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目を覚ますと秋の森は、
ただただ静かで、
音をどこかに隠してしまったかのように静まり返っていた、
木々の緑は命をせいいっぱい輝かせ生き抜いたあかしに、
葉は虫に食われ所々に穴が開き、
今まで以上に世の中が見えるようになっていた、
鮮やかだった緑色の肉体は薄汚れ、
誰からも見向きもされない、
ただ梢の上で若い頃から憧れた青い空を眺めている、
季節風が冷たい風を運ぶ頃、
昔だったら気にする必要もない風に煽られ、
その身を風に委ねてみることにした、
常識という枝からは慣れた枯れ葉、
空は下に見え、
地面は上に見え、
微笑む顔の裏側に憎しみが見え、
セレブリティーと誰からも噂されていたはずなのに、
何かを隠す為に必死に取り繕っているスタイルの良い女性が見え、
そして彼は満たされることなくい未だに何かを探し続ける、
両手に何も持たずただ立ち尽くし
その身を風に委ねてみると、
ただ感覚が研ぎすまされていく、
森の中で目を覚ますと、
秋の贈り物、
今年も私に届けられていた、
森の総てが命を休めようとして、
静けさで森を満たしているというのに、
私だけに再び命を輝かせることの出来る贈り物が届けられた、
名前も知らない青い実、
まだ青々としたドングリ、
暖かな日射しで爆ぜた山栗、
そしてその隣には、
ホウの葉で包まれ可憐な白い花で結ばれた秋の贈り物、
これだから人生は止められない、
何が得で何が損で、
何が許されて何が許されないか、
何が安全で何が危険なのか、
シリアはアメリカとロシアにどうされるのか、
iPhone5の性能がどうなのか、
所詮、誰かの思惑で決まること、
私に届けられた秋の贈り物、
この中にどんな私の人生が包まれているかと思うと、
研ぎすまされた感情で私が満たされていくのを感じる、
これだから人生は止められない。