今まで異分野とのコラボ、いろいろありました。
画家さんが私の曲を聴いて画を描いてくださったり、
競技ダンスで私の曲に合わせて踊ってくださったり、
コーヒーに曲の名前をつけていただいたり、
曲を聴いて「書」を書いていただいたり、etc・・・・
そして今回また一つ、面白いコラボができました。
先日、私の生徒から一通のメールが。
「私が通っている歯医者さんが、外山先生のアルバムを
気に入ってくださって・・・」とのこと。よく聞いてみると
なんと、このJunkStageに同じライターとして参加されている
根本啓行先生のことだったのです!なんという偶然。。。
http://www.junkstage.com/nemoto/
(同じくライターの太田祥三さんは、根本さんのお知り合いで
さらに、CDレコーディングメンバーの関口宗之さんと同じ
大学のジャズ研だったという繋がりも判明。根本さんも太田さんも
お会いしたことはまだないですが、いつかお会いしたいですね。)
その後メールのやり取りなどいたしまして、なんと
根本歯科室さんとのコラボが実現!その内容は、と言いますと。。。
私のアルバムの中にある「Bassi Samba」という曲。これが
実はおととしの夏に上下の親知らずを抜くことになり、とても
不安だったけれど、結果的に上下とも5分とかからずスッポリと
抜けた!という喜びを曲にしたものです。
先生の歯科室の「口腔外科」のページ内、親知らずの抜歯について
書かれている記事の中で紹介していただきました。
『抜歯や治療の前日などで不安な気持ちの方がいらっしゃいましたら、
ぜひ繰り返しお聞きください。』
http://www.123-418.com/3-7.html
私の曲で不安が少しでも軽くなったら嬉しいですね。
根本先生、歯科室の患者さん向けに定期的に通信も発行して
いらして、その中でもアルバムを取り上げてくださいました。
ご自身もジャズを聴きこんでいらっしゃる音楽にも造詣の深い方で
そのような方に紹介していただけて嬉しいです。
そして、もう一つのコラボ作品が9日に完成します!
今年の私の誕生日と初の関西方面ツアーを記念して作った
特典CD。ジャケットは高校の同窓生の先輩、根崎三枝子さんが
「Nostalgia」(オリジナル曲)を聴いて書いてくださった油絵
です!!
内容はトリオ盤未収録のオリジナル3曲(Nostalgia、Snowing Town、
1111)と、スタンダード4曲(All the ThingsYou Are、
But Not For Me、など)。そして2ndアルバム『All is in the Sky』に
収録されている「Springlake」のカラオケ版をボーナストラック
として収録しました。トリオ3人のバッキングが2コーラス入って
おります。メロディーやアドリブをこれに合わせて練習してくださっても、
はたまた鼻歌で歌ってくださってもオッケー!いろいろ使ってください!
9日のバースデーライブとツアーでは抽選で1名様にプレゼント!
そして9日以降のトリオライブでは1500円で販売もいたします。
ぜひよろしくお願いします。
●6月9日(土)18時開場 19時開演
六本木「SOFTWIND」
http://www.softwind.jp/
外山安樹子トリオ;関口宗之(b)秋葉正樹(dr)
チャージ:2800円
あっという間に5月も最終日ですね。
今月も新しい出会いや仕事が沢山ありました。
最近特にいろいろなお店や場所で「どうしたら
ジャズ人口を増やせるか」という話しに行き着きます。
「ジャズはとっつきにくい、お金がかかる、難しい、
夜のもの」こういうイメージを取り壊していかなければ
いけない。そのためにミュージシャンもお店も工夫を
していかなければ!と
・とっつきにくさを取り払うために「ジャズの楽しみ方
のレクチャー付きライブ」をする。
・ミュージックチャージを下げて来てもらいやすくする
(とっても大変だけど(汗))
・お昼のライブを増やす
私もこの3つは実際に取り組んでいますが、まだ試みは
始めたばかりのことで問題もあるし難しいです。結果が
出るまでは「結局従来のやり方のほうがいいんじゃない?」
って言われても仕方がないから。みんな生活がかかってます
からね。
ジャズって結局どんどん難しくなって、大衆音楽じゃ
なくなったんだから、ファン層が固まるのも仕方がない。
そんな結論に達してくら~~い気持ちで帰路に着くことも
しばしば。でも私がやりたいのはそんな音楽じゃない!
