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学校に行く前に毎朝立ち寄るスターバックス。
いつもは出勤前の人で混んでいるのに、今日はお客さんがいない。
いよいよラマダンの時期がやってきた。
ムスリムは、毎年ラマダン(ヒジュラ暦の9月)に一切の飲食を1ヶ月間絶つ。
日の出から日没まで水を含めて飲食をしない時期がラマダンとよばれる時期。
食べ物を食べられない人の気持ちを理解する良い機会となるこの時期は、ムスリムにとっては大切な時期。
この時期の日中は町が少し静かで元気がない気がする。
カフェやレストランも中国人や外国人しかいなくて寂しい。
ムスリムはやる気をなくして、みんなだらーんとしてる。
ただでさえのんびりしているこの国の人達が余計にのんびりするのだから、外国人たちはイライラしてしまう。
ラマダンが始まる前はどの外国人たちもこんなこと言う。
「ラマダン時期は手続きが滞る、返信が来ない、作業者はやってこない。ムスリムの従業員の作業効率は格段に下がる。でもイライラしちゃいけない。ラマダン前に全ての必要な仕事を依頼して終わらせておくのがこの国で働く外国人の生きていく道!」
そう、イライラしちゃいけない。こののんびりモードがこの国のラマダン時期の醍醐味なのだから!
そして日没後には街中が突如活気を取り戻し、この時期だけの特別ビュッフェを楽しむ人で混雑する。
こんな異様な日々が1ヶ月も続く。
のんびりモードな1ヶ月も、慣れてくるとムスリム国家にいる楽しさだと思えてくる。
ありがたいことにマレーシアは多国籍なのでほとんどのレストランもショップも開いているけれど、中東などはお店も開いていないことが多いらしい。
話は変わって、先日クラスメイトと伊勢丹に行ったときのこと。
「Tomoko、キューピーを知ってるでしょ?あれは天使じゃないよね?そうよね?」
突如言われて、頭の中は「??????」
彼女がどうして天使じゃないということを何度も聞くのか・・・売り場に行って納得!
日本人にお馴染みのキューピーマヨネーズ。
ここマレーシアでも知名度があって人気の商品だけど、最近パッケージが変わった。
理由はシンプルで、キューピーのキャラクターが天使を思わせるため、偶像崇拝を禁止するムスリムにとって良くない!というもの。
しかもこれ、マレーシア政府が難色を示したらしい。
日本人にとってはキューピーのキャラクターが天使かどうかなんて気にも留めないことかもしれない。
宗教の規律に沿って生きているムスリムにとっては、規律に違反していない商品であるということは大切なこと。
イスラム市場を狙う日本企業が増えている今日。
進出を狙う日系企業の苦労を垣間見た気がする。