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皆さん、おはようございます。
ほわっとでのバタフライが10月5日に決定しました。
ついてはしばらく、ぼんち流バタフライ論にお付き合い願いましょう。
正式な公演の名称は、
「マダマ・バタフライ(蝶々夫人初演版)」です。
これは、私も出演したNPOみんなのオペラ「改訂版蝶々さん」が
プッチーニフェスティバルに登場するに際し、
つけられた公演名称でもあります。(ただし初演版ではない)
この名称を選んだ理由がいくつかあります。
よく使われる名称が「蝶々夫人」です。
これを使わない理由は、初演版である、
そして演出の設定が特殊である、
以上2つにより、「蝶々夫人」という一般的な名称から期待される、
スタンダードな上演とはかけ離れていることです。
ですから、(蝶々夫人初演版)という形で、
説明文的に使うだけにとどめました。
また、ここは関西ですので、
同じく、スタンダードな方法論で上演されている、
関西歌劇団が用いている公演名称「お蝶夫人」も、
同様の理由から使用を避けました。
では、ある意味それらと同じように、
正しい日本の風物を、スタンダードに上演しようとする、
みんなのオペラと同じ名称にしたのはなぜかといいますと、
その演出意図とは、真逆の、
日本の風物を正しく紹介しよう、という姿勢を全く排した、
作品中にある間違いを逆手にとって、
見せつけるようにして上演してやろう、
そういう演出意図を私が持っているからです。
そして、それがより一層できる初演版を用いるからです。
さらに、ほわっとには収容人数の限界というものがあります。
狭い店内のことですから、スコアの指示通りの人員配置をすると、
お客さんを全員追い出さねばならない事態となります。
当然これでは上演する意味がありませんから、
一番人員を要する、蝶々さんの登場より後を
ばっさりカットせざるを得なくなります。
ノーカット主義者たる私には断腸の思いですが、
ここを逆手にとった設定を盛り込むことで、
そのフラストレーションを取り払いました。
もう一つ言えば、このバタフライという作品は、
1幕、そう、まさにカットするところですが、
そこは内容的に、付け足しというか、
2幕の背景を実際に演じさせて説明する、
という役割を担っている幕です。
実際、原作の小説にしろ、戯曲版にしろ、
内容はオペラの2幕に該当するものしかありません。
つまり、このオペラの本質は2幕にあるのです。
ゆえに、2幕は1場、2場ともに完全に上演します。
間奏曲も含め、1小節たりともカットは致しません。
さて、次回は特異な設定についてご説明致しましょう。