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2013/11/01

バイセクシャルの男性Kさん(31歳)と、バイセクシャルの女性Rさん(30歳)は、結婚して2年になる、まだまだ新婚カップルです。

二人の出会いは、まだそれぞれが同性の恋人と交際している時でした。お互いの恋人が友人同士だったことで知り合い、時折4人で食事や旅行に行くうちに、友人としての親交を深めていきました。

やがて、Kさんが恋人と別れ、Rさんカップルとの付き合いも途切れたのでしたが、Rさんが転職した職場で再開するという偶然が起きました。

それ以来、職場の同僚としての付き合いが始まり、Rさんが恋人と別れた際には、その過程の相談役も務めました。

二人の距離は友人以上に縮まり、職場で再開してから1年半でのゴールインとなりました。

結婚前、「バイセクシャル同士が結婚することのデメリットを教えて下さい」という相談をRSNに寄せられ、バイセクシャルゆえの不安や苦悩を整理して、出来る限りのリスクを回避しようという行動をされたのでした。

実際に面談してお話をする中で、バイセクシャルの二人には共通の悩みがある事がわかりました。

それは「惚れっぽい」事です。

異性、同性に限らず、相手の事を魅力的だと思う範囲が広いのです。

惚れっぽいおまけにバイセクシャルときたら、これはもう大変です。

自分自身で自覚しているから、それを相談することで少しでも気持ちを楽にさせようとしているように見えました。

結婚するのだから、相手の事だけを見て、他人を意識しなければ良いじゃないかと思われるかもしれませんが、「惚れっぽい」という心理は、意図して湧き上がるものではなく、本能的にというか無意識にというか、制御不能な心の動きなわけです。

だからこそ、これは厄介です。

最初は浮気でも、それが本気になったらどうしよう? 今、目の前にいる大好きな人を、いつか傷つけることになったらどうしよう? そういう不安をお互いが持っているという特殊な状態でした。

相互により魅力的な自分を保たなければならないという関係は、やがて疲れてしまうでしょう。

そんなお二人に、お子さんが誕生されたそうです。

二人の惚れっぽさは、今は、二人の愛の結晶に向かって一直線だそうです。

誰かを愛おしく思う気持ちが、自分の子供に最大限に向かうなら、これはとても幸せなことでしょう。

理性のある人間だからこそ、性的衝動を、愛をもって、精神的愛情に変換させる事ができるのかもしれません。

愛を忘れない生き方を、もっと多くのLGBTの皆さんが実践すれば、幸せなLGBTの割合もきっと増えるだろうと思います。

2013/11/01 12:57 | nakahashi | No Comments