロッティーはすでに、
庭のバラの根元の穴に顔を突っ込んだまま、
穴を堀り続けています、
掘っては匂いを嗅ぎ、
掘っては匂いを嗅ぎ、
掘っては匂いを嗅ぎ、
ママと2人でその光景を見て笑っていると、
一瞬ロッテーの動きが止まり、
次の瞬間、
穴の中から顔を出すと、
口に何を加えています、
その瞬間に、
ママが、あ『ロッティー、だめ』!!と、
大きな声で怒鳴りつけました、
何かをくわえたままロッティーは庭の中を走り回り、
ママは大声で怒鳴りながら庭の中を走り回っています、
しばらくすると、
ロッティーがポロッと、
くわえていた何かを口から落とすと、
すかさず黒い生き物は、
庭の中を走り回りだします、
ママも庭の中を走り回ります、
落ち葉の陰に隠れていた何かを、
ママが捕まえてみると、
『野ネズミ』
おそらく冬眠中だった野ネズミだったのでしょうか、
動きが緩慢です、
以前から庭に穴を掘っていたロッティー、
野ネズミを探していたようです、
只この季節は、
野ネズミが冬眠中だった為に、
逃げられずにロッティーにゲットされたようです、
ママが冬眠中だった野ネズミを、
物置の下の枯れ葉の中に穴を掘って、
締まってしまうと、
ロッティーは、
私の獲物はどこなのどこなのと、
しばらくは庭中を探しまわっておりました、
野ネズミの匂いを消すように、
先程から雪が、
森の中の庭に降ってきました、
この冬、
ついにロッティーの、
野生のDNAが開花したようです!!
何も言わず
それは突然
雲の隙間から現れ
私の足下の
冷たい水滴を
暖かく甘く輝かせ
鈍く凍った氷の欠片が
クリスタルだった事を思い出させ
宇宙に星が輝くように
絶望の中の暗闇にも
隙間がある事を教えてくれて
消え去って行った
この森と山小屋で過ごした日々、
穏やかで、
安心できる場所、
私たちが地上に現れる前から、
森の木は、
雨が降れば雨に打たれ、
日照りが続けばじっと我慢し、
凍てつく雪の季節は、
葉を落とし、
息を止めて、
凍てつく冬から身を守り、
生き続けてきた、
この穏やかな場所に、
身を寄せているだけで、
子供の時に戻れてしまう、
媚びる為でも、
他人の評価を求める為でも、
生活の糧を得る為でも無く、
自分の好きなように生きられる気がする、
この森の中にいると、
昨日までとは違う心が宿る気がする、
今、
凍てつく冬の森の中で、
一瞬足下に、
光が差し込み、
総てのものが違って見えだした事を、
思い出せさえすれば、
どんな暗闇の中で迷っても、
道は、
再び見えて来るような気がする。
冬の夜空はどこまでも透明で青白く、
月さえも凍らせそうな
透明な夜です。
東京は今年初めての雪景色、
山の管理人に電話すると、
山の積雪は15cm程度ということで、
意を決して、
ママと2人、
山友の待つ冬の山にレッツゴーです、
一夜明けると、
空は青空、
昨夜の雪が日の光を照り返し、
寒いんだか暖かいんだか、
良く分からないくらいに、
森は、
キ〜〜〜〜ンと、
凍るように冷え込んでいます、
屋根に降り積もった雪は、
日の光で解けて水に姿を変え、
今度地上にたどり着く前に、
冬の森で、
氷に姿を変えています、
誰もいない冬の森、
一日かけて、
薪ストーブをがんがんに燃やし、
丸太を暖め終わると、
快適な山小屋生活の完成です、
ロサンゼルスから一時帰国した友人から、
アメリカ生活を聞きながら、
山友2号夫婦と、
皆でまったり、
今日は昼間からワインを飲みながら、
皆で、何もしないでまったり、
遅くなったクリスマスプレゼントを、
山友2号の奥さんに渡すと、
ちょこっと照れ気味、
この歳で、
黒のキャミソール、
しかもバラの刺繍、
ちょこっと照れ気味に、
頭の中は妄想100%!!