一部の人たちだけでわかって楽しむんじゃなくて、もっと
みんなと喜びを共有したい、という情熱を忘れずに、静かに
でも継続してやっていかなきゃな、と思っています。
具体的な試みについても、このコラム上で発表
していこうと思います。
**************
ところで、この仕事何年やってますか?とよく聞かれますが
正直何年か正確にはわからないのです。大学卒業して音楽の道
へ付くまでに紆余曲折あった私は特に。ギャラをいただくライブ
をやった時から?でもその頃は自分の中では趣味でやっていけ
たら、、、なんて思っていた時期だし・・・と、何年やっている
か数えられない方、結構いらっしゃるのではと思います。
でも自分の中で「5年で結果が出なければ諦めよう」と思って
この道一本に掛ける決心をしたことは事実で、おそらくその
決心をしてから今年で6年になると思います。果たしてその
結果が出ているのかわかりませんが(笑)こうして毎日充実した
演奏活動をさせていただいているので、本当に周りの方々に
感謝するばかりです。
そしてその感謝の気持ちを「バースデーライブ」という形で
皆さんにお伝えしたいと思います。ここまで周りで支えて
くださったお客様、共演者、関係者の方々、家族・・・色んな
方々への感謝をこめて演奏できたらいいなと思います。
間に合えば、6月に出かける関西北陸ツアーを記念して作成中の
ミニアルバム(スタンダード4曲、オリジナル3曲を収録)を
じゃんけん大会で1名様にプレゼント。
お店からもワインボトルのプレゼントがあります!!
みなさまと楽しく記念日をすごせたらと思いますので
よろしくお願いします。
ご予約は私へのメッセージかお店へよろしくお願いします。
●外山安樹子バースデーライブin六本木
6月9日(土)
六本木「SOFTWIND」
18時開場 19時開演(2セット入れ替えなし)
http://www.softwind.jp/外山安樹子トリオ;関口宗之(b)秋葉正樹(dr)
チャージ:2800円
予約電話:03-6808-7337
4月14日、とても悲しい出来事がありました。
その日の夜も、遠いところへすぐに駆けつけること
もできず、予定通り演奏の仕事をしました。1週間後
には前々から決まっていた札幌での帰省ライブも
ありました。
辛いけれど、でもみんなで音楽ができて、救われました。
優しくいたわって下さった皆様、本当にありがとうございます。
こんなに皆に応援してもらってるんだよーって、
報告したいと思ってももう返事はないんです。
でもきっと見ていてくれていると思います。
谷川俊太郎さんの詩の中に
『誰もいなくならないと僕は思う
死んだ祖父はぼくの肩に生えたつばさ
時間を超えたどこかへぼくを連れていく
枯れた花々が残した種子といっしょに
さよならは仮のことば
…』
という一節があります。
本当だな、と思います。
また元気にJunkの記事やライブ報告のブログも
書きたいです。
もう少し、待って下さいね。
生前「早く有名になってパパの闘病記書いて
出版してよ」なんて嘯いてた父。出版できる
ほど有名にはまだなっていないけど(笑)葬儀の
時に読んだ弔辞を、そのままここに載せさせて
いただこうと思います。父がこれだけ頑張った
んだよ、って皆さんにも伝えたいな、と思ったので。。。
