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最近スクールにおいて色々と考えることもあり、
生徒さんと向き合ってどうしても気になることがあるので
それをトピックにいたします。
今回も叱咤激励でございます。あしからず。
私が勤務するスクールは、ネイルスクールには珍しい担任制です。
通常のスクールは自己管理が主体です。
いわばドライビングスクールのように、生徒さんがご自分で有効期間内にカリキュラムを消化していきます。
複数の講師がいる場合、そのタイミングで担当講師が異なります。
学校ではなく社会人の専門学校ですから、これは社会的には当然といえば当然ですね。
担任制では、もっと「親切」な仕組みです。
特に私が在籍する校舎は本当に親切で、まるで義務教育の学校のようなバックアップ体制です。
もちろんこれは善意によるもの。理解されている方にはそれは快適なシステムです。
しかし、悲しいかな、そこまで手をかけられ背中を支えられても自らドロップアウトする、
もしくはフェイドアウトする(結果としては同じ)生徒さんも少なからずいらっしゃいます。
そうなる予兆の方には、担任である私とスタッフでお話や説得を続けます。
ドロップアウトの理由はもちろん様々で、一概にその方の意志の強弱を問われるべきではありません。
そうではなく、あきらかに自分の弱さを乗り越えられずやめてしまう場合があり、本当に残念なのです。
私は開講時のオリエンテーションで必ず伝えることがあります。
それは、辞めたくなったら今の気持ちを思い出して欲しい、ということです。
今の気持ちとは、新しいお勉強に取り込もうとするフレッシュな気持ちはもちろんのこと、
入学を決めるまでにあったであろう様々な支援です。
高額の費用、家族の理解と応援です。
そして理想や夢を描いた自分の気持ちと計画。
それを絶対に忘れないこと、そして始めたお勉強は必ず修了させることをお願いします。
あの時頷いて話を聞いてくれていた姿を私は覚えているから、余計悲しくなります。
プロになることが夢なら、その手前にあるのは検定試験合格などの目標であり、
その目標の前にある課題はスクールにおける勉強です。
この道筋を忘れさえしなければ、きっと夢は叶います。
かかる時間や苦労は人それぞれ、それは自分を知り、向き合う良い機会でもあるわけです。
夢がかなったとき、きっとすでに次の課題や目標、さらなる夢も現れているかもしれません。
そしてどこかでやっぱり辞めたくなるかもしれません。
その時も、決心した時の自分と向きあうことで取るべき行動やあるべき思考がわかると思います。
辞めるのは一瞬です。簡単に辞められます。
でも、その「辞める」に納得していなければそれはゴールではなく
ただのドロップアウト、脱落です。
何よりその惨めさや後ろめたさは自分がよくわかっていることでしょう。
ネイルの勉強だけを日々やっていることは確かに難しいです。
お仕事や家事、その他の用事もあります。
自分流でいいので、どこかで折り合いをつけないと、両立させるのは厳しくなるでしょう。
それすら考える思考を停止して、逃げ続ける先に待っているのは恐らく「ドロップアウト」です。
まさに自分と向き合い、時には戦うことになるわけです。
もし、本当に自分には向いていないとか面白みをちっとも見出せないということで
納得されているのであればこちらもしつこく止めません。
そういうことだってもちろんあります。
そうなのか、そうじゃないかはご本人と話していれば長い経験から大抵わかるものです。
そうではなく、なんか面倒くさい、思ったよりトントン拍子で上達しない、
勉強もしなくちゃ、と思うけど他のことを優先すると結局出来ない、
余計考えることも嫌になってくる…というような状況であればこれは実は踏ん張りどころであるサインです。
ネイルのお勉強でこの機会を与えられていることは、
実は長い人生においての良いギフトだと思いませんか?
偉そうにお説教する私も、同じような失敗と挫折を経験したからわかります。
若気の至りのように、浅はかな発想や行動で他人はもちろん自分にも迷惑をかけたり
がっかりさせたりしてきました。
今はネイルの話をしていますが、これはあくまで「例」です。
なんの例かというと、困難を乗り越えたり成長する過程に対しての姿勢の例です。
だからこそ、その予兆を見せている生徒さんを放っておけずお説教しちゃいます。
それでも、最後に決めるのはいつでもその方ご自身。
もしネイルから離れてしまっても、いつかこうしたことに何か他の「例」で気づいていただけたらそれはそれでいいかな、と思ったりもします。
辞めてしまって、出席簿のお名前が線で消されたりするのを見るたび
そんな想いを遠いその方にはせます。
ネイルがライフワークになった私は、
出来るだけ多くの生徒さんが自分の可能性を輝かせていただきたいといつも祈っています。