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2013/01/19

週末、門下発表会に立たせていただいたのです。

午前中は、毎日顔を合わせて芝居稽古をしていた仲間の告別式へ向かいました。
訃報をきいてもそこまで動揺していなかったように思う私も、顔をみたらやはり想いがこみ上げて号泣して、心の切り替えもし切れないまま、午後1時間だけ芝居稽古に参加。
滞りなく幸せサポートな演技ができたので「あっ笑顔もできる。台詞も言える。よかった」となっていたのですが…もしかしたら、その彼の登場シーンではなかったからかもしれません。

念のためリハ時間の1時間前には会場入りしておこうと稽古を早退。
今回初めて門下発表会に立つということは門下の生徒さんたちとも初めて顔を合わせるわけで人見知りの私はさらに硬直。
また楽屋は三つに分かれてしまっていたり。

リハは1人6分与えられ自由に使っていいと言われたのでまず舞台上から客席を見渡しました。…あらライトあたりすぎで客席まっくら。
師匠がいつか「客席が見えないのはお顔も反応もみえないし、真っ暗闇に歌うのは私は好きじゃないの。
だから私は舞台出てきたとき、照明さん、客電あげてちょうだいって大声出しちゃった!」と仰っていたことを思い出しました。

ピアノの蓋に自分の声が反響して、ピアノから自分の声が聴こえてくる…それに慣れず…
さらに声帯が自分が考えていたよりもショックで固まってしまって上手く声が出ない状況
精神に左右される人間ということは自分では分かっていたけど、ここまでとは思わず、半泣き状態で6分が過ぎていきました。

舞台に立ったら、私情はお客様には全く知ったこっちゃないというのは肝に銘じているぶん
精神立て直しや、コンディションをいつも通りに近づける努力(それも短時間で)がこんなに大変なのかと楽屋で、喉を揉み続けながら孤独を感じたのでした。
どんな状況であれ、ブレないようになるまでどれだけの月日を要するのでしょうか。

2曲歌ったうち、1曲は日本歌曲。
お見送りしてきた彼に届けるつもりで祈りを込めて歌いました。

先生には、日本歌曲なかなかいい声が出ていたねと褒めていただいたので
そのとき初めて、仲間が亡くなったことをお伝えしました。
聴いてくださってた門下の数人の方々「いい歌ね!」と言いにきてくださったので自己ベストではないけどとても嬉しかったです。曲に救われたのでしょうか。
昔から、「いい声ねは褒められたことにはならない。声がいいのは当たり前。心が現れてないのよ。
あなたの歌った曲はいい歌ね、と言われるように励みなさい。」と
学生時代は口酸っぱく指摘され続けている私ですが、最近ようやく言っていただけるようになったので、少しは私自身の心が歌に染み出るようにはなったのかもしれないな…と思ったのでした。

2013/01/19 03:48 | uika | No Comments