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最近急に、
昼間だけ暑くなったトスカーナです。
ここボンコンヴェントから約30kmほど北へ行くと
シエナという街があります。
シエナの街の中心部から、
中腹の駐車場へ降りるとき、
パチリと撮った一枚です。
小高い丘の上の街だとわかりますか?
街の中心へ行く為には、
どの方向からも、
とても急な坂を上らなくてはいけません。
これは、
敵から攻められにくい、戦いには絶好の条件だったのですが、
周りに川も湖もなにもなく、
致命的な「水」の問題がありました。
それなのに、
世界一美しいと言われるカンポ広場やマンジャの塔、
世界初の銀行、モンテディパスキ銀行やシエナ大学など、
数々の名所、そして沢山の人口の泉を生み出すほどの街に成長した秘密、
ボッティーニ、地下水路へ潜入して来ました。
シエナは地上も美しければ、
地下もまた美しいと言わしめたこのボッティーニ、
1300年代初めから、
たったの6年で25kmという長さを掘り上げ、
世界にも二つとないと言われる地下水路です。
潜入口はポルタオヴィーレからググッと登ったフォンテヌオーヴァ(新しい泉)から。
入ってすぐ。
当たり前だけど真っ暗です。
手すりの様にあるゴレッロとよばれる水路と、
足下のゴレッロが2段に分かれてあります。
掘る深さによって、水の量を調節したそうです。
私の前にいたのは、身長150cmくらいの女性、
幅も狭いし、私は当然前屈みになってしか歩けません。
人間の手によって、
コツコツと掘られただけなので、
崩れたところも多く、
1802年に修復が行われたところはこんなに綺麗。
三百万年前のシエナは海だったので、
このように石の層と砂の層に分かれています。
貝の化石なども見られます。
真っ暗な中、置いてきぼりにされるのが怖くて
なかなか写真が撮れなかったのですが、
歩いていると時々、ポタッと雫が落ち、
壁や天井を見渡すと、ミネラルでビッシリと
まるで鍾乳洞のようになっていました。
雨水が地層のフィルターを通って地下水路に流れてくるのと、
地下に溜まった水を利用しています。
地下にいる分には、本当に雫程度なのですが、
25kmにもなると、かなりの水の量が供給出来る様になっているって、
すごい設計ですね。
シエナ王国は、フィレンツェ王国と長く戦って来たので、
その際の戦略で隠された水路も沢山あり、
まだ全部は発見出来ていないんだそうで。。。
私たちは1kmほど歩いて説明を受け、引き返し。
やっと外の光が!!!
外側から観たフォンテヌオーヴァ。
雫がこんな量の水になるんですね。
水槽は上から飲み水、洗濯槽、動物の処理水と三段に分かれています。
あ〜、外はいい天気で気持ちいい!
そんなときは
カンポ広場で
ジェラート!
このカンポ広場にあるガイアの泉の水もまた
当然、地下のボッティーニから。
イタリアに来た当初は私もシエナ大学へ通っていたので
この辺は毎日歩いていましたが、
違う角度から見るシエナもまた良いもんだなぁと
楽しい遠足になりました。