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ちびっこを持つ、世のお母さん達、歌ってますか?
私はピアノレッスンを始めたばかりの子供達に、よく曲当てクイズをする。
歌詞を歌わず、ピアノで簡単な童謡などを弾き、曲名を当てさせる、というもので、
童謡も「かえるのうた」とか「どんぐりころころ」「チューリップ」「ぶんぶんぶん」とか本当に簡単なものだ。
ところが、意外や意外、子供達はこの「ど」スタンダードとも呼べる曲を知らないことが多い。
メロディーでダメなら歌詞も歌って聞かせるがやっぱり知らないみたいだ。
私がピアノの先生についたのは5歳位だったと思うが、その時には「かえるのうた」や他の童謡がもう弾けてた。
母は私が小さい頃から、私を膝に乗せ、童謡なんかを聞かせてくれ、手ほどきしてくれた。
これは母に感謝しきれないくらい感謝している。
母はピアニストでもなんでもないが、そうやって自然と私を音に触れさせてくれた。
右手はメロディーを弾き、左手はごく簡単な和音をポーン、ポーンと弾くだけのシンプルなもの。
今になると、このシンプルな下地がどれだけその後の音楽への道に影響するかと本当に実感する。
メロディーを弾くうちに、自然と『ドレミファソラシド』という音名と
左手の和音で4拍子なり、3拍子なり、簡単なリズム感が身につく。
するとピアノレッスンへの導入は驚くほど楽になる。
『あいうえお』を習う前に、たくさん会話があるのと同じ。
言葉を話す前の子供に『あ』という文字を見せて、”あ” ”あさ” ”あか”…とか言う親はいないだろう。
音楽も同じ。
先にドレミの垣根をなくしてレッスンを始める方が子供にとっては楽に違いない。
それまで何も知らなかったのに、いきなりこれはドですよと言われても子供は困るだろう。
音楽だけでなく運動にも大きく関わるリズム感も。
童謡をリズム感なしにいい加減に歌う人はまずいないだろう。
手拍子ができない人もまずいないだろう。
日本人が苦手と言われる3拍子も、楽譜にするとつまずきやすい付点四分音符と八分音符だって「ぞうさん」にどちらも入ってる。
「ぞうさん」も「ハッピーバースデイ」の曲も3拍子だ。
ウィーンフィルのように3拍子が演奏できなくても、3拍子は身近な所にあったのだ!!
ドレミ…という音名で歌ってあげられる親御さんも少ないだろうし、教えられる親御さんも少ないかもしれない。
そこは先生に任せるしかなくても、歌詞で歌ってあげたり、歌を聞かせてあげたり
歌と一緒に身体を優しくリズムで叩いてあげることは是非してほしい。
音楽もリズムも特別なことではなく、ごく自然なこと。
そうしたらピアノだけでなく、学校の音楽でも挫折感を持つ子供は減るんだろうな。