« | Home | »

2013/07/12

アメリカ連邦最高裁が下した「同性婚差別に係る法律の違憲判断」は、アメリカをはじめ全世界に大きく報道されました。

アメリカでは既に州によって同性婚が制度化されていますが、アメリカ合衆国全体として、同性婚制度を導入している州の判断を尊重することが確認されたわけです。

アメリカをはじめ欧米諸国では、宗教的理由などから、LGBTに対する強烈な迫害が行われてきた歴史があります。

その結果、彼らは自分たちの権利を守るために団結して立ち上がり、コミュニティのつながりを強化して、政治における発言力を持つようになりました。欧米諸国の政治家の中には、自らがLGBTであることを公言している人も少なくありません。

全人口に占めるLGBTの割合は、3~5%とも10%未満の不確定数とも言われています。すなわち、人種や地域を問わず、潜在的には相当数のセクシャルマイノリティが存在するわけですが、社会的にカミングアウトしている人はまだまだ少ないのが現状です。

しかし、彼らが何らかの形で団結し、一致して行動をすれば、それは一大勢力として社会的に大きな影響力を持つのは必至です。

日本では、政治的に全国規模でLGBTが団結している状況には全くありません。それは、欧米諸国のLGBTとは違って、強烈な迫害の被害には遭っておらず、団結して自分たちの権利を守るための行動する必要性に乏しかったことが理由でしょう。

いわば『ぬるま湯』の中にいる日本のLGBTにとって、欧米諸国で相次いで導入されている同性婚制度はどのように映っているのでしょうか?

我が国に同性婚制度が導入される日があるとするならば、国内のLGBTが団結して政治的な組織を作り、政治への発言力が高まって、政治家がそれを無視できないレベルにまで到達した時か、国民的スターがLGBTであることを告白し、旗振り役となって同性婚制度の導入を世論に訴え、それが多くの国民の共感を得た時のいずれかの様な気がします。

政治的に熱しやすく冷めやすい国民性は、ここ10年ほどの投票行動をみると一目瞭然です。もし、同性婚制度の導入が争点となるような選挙が行われた場合、上記後者の国民的スターはLGBTにとって絶大なヒーローとなるでしょう。

現実的に上記前者も後者も起こり得ないとすれば、我が国での同性婚制度あるいはそれに類似したパートナーシップ制度の導入は、永遠にあり得ないかもしれません。

LGBTの政治への関心を高める活動を、当事者の有志は不断の努力で行う必要があるのです。

※今回のアメリカの裁判について、福岡でLGBTの皆さんのための活動をしている団体、Rainbow Soupさんより取材を受けましたので、その記事も是非お読みください⇒ここをクリックして下さい。

2013/07/12 11:38 | nakahashi | No Comments