****************
パパへ
パパ、まずはお疲れ様でした。17年間病気と戦いましたね。
そして、最期に間に合わなくてごめんね。
知らせを受けて羽田空港から札幌の家に着くまで、何を見ても
パパとの想い出ばかりが浮かんできました。
飛行機が苦手だったのに大学の入学式に東京まで駆けつけてくれた
こと、帰省の度にママと一緒に千歳空港まで迎えに来てくれたこと、
一緒に行ったレストランやアウトレット…札幌駅に待っていてくれる
こともあって、二人で大好きなコーヒーを飲みながら進路について
相談に乗ってもらったりしましたね。
私がどんな道を選択をしても、私の判断を尊重して応援して
くれました。
昨年の三月の大地震のあと、再び入院したパパを見舞った時、
世の中が混乱してピアニストとしての自分の活動にも不安を感じていた
のを察したのか、
『オコは東京へ帰って演奏し続けなさい。オコの音楽で元気になる人が
きっと沢山いるんだから』
こう言ってくれた一言、今でもずっと支えになっています。
パパとママと私は戦友みたいだね、とよく話しましたね。パパは病院、
ママは家、私は東京…戦う場所は違うけれど、三人支え合って、お互いを
思いやり合って、頑張ってきましたね。パパが居る場所は少し変わるけれど、
これからもそれは変わらないと思います。
大変な病気にかかってしまったけれど、治療法がある限り挑戦し続ける姿、
病床でも勉強し続ける姿、一日一日をできる限り精いっぱい生きることの大切さ
を身を持って教えてくれました。パパは私とママの、そしてみんなの誇りです。
パパありがとう。天国でゆっくり休んで下さいね。
安樹子より
前回のコラム更新が2月21日、それからあっという間に
1ヶ月経ってしまいました!
ピアニストとしての活動はその間も毎日させていただいて
いて、3月は普段のジャズ以外にもクラシックでのステージ
を試みたり、クラシックミュージシャンとの共演もあって
改めてジャズについて考え直したりする機会もありました。
いろいろ書きたいなーと考えているうちに1ヶ月過ぎて
しまいました。
ライブを中心に活動しているジャズミュージシャンは、
自分のリーダーライブとサポートメンバーとして入るライブ
と両方やったりしていることが多いのですが、私の場合
自分のトリオ名義でCDを出したりオリジナルを作っている
こともあり、リーダーライブも月に1~2回は必ずやっていた
のですが、この2~3月はなんとゼロ!約2ヶ月はサポート
に徹していたことになります。その間自分の表現したい世界
ど真ん中からはちょっと離れて、リーダーの個性にそりよった
演奏が多くなったりします。なので、沢山の共演者の個性に
刺激を受けて、自分の演奏もその都度ちょっぴり変わったり
するんじゃないかな、と思います。メンバーもそれぞれ
いろんな共演者と様々な舞台を踏んで、、、そして2ヶ月ぶり
に合わせるサウンド。。。。どんな音になるのか、ワクワク
です。今からやってきます(笑)
外山安樹子トリオは、この春新しい試みが
沢山あります。初の昼のライブ、横浜進出、札幌での里帰り
ライブ、そして6月には関西方面へのツアーもあります。
新曲も沢山ためて、新たなサウンドも模索しています。
冬眠から覚めた外山安樹子トリオの新たなサウンドをぜひ
聴きにいらしてください!!!
