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さて、いよいよ録音の日。今回は2日間に分けて収録です。
水戸の「趣楽舎」というフリースペース。普通のお家のような
設備もあって、なおかつグランドピアノやドラムなどの楽器
があるホール、2階にはダンスのレッスンもできる広いフロアも
あり、色々使えそうな場所。エンジニアの山本さんも使い慣れて
いるようです。午前中に入ってセッティング。ピアノは備え付け
のものではなく、今回はスタインウェイを水戸ピアノさんから
お借りしました。とても弾きやすい!さらに調律師の須藤くん
が時間をかけて整音してくれて、軟らかい音になりました。
一日目にほぼ全曲撮り終わり、2日目にもう一度やって
おきたい曲を決めて夜9時頃に一旦終了。中打ち上げということ
で焼肉に行きました。このトリオ、レコーディングの打ち上げは
なんだかいつも焼肉・・・リーダーが肉食系だからしょうがない
か(笑)
二日目も朝から収録、朝ごはんを食べながら前日の録音を
聴いたりして、その反省点を生かして?収録したり。
結果的にですが、1日目に収録したものが8曲、二日目に
収録したものが3曲選ばれました。やっぱり2日間かけると
その日その日で違った演奏になるので、面白いな、と思いました。
さて、録音したものを持ち帰り、いくつか録ったテイクから
何を選ぶか、検討に入ります。それぞれ平均2~3テイク、
1テイクしか録っていないものもありますが、7テイク録った
ものもあって、どれを選ぶかは本当に苦労しました。YPM
レーベルの録音方法は臨場感を大切にする一発録り、それぞれの
マイクにお互いの演奏が入りこむので、後からの加工はほぼ
不可能なんです。だから余計、「このテイクはここがよいけれど
あそこが・・・」なんてことが沢山あって悩むわけです。でも
演奏の勢いや全体の雰囲気、アドリブの攻め具合etc、、、
CDにした時に気持ち良く聴けるテイクを選んでみたつもりです。
採用テイクを決め、この時点でまだ題名を決めていなかった
曲の題名も決め、曲順も決定して、8月上旬にミックスダウン
作業に入ります。それぞれのマイクのバランスを整えたり、
一般的にはここでイコライザーやエコーを掛けて音を加工する
のですが、YPMはなるべく加工しない!!今回はほとんど
リバーブすら会場の響きを重視してかけていないのです。
さてここで2つ目のトラブル発生!順調に作業していて、
さて、二日目の音源に入ろうとしたら、、、、ハードディスクに
入っているものを聴くと、何でか全部半音下がっている!スピード
も遅いし。。。何が起きているの状態・・・まさか二日目の録音が
全部パーに!?頭の中は一瞬真っ白。とりあえず1日目は作業
中断。でも原因と対処法はなんとなくわかっているみたいな山本
さん。大丈夫ですよ、といってその日は解散。後日復元できた
という知らせを聞いて一安心でした。
さて、先ほども書いたように、YPMレーベルの信条は
「臨場感」最小限のマイクで、まるでライブがその場で行われて
いるような再生ができるように、音を録っていきます。
それゆえ、微妙なバランスの変化で聴こえ方も大きく変わって
きます。1回のミックスダウンで音が決定するわけではありま
せん。1度持ち帰っていろんな機械で聴いてみます。意見を
出し合って変更、また聞いて見て・・・その作業を3,4回
繰り返します。最終的に1ヶ月以上かけて音が出来上がり
ました!!土壇場になってワガママを言ったりしましたが
エンジニア山本さんが「妥協はしない!」と最後まで拘って
仕事をしてくれました。こんなに時間をかけてミックスして
くれるエンジニアさん、なかなかいないのではないでしょうか。
音の話がとても長くなったので続きはその3へ!!