外に出ると、
すでに森は暗くなり、
青白く光る月は、
今にも凍りそうです。
たくさんの愛を受け取って
生きてきたはずなのに
いつまでも満たされる事の無い
愛を求め続けるんだろう
悲しみは何時だって雨のように降り注ぎ
凍えそうな嵐の中に突然放り込まれ
暗くて静かな海にようしゃなく沈められても
信じる何かが
君の小さな身体の中にあるなら
君しか見る事のできない
本当に欲しいものが
君の中にあるなら
それがどんな夢だろうと
君は夢の為だったら
何でもできるはず
人生は短く
いつだって
悲しみは雨のように降り注ぐ
愛は与えた時に
愛されていた事に
きずくはず
いつまでも凍えそうな悲しみにとどまって
心満たされる日々を
待ち続けるには
人生は長すぎる
たとえ君が犬だったとしても
きっと君を
求める声が聞こえるはず
きっと君の
愛を求めている
誰かに会えるはず
そのとき
君は愛されていた事に
きずくはず
JR両国駅の構内には、
横綱の化粧回しの馬鹿でかい姿絵、
改札を出ると、
大相撲1月場所のカラフルな幟が青空に映えています、
相撲ファンなのでしょうか、
すでに国技館前では、
お目当ての関取見たさに、
若い女性がカメラ片手に、
今か今かと殺気立っております、
海外からの旅行客も若いお相撲さんと記念写真、
2015年、
遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます、
私たち夫婦、
2度の東京スカイツリー見学を断念した経験から、
今回はツアー参加、
JR両国の築地ねたのすし食べ放題、
両国から浅草までの水上バス遊覧、
そして、東京スカイツリー見学、
ん〜〜〜、
今回は新年から、
完璧な東京スカイツリーコースに参加致しました、
このツアー、
なんと、東京スカイツリーの入場券を買う列にも並ばず、
あの長蛇のエレベータの列にも並ぶ事無く、
地下の団体待ち合い広場から、
団体専用のエレベータに乗り込み、
スイスイと東京スカイツリー展望台まで、
なんてスムーズなんでしょうか、
信じられない程スムーズに、
展望台に到着致しました、
世の中には便利なツアーが有るものでございます。
ママと2人、
地図を見ながら、
あっちが自宅のある方だよ、
皇居ってあんなに近いんだ、
新宿も東京タワーも近いね、
あれ、
スカイツリーの影が、
我が家の自宅の方向に影を落としています、
まるで日時計のように、
下町に影を落としております、
そうだパパ、
ここから見る夕日って、
きっと綺麗だよ、
私、ついつい、
このママの夕日見学ツアーに参加してしまいました、
スカイカフェ、
太陽のある方向のカウンター席、
空街カレーを食べ、
アイスコーヒを飲み、
それでも太陽はなかなか夕日に変身する事無く、
ママと世間話をしながら、
それでも夕日は顔を出す事無く、
私はいつのまにか、
うとうと!!
気がつくとこのスカイカフェに入って、
早2時間後、
テーブル席のお客は入れ替わり立ち替わりでしたが、
カウンター席の方々はメンバーの入れ替え無し、
皆さん、
東京スカイツリーからの夕日見たさに、
このカウンター席で粘りに粘っていたようです、
日が傾き、
ビルの影が地上を総て覆い、
街の灯りがともりだすと、
太陽が夕日に変身し始め、
いよいよ夕日の登場となります、
なんて綺麗なんでしょうか、
私たちは、
いったい何時間、
東京スカイツリーの展望台にいたのでしょうか、
東京スカイツリーからの景色、
しっかりと心に刻まれた、
2015の新年でございました。
10年後の自分を思い描いてみたら、
暗い夜の森の中、
たき火を囲んで、
心許した人たちと、
笑う自分の姿、
確か30年以上前に、
10年後の自分を思い描いた光景、
今振り返ると、
その光景の中に自分がいます、
青い空、
青い海、
丘の上に建つ白い家々、
もしもこの宇宙に天国を思い描いてみたら、
一歩一歩階段を踏みしめ、
天国の門の扉を開ける時は、
両手に持っていた大事だったものは総てそこに置き、
身体に纏った総てのものを外し、
身分もプライドも総て消し去り、
そのとき初めて、
天国の門の扉を開けられるとしたら、
思い出だけを身体の中に仕舞込み、
青い空、
青い海、
丘の上に建つ白い家々の中にある、
扉を開けるだろう、
春には、
虫が飛び交う光景、
夏には、
生い茂る森の緑、
秋には、
空を飛び交う落ち葉たち、
冬には、
白い空からの贈り物の、
そんな光景が、
森の中の小さな小屋の天窓から、
暗く静寂で包まれた森の夜、
思い描いてみたら
暗い森の中の天窓から、
灯りがさしています。
ん〜〜〜〜、
外は曇り空、
森の空気が止まり始め、
だんだん寒くなってきました、
軍手の中の指がかじかんできました、
ん〜〜〜〜、
雪が降ってきました、
寒さの中、
孤独の中で戦ってるようです、
寒さで、
孤独の中の、
純度の高い自分を見つめているようです、
昨日までの嫌な事、
この人生で出会った人、
不純なまでの自分、
この瞬間さえあれば、
何も失いたくないものは無い感じです、
ん〜〜〜〜、
寒さが身にします、
思わず、
冬のベランダから室内に入ると、
そこは常夏の様相、
手が、足が、頬が、
緩んできました、
ママが、
真っ赤に燃える薪ストーブの前で、
ブラウス姿で、
ロッティーとまったりしております、
温度計を見ると26℃、
ガラスドアに取付けた、
外気温を見ると2℃、
寒い訳です、
温度差24℃、
寒い訳です、
今日は、
今年初の雪模様です、
ベランダの屋根の天井の板貼りの完成、
ん〜〜〜〜〜、
作業の進み具合が目に見えて、
寒さを忘れさせる程の感動です、
これからが本当の冬の季節、
一冬を越すには、
十分過ぎる程の薪も用意致しました、
素晴らしい人と出会ってきました、
純度の高い自分とも会うことが出来ました、
人生を過ごすにはそれだけで充分です、
どんとこい、
冬の季節でございます!!
美しい目をした君
悲しい目をした君
迷った目をした君
悩んだ目をした君
喜んだ目をした君
どれだけ君の目を見続けた事か
どれだけ君を見つめてきた事か
どれだけ思い出を創ってきた事か
どれだけ君にすくわれた事か
季節は秋に変わり
僕と君の
何度目の秋になるのだろう
毎年訪れる、
秋は変わらないはずなのに
僕と君は
秋を重ねるたびに
色濃く鮮やかになっていく
悲しみも
苦痛も
君と秋を重ねるたびに
うすれていく
この世界も
君と秋を重ねるたびに
素晴らしい世界に
見えて来る
君と秋を重ねるたびに