3月30日(金)江古田「そるとぴーなつ」(西武池袋線江古田駅徒歩2分)
http://homepage3.nifty.com/salt-peanuts/index.html
外山安樹子トリオ:関口宗之(b)秋葉正樹(dr)
練馬区栄町 4-3 グレーシーマンション43(B1F) 03-3993-3400
1st/20:30~ 2nd/22:00~ ミュージックチャージ:1000円+テーブルチャージ500円
4月7日(土)大塚「GRECO」(JR大塚駅徒歩7分)
http://www.greco.gr.jp/
外山安樹子トリオ:関口宗之(b)秋葉正樹(dr)
東京都豊島区北大塚1-34-18 03-3916-9551
1st/14:00~ 2nd/15:30~ ミュージックチャージ:3000円
『普段夜は外出しづらくて・・・という方にも聴いていただきたく
昼間のライブを企画しました。スタインウェイのピアノと共に本格的な
トリオサウンドをお届けします』
4月24日(火)関内「AB smile」(JR関内駅徒歩5分)
http://absmile.jp/
外山安樹子トリオ:関口宗之(b)秋葉正樹(dr)
横浜市中区太田町1-11-3 グリーンビル4階 045-664-6162
1st/19:30~ 2nd/21:00~ ミュージックチャージ:3000円
『外山トリオ、初の横浜でのライブです!!』
5月8日(火)上野「アリエス」(JR御徒町駅徒歩3分ほか)
http://www.jazz-cygnus-aries.co.jp/aries/ari-top.html
外山安樹子トリオ:小美濃悠太(b)秋葉正樹(dr)
台東区上野2-4-8サントリー会館B1 03-3831-0523
1st/19:20~ 2nd/20:45~ 3rd/22:10~
ミュージックチャージ:2200円+テーブルチャージ1100円
5月24日(木)千葉みなと「Clipper」(JR千葉みなと駅徒歩1分)
http://lovechiba.jp/blog/clipper/clipper/
千葉市中央区中央港1-24-14 043-239-9240
1st/19:00~ 2nd/20:30~ ミュージックチャージ:2000円
今日は夢について語ります。
といっても、将来の夢でなく、眠る時に見る夢の話。
ワタクシ、夢についてはちょっと自信がありまして、
いい夢を見ていたのに目覚めちゃった時「もう少し
続きがみたい」と思うと続きが見られちゃう、という
特技があります。結構みなさんできるようですね。
どんだけ寝る時間あるんだ?って感じですが、最近
は忙しくてなかなかこの特技生かせてません。
皆さん仕事の夢、よく見ると思います。ピアニストと
してみる仕事の夢、それはもちろん音楽に関すること
なのですが、だいたい良い夢でなく、追い詰められる
夢が多いですね。
まるっきり違う楽器を持って大ステージに立っていたり、
自分が主役の舞台で違う人がすでに弾いてる!とか
譜面を丸ごと置いてきて知らない曲をやらされてる、とか
(実際ありそうなこと・・・)本番が始まるのにお客さん
がゼロだとか(これは実際ある(笑)・・・
こんな夢を見た後は寝た心地がしませんね。
でも、なんじゃこりゃ?というヘンな夢も見ます。
友人の披露宴にバンドとして出席、演奏してたら、客席に
杉良太郎サマの姿が。私は興奮して、演奏後に新婦友人代表
として挨拶を、とお願いされるやいなや、マイクを握りしめ
「杉さま!ファンでした!君は人のために死ねるか、最高です!」
と叫ぶ、という夢。
全然ファンじゃないんですけどねえ。。。
そして、たまには作品を生むヒントが出たりもします。
私がプロモーターらしき人の前でピアノを弾いていて、それを
俯瞰で見ている夢でした。1フレーズ弾いたら「待って!
それ、録音して○○さんに聴かせるから。それ絶対いいから!」
とプロモーターに言われました。
そこであわてて飛び起きて譜面を書きました!3rdアルバム
の中に入っている「Wish in the Dream」という曲がそれです。
お金持ちのお嬢様(ワガママ・ドキンちゃんタイプ)と私が
ショッピングをしていて、お嬢様な友達が私のバッグの中に
どんどん商品を入れていっちゃう、そして出口で警官に呼び止め
られて万引きの疑いを掛けられた私、奥へ連れて行かれる私、
違う!違うの!私じゃないの!と叫んでいる夢を見て、起きたら
曲が思い浮かんだこともあります。これも3rdアルバムの
中の「UNIGERUN」という曲です。反対から読んだら「ヌレギヌ」
です(笑)
夢の中で曲作りができたらこんなラクなことはないですが、
こんなこと滅多にないですね~地道に頑張ります。
そして最近JunkStage関係の夢を立て続けに2回見ました。
ひとつはCCO須藤さんから「外山さんの記事は○○の評論の写し
です。盗作ですのでJunkStageはクビです」と言われる夢!
