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2013/05/08

ゴミ出しをして洗濯を干し一通り掃除機を掛けてしまうと、やることがなくなってしまった。まだ午前中。なのに何にもやることがない。いや、探せばあるにはあるのだけど、さしあたって今日中に片付けなければならないほどのことは、何もない。
何もないので、昼間っから布団を敷いて、横になった。読みかけの本でも読もうかと思ったけれど、そのうちにとろとろとまどろんだ。
夢の中なのか現実なのか、子供の声が遠くから木霊のように聞こえてくる。

お試し保育、というのに子供を預けて三日目になる。
シングルで子育てをしなければならない私にとって保育園を探し出すまでは戦争のような日々だったが、無事一歳になる前になんとか預かってもらえる目途が立った。その準備期間も兼ねてスタートした保育園通いは幸いなことに上手くいっていて、子供は大してぐずることもなく保母さんにあやされて上機嫌で遊んでいるらしい。今のところ最年少ということもあって他の子からも苛められることなく遊んでもらえているようだと聞いて、なんだか急に肩の荷が下りてしまったような気分だった。

来週から復帰しますと会社に連絡を入れたのが先日のことで、一昨日から病院だの銀行だの役所だの、手続きをしなければならないところを片っ端から駆けずり回って書類を書いたりハンコを押したりばたばたと手続きを整えた。子を産み育てるということはこういう些事が積み重なっていくことなのかもしれないと思うほど、至る所で住所氏名年齢子供の生年月日を書きまくり、そのどこでもやたらと窓口の人が親切で慇懃で困惑するほどだった。もうすぐ一歳のお誕生日ですね、と言いもしないのに告げられたり微笑まれたり、そういう類の優しさはなんだか不当に与えられるもののような気がして妙に居心地が悪かった。だからしゃかりきになって一日で全部回ってしまった。早く終わらせなきゃ。早く終わらせてあの子を連れて家に帰ってご飯をたべてお風呂に入って眠らなきゃ。何かに憑かれたように自転車で街中を走って、夜には憑かれたように眠った。

そしたら、ぽかっと時間が出来てしまったのだ。

やろうとすれば時間なんか簡単に潰れる。DVDを観たっていいし買いものに行ったっていいし、あの子を迎えに行くまでは何をしてもいい。でも、何をする気にもなれない。何かをしようという気にならない、不思議と。

疲れているわけではないと思う。だってちゃんと寝たし、食べてるし。うちの子は夜泣きも少なくて余所様の話を聞くと申し訳ないと思うほど本当に手が掛からない。なのに唯一思い浮かんだことが昼寝、というのはなんだか情けないようにも寂しいようにも感じられ、それでも私は布団から身を起こすことが出来ないでいる。

とろとろ。

今頃あの子も保育園で眠っているのだろうか。おかあさんと同じに。
与えられたエアポケットのような時間で、私はうとうととまどろんでいる。
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*今回の画像は「Photolibrary」さまからお借りしました。

2013/05/08 12:04 | momou | No Comments