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2013/01/12

これはYahoo知恵袋からである。
まずはご一読されたい。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1198925476?fr=top_mantenna

要約すると、不法侵入、窃盗に当たるであろうことを、
学生の悪戯の範疇で行ってしまったと。
即刻被害者ともいうべきおっさんが出てきて怒鳴られ、
とった金属の下駄を返し、謝罪をしたが、
おっさんがわざわざ追いかけてきて、
中の一人が下駄で殴られ、流血の惨事となったと。
ざっくり言えば、不当・過剰と思われる制裁を受け、
納得いかない仲間たちが復讐を叫んでいる、
という相談である。

これに対し、論調としては「お前らがそもそも悪いだろ」
「おっさん責める前に反省しろや」というものが多い。

ということで少年たちよ、私は君たちに言いたい。
ま、皆が求める反省とやらも悪い思案ではないが、
そして復讐するというのならあえて止めもしないが、
せっかくの機会なのだから、人間の内面を分析し、
人間世界を上から大きく眺める視点を持ってみないか?
素直に反省して悔い改める、なんて、
あんまり面白い作業ではないからね。

さて諸君、考えてみたまえ。
君たちが受けた報いは、行為に対して釣り合いはとれていない。
過剰な制裁を受けたと言わざるを得まい。
これを過剰と思わない人は、相当に古い感覚の持ち主だろう。
そんな意見をいまさら相手にする必要はない。

確かに今、個人的に受けた被害を、相手の被害を以て償わせるに、
被害者の行動を以て償いを完遂することは違法である。
極端な話、仇討ちは禁じられている。
償わせる行為は司法がこれを代行しているのだ。
だからおっさんの行動は罰せられるに値する。
しかも、その内容が加害者の行為に見合っていないから、
君たちの怒りはよくわかる。

しかし冷静に世の中を分析してみよう。
確かに万事は正当に行われるべきではある。
罰も正当なものが正当な形で加えられるべきである。
だが、世の中は正当なことより不当なことの方が多い。
司法による罰でさえ不当なことも多いのに、
個人間の制裁が正当な分量と性質でなされるなど、
期待するだけ愚かなことである。

人間は、そも差別することが大好きな動物である。
自分は正当に、ひどければ甘い方に不当な扱いを受けたいが、
他人は不当に扱ってやりたい、というのが本能だ。
もちろん理性によって頭ではそう考えていないが、
潜在意識では、日々本能と理性とがせめぎ合っているのだ。

正当な扱いとは、人権を尊重する限り守られる扱いであるが、
人権とは、無理やり設定しなければ実在しないものであるし、
実際のところ、何か被害が生じた場合に、
被害者を守り、加害者を責めるための、
後出しジャンケン的な口実に成り下がっているのが現状だ。
君たちも、あちこちで人権ポスター、差別排除のチラシを
目にしたことがあるだろう。
そんなポスターやチラシがあるということは、
人権が守られ、差別が行われていないことを意味するのではない。
あべこべに、人権が守られず、差別が横行していることを意味する。

私は君たちのやってしまった変な悪戯を責める気はないが、
禁じられていることは、行われていること、
という当たり前の、ちょっと突き放した世界観を教えていない、
君たちへの教育に対して、少なからず反感を覚えている。
君たちがこの世界観を持っていたならば、
過剰な制裁に怒りを覚えなかった・・・などという次元ではなく、
そもそも変な悪戯をしていなかったであろう、
そう思うのだ。

2013/01/12 04:43 | bonchi | No Comments