そしてもう一つは、今年のJunkStageの催しが知らない街マラソン、
というもので、まったく走れない私が選ばれて途方に暮れている
夢、です。
どちらも正夢になるのは勘弁、、、ですね!
先回のコラム、いつも以上に色々な方から共感の
メッセージをいただき、とても嬉しかったです。
ありがとうございます。
ジャズという音楽は「即興性」と「構築性」の
二つがうまく融合できる魅力的な音楽だ、と書いた
のですが、この話しをさらに考えていくと、面白い
なーと思ったのでつらつらと書いてみます。
クラシックやポップス、ロックを聴く時に皆さん
が期待するのは何でしょうか?「あ、この後にすごく
好きなフレーズが来る!」「これこれ~~~」という
『再現性』という方、とても多いのではないでしょうか?
ベタな例ですが、昔のヒット曲を何十年か後に
その歌手が歌う、歌手自身は成長しているし、もっと
違う歌い方ができる、でも聴く人は「昔のアレ」を
待っていて、別にアレンジなんてしなくていいのに、
って思ってしまう。
マイケル・ジャクソンはツアーのバックバンドにも
CDと一音違わぬ演奏を要求したそうです。お客さん
はCDを聴いて、あのCDの音を生で聴きたいと
思っているんだから、違ったらダメなんだ、とマイケル
は言うのですね。
クラシックに至っては変えることなんてはなっから
許されていません。
自分の耳に慣れた音楽を聴くこと、もちろんこの
心地よさは否定しません。大好きなメロディーならば
何度も聴きたい、そう思うのは当然です。そして自分の
脳裏に刻まれた音は、それと共に閉じ込められた沢山の
記憶を呼び起こしてくれます。(いわゆる青春の1曲
ってやつですね)
ではジャズはどうか?いわゆる「テーマ」部分は譜面が
あって皆が知っている曲も多いです。とはいえ、アドリブ
に入ってしまえばそこは未知の音の連続。聴くほうも未知
だけれど演奏するほうも未知。
その未知の部分をどう受け取ってもらうか、が演者の
力量であり、聴き手の力量でもあるわけです。
・知っているメロディーじゃない
・この後どうなるかわからない
・いつまで続くのかわからない、
というものを聴くのは、結構辛いことでもあると思うのです。
でも、そうでなくて
・初めて聴いたこんないいメロディー
・この後どうなるの?ドキドキ!
・いつまで続くのだろう、いつまでも続いてもいいな
という演奏を演者もしなければならないと思います。
自分のオリジナル曲も「この曲が聴きたいな」と思って
もらえる「再現性」の魅力と、「今日のあの曲の演奏は
どういう展開になるのだろう?」という「即興性」の
魅力を持った演奏をしていきたいなと思います。
最後にひとつ告知です。
以前から昼間のライブをやりたい、と書いていましたが
都内で自分のトリオで初めて昼間ライブが決まりました!
