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今回は、中橋とLGBT当事者(ミホさん・仮名18歳)との対談を掲載します。
中「高校の卒業式を終えたばかりだそうですね。まずは、卒業おめでとうございます」
ミホ「ありがとうございます。やっと集団生活から抜け出すことが出来ました(笑)」
中「高校生活を振り返ってみてどうでしたか?」
ミホ「辛いこともたくさんあったけど、友達や良い先生にも恵まれて、楽しい3年間だったと思います」
中「ミホさんは、レズビアンであると自覚しているんですよね?」
ミホ「はい(笑) 小学校の高学年の頃から、何となくそう思っていました。高校に入るころには、確定的に自分は同性しか好きになれないと悟りました」
中「なるほど。高校に入って、仲の良い友達にカミングアウトしたんですよね?」
ミホ「はい。ごく親しい友達だけにカムアウトしました」
中「なぜカミングアウトしようと思ったの?」
ミホ「クラスでも部活でも一緒にいる友達だったので、恋愛話とかでどうしても自分を偽ることが息苦しくなる時があって、信頼している友達だから、きっと理解してくれるだろうと思ってカムアウトしました」
中「それで上手くいきましたか?」
ミホ「驚くほど上手くいきました(笑) 気持ちはわかる!!とか言われて(爆笑)」
中「気持ちはわかる??」
ミホ「友達は、男に愛想が尽きるような出来ごとに遭遇していた最中らしくて、男なんてもう好きになれないと思っていたとかで。。」
中「その友達もレズビアンに?」
ミホ「そんなことにはならないですよ(笑) 友達は彼氏に少しだけ嫌気がさしていた最中だっただけです。でも、そういう気持ちと、私のレズビアンであるということは別次元の感覚だと思うので、そういうことについて話し合ったり、話を聞いてもらったり、友達としてさらに友情が深まりました。これからもずっと大切な友達です」
中「カミングアウトしたのは一人だけですか?」
ミホ「友達数人と、保健室の先生です」
中「カミングアウトした友達は、みんなすんなり受け入れてくれたの?」
ミホ「戸惑った子もいたけど、最終的には受け入れてくれたというか、普段と変わらずに接してくれました」
中「それは良かったですね。保健室の先生にはどうしてカミングアウトしたの?」
ミホ「好きになったから(爆笑)」
中「あっ、そう(焦) その恋、どうなりました?」
ミホ「撃沈しました。でも、それ以来、ちょくちょく放課後とかに保健室に行って、私の話をいっぱい聞いてもらいました。先生も同性愛とか性同一性障害のこととかを勉強していたみたいで、私の事をとても心配してくれていました。卒業後も時々遊びに行くと思います」
中「恋は実らなかったようだけど、良い先生に巡り合えて良かったですね。それでは逆に嫌なことってありましたか?」
ミホ「うちの学校、今時、体育祭でフォークダンスやるんですね。それで、男子とペアを組まされて手をつないで踊るんだけど、これは嫌だった」
中「なるほど。ミホさんは男嫌い?」
ミホ「男嫌いってわけじゃないですよ。あっ、もちろん、恋愛対象ではないですけどね。ただ、フォークダンスの練習の時とか、教室の中とかでも、いやらしい目線で見てくる男子とかいるわけですよ。男子のそういう『性的』な目線っていうのが耐えられないんです。はっきりいって気持ち悪い。私と仲良くなれる男子がいるとしたら、それはゲイの男子かもしれませんね(笑)」
中「確かに、ミホさんは男子から人気がありそうなルックスですもんね。ある意味男子に同情してしまいますが、そういう集団生活からようやく解き放たれたわけですね」
ミホ「はい。これからは自分らしく生きていかれるように、まずは自立を目指して頑張ります」
中「ミホさんの今後の進路はどうなっているのですか?」
ミホ「私は美容師を目指しているので、春から美容師になるための専門学校に通います」
中「手に職をつけて自立をめざすのですね」
ミホ「はい。都会の専門学校に行くので、一人暮らしも始める予定です♪」
中「生活でも自立の準備をするのですね。でも、初めての一人暮らし、羽目をはずし過ぎないように気をつけて下さいね」
ミホ「わかってますよ。一人暮らしはしますが、彼女の住んでいる街に引っ越すことになるので、ある意味安心なんです」
中「そうだったんですか。彼女はもしかして年上?」
ミホ「はい。大学生です。高校の部活の先輩。付き合って2年目です♪」
中「そうですか。新生活はもうすぐですね。自分の夢に向かって頑張って下さい。今日はありがとうございました」
ミホ「こちらこそ」