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JJF2000の続きです。
皆さん、少年漫画とかは読みますでしょうか。
僕はいつまでも心は少年なので(どっかで聞いた台詞)、未だに「週刊少年ジャンプ」を読んでおります。
最近お気に入りの漫画は、「いぬまるだしっ」と「逢魔ヶ刻動物園」です。
ただ、残念なことに、最近「週刊少年ジャンプ」では、
僕の大好きなスポ根漫画があまり多くなく、ちょっぴり残念です。
ジャグリングを題材にした漫画とか面白そうかなーとか思って、
実は一度だけ描いたことがありまして、
それを、挑戦するだけならタダだからとか思って、某懸賞に応募したものでした。
(