4月7日(土)大塚「GRECO」
http://www.greco.gr.jp/
14時頃~17時頃まで
隠れ家のような一軒家で、寛ぎながら音楽を
聴いていただけます。スタインウェイのグランド
ピアノも入っています。
詳細決まり次第またご報告しますが、今から
ぜひご予定に入れていただけたら嬉しいです。
ジャズの魅力は、何と言っても「即興性」です。
ソロでもアンサンブルでも、1曲の譜面という土俵の上で
織り成す真剣勝負。相手の音に瞬時に反応して、時には
先回りして、その場に最もふさわしい音を美しい音色で
紡いでいく・・・反射神経と運動能力も必要な格闘技とも
言うべき音楽です。
私がもうひとつ取り組んでいる「作曲をする」という行為は、
即興性とは対照的に「構築性」が要求されます。でもジャズと
いうジャンルはこの二つが見事に融合することができる、いや
その融合を目的とした、とも言える、すばらしい音楽だと思うのです。
与えられたテーマと、それに続くアドリブの世界、全く予想の
つかない世界に飛んでいくこともできるのに、いかにも必然性の
あるような音を出す演奏をすることができたら・・・それが
ジャズミュージシャンとしての喜びだと思います。
でもそれは容易ではなく、アドリブの世界での無意味な音の
羅列、過去の名演を焼き直しただけのジャズの雰囲気だけを
持ってきて生み出された楽曲、人との共感ということを忘れた
自分勝手な演奏の世界、、、そんな演奏に陥ってしまう危険性が
あるのもジャズです。
一晩の演奏の中で、まるで自分の意思とは別の生き物のように
指が動いたり音がつむがれたり、共演者と奇跡的な調和が生まれ
たりすることがあります。でもそれは毎晩のように起こることで
はありません。
以前
『マイルス・デイビス(tp)は「一晩のギグの中で神様が舞い
降りて来る瞬間は4小節ほどだ」と言ったそうだが、それを聴いた
ゲイリー・ピーコック(b)は「4小節もあればいい。1小節でも
やっとだ」 と言ったそうだよ』
というお話を聞いたことがあります。
楽器や楽曲、共演者と真摯に向き合う。自分の音に常に集中して
ベストを尽くす。。。それでもそんな瞬間は簡単には訪れません。
その一瞬を体験したいから、どんな辛いことがあっても苦しくても
ジャズの世界にいるのかもしれません。
あけましておめでとうございます。
(すでに松の内も七草も鏡割りも終わりそうで、
遅くなってすみません!)
私は10年ぶりに札幌の実家で年越ししました。
年末までノンストップで過ごしたので、元旦は
ゆっくりと家の中でした。
旧年は悲喜交々という言葉がぴったりな一年
でした。個人的に家族の病気や親戚の不幸などが
重なり、また震災という大きな出来事もあり、
辛い気持ちで演奏する日もありましたが、
聴いて下さった皆様の言葉に支えられて演奏を
続けてこられました。
どの演奏も楽しく、心に残るものばかりでしたが、
やはり7月に三枚目のCD『Ambition』をリリース、
発売記念ライブをセルフプロデュースで無事終わら
せることができたことは、大きな喜びであり自信に
繋がりました。
新たなバンド参加や、初出演のお店、イベント、
コラムなどの執筆、レッスンにも意欲的に取り組めた
一年でした。
その反面、精神的肉体的にもギリギリの状態で仕事を
詰め込みすぎたかな、という反省もあります。
特に夏以降は毎日がバタバタで、じっくりと腰を
据えて考えたり創作する間もないほどでした。ご迷惑を
おかけした方も沢山いらっしゃったと思います。
今年はなんと年女!
意欲的に新しいことに挑戦する、ということと共に、
一つ一つの仕事にじっくり取り組める
ような環境作りも考えて行きたいと思います。
まだまだ未熟な私ですので、皆様何か
ありましたらご助言いただけたら嬉しいです。
今年も外山安樹子をよろしくお願い致します。
あと1週間足らずでクリスマスですね。
ジャズミュージシャンも一番の忙しい時期です。
とはいえ、今年はやはり自粛ムードも多くてイベント
が少ないという声も聴こえたり・・・・。
私はありがたいことに、23日は八千代と横浜、
24日は品川、25日は市川にて演奏です。どこかで
お会いしたら声かけてくださいね♪
さて、ジャズの演奏は、たいてい「テーマ」→
「アドリブ」→「テーマ」という形で行われます。
「テーマ」というのは、皆さんもご存知の部分。
知っている部分が終わったら大体はアドリブに入った
と思って間違いなし。ジャズではこの「テーマ」から
