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2013/05/17

昨年、ある町の家庭教育学級で「第三の性教育」と題して、小中学校に通う子供を持つ保護者の皆さんを対象に講演を行いました。

第三の性というと、いわゆる半陰陽や両性具有を指す場合もありますが、私の言う第三の性教育は、セクシャリティに関する教育ということを意味します。

LGBTの区別や特徴、子供のLGBT当事者が抱える悩みを実例を紹介しながらお話しました。

講演から約1年経った先日、講演を聞いて下さった保護者の方から、児童・生徒のセクシャリティの問題に対して、より一層理解を深めるために、勉強会を作り、その成果発表を行ったという知らせを頂きました。

子供がセクシャリティに関する悩みを抱えている時、家族がその悩みを理解してあげることは、その後の人生を左右するほど重要なことです。

悩みを打ち明けられたら、その話を遮ったり、既成概念を押し付けるようなアドバイスをしたりせず、一緒に時間をかけて考えていこうという姿勢が必要です。

LGBT当事者には、家族関係が良好でないという方が多く見受けられます。

家族がセクシャルマイノリティに対する正しい理解と対応を身につけてくれていれば、少なくとも家族の中で孤立するようなことはないでしょう。

今回の家庭教育学級の受講者の皆さんのように、自発的にLGBT当事者への理解を深めようとする動きが、他の保護者の皆さんにも広がることを祈るばかりです。

子供の最大の拠り所は『家庭』であるはずです。その家庭内で、自分の居場所を失うことほど悲しいことはありません。

LGBT当事者の多くは、10歳未満の年齢で、既に自分自身がセクシャルマイノリティであるということを自認していたと言います。

子供のいる家庭の多くは、自分の家庭には無関係だと思い込んでいるのが現状でしょうが、それは大変危険です。

知らず知らずのうちに、我が子に家庭内での疎外感を感じさせないようにするためにも、第三の性教育を全ての家庭で実践して欲しいと願っています。

2013/05/17 12:47 | nakahashi | No Comments