「アドリブ」に入ってからが勝負。どのように個性を
出すか、いかにテーマから離れて意外な展開をするか。。。
もちろんテーマをなぞってその世界を大切にしながら
アドリブするというのも良いと思いますが、お、こんな
メロディーやフレーズが出てくるんだ、なんていうのが
聴けるのもまたジャズの楽しみ、醍醐味のひとつだなあ
と思います。
でも、あまりに「テーマ」部分が有名すぎたり
美しすぎたりすると、「このあとアドリブでこの曲を
変えてしまってよいのだろうか?」とか「この美しい
メロディー以上に人を感動させるアドリブなんて自分
にできるんだろうか」と思ってしまうのですね。
テーマとアドリブの関係を人によっては「テーマは
アドリブの素材」と割り切って、まったく関係なく
別の世界として扱う、ということもあります。
そういう捕らえ方なら、先ほどのような悩みはもしか
したら生まれてこないかもしれない。
でも私はアドリブであっても人に聴いてもらう貴重な
時間であり、大切な音である、と考えています。テーマと
アドリブ、そしてまたテーマに戻るという一連の動き
を全体として1曲に聴こえるように演奏したい、より
自然に1曲に聴こえるように。。。そう思います。
(以前インターネット上で私の演奏を批判した方が
「どこまでがテーマでどこからがアドリブかわからない」
と書いていて、それは批判でなくむしろ私にとっては
ほめ言葉なんだよなあ、、って思ってしまいましたが(笑))
でもそう考えるがゆえに、テーマの世界を壊さない
ようにしなきゃ、なんてドつぼにはまることもあるわけです。
もちろんテーマの世界を大切にすることは、テーマから
どんどん発展して意外な展開をしていくアドリブ、という
ものを否定することにはならないはずなんですが。。。
先日、前もってリクエストをいただいてライブで
「ニューシネマパラダイス」のテーマを演奏しました。
このテーマはあまりに美しく、自分で弾いていて
「もうアドリブする必要ないな」と思ってしまう曲の
ひとつです。
しないならしないでいいんだよな、とアドリブせずに
テーマだけ演奏して終わることもできます。でもそれって
やっぱりジャズマンとして逃げてるよなあ、とも思うわけ
です。
結局当日はアドリブしました。難しかったです。満足が
いくフレーズやメロディは出なかったです。でもお客様が
あとから涙が出ました、と言ってくださいました。演奏して
良かったです。
アドリブしなくてもジャズミュージシャンでいられるのか、、、
難しい問題ですね。まだ答えは出ません。
皆さんはどう思われますか??
12月に入りましたね。JunkStageが今日で5周年を迎えた
ということで、本当におめでとうございます!
私はまだライター歴1年ちょっとですが、長く続けて
いけたらな。と思っております。
そして、私自身もこの11月で本格的にジャズピアノ講師を
始めてから5周年を迎えました!!
年末ということで、某楽器店での1年間の活動を振り返って
レポートを書いたのですが、そのために色々レッスンノートを
見返して感慨深かったです。柏の葉ではレッスン開始から5周年、
通っている生徒さんの9割が3年以上レッスンを継続してくれて
いる方でした。これには私もビックリ!3月の地震があったり
計画停電がある中でも一生懸命通ってきてくださって、一緒に
音楽できることが本当に喜びだったのも、思い出深いです。
去年から稼動しはじめた浦和店では、生徒さん獲得のために
沢山企画をしてくださって、おかげさまで安定してきました。
今週末は浦和店独自のセッションもあります。
そして自宅での生徒さんも、熱心で長期間の方が多く、皆さ
ん努力家です。最長の5年通ってくださった方が結婚とお引越し
のため卒業。私も教える、という活動を始めたばかりでつたない
講師だったと思いますが、よくぞ続けてくれて、本当にありがとう
という気持ちでいっぱいです。とても熱心な方で、車にキーボード
を積んで、レッスンの前と後に予習復習のため、キーボードで
練習したりしていたそうです。すごい!!
外山門下の発表会をしたいと言いながら今年もできません
でした、怠惰な先生ですみません。
また来年も皆様よろしくお願いします!!
※お知らせ
故郷札幌のジャズ情報誌『Audience』
http://www.svv.jp/
この月末発売の12月号から、3回シリーズで
コラムを連載することになりました!
『起承転結』ジャズピアニスト外山安樹子
という題名で書いてます。
北海道の方々、是非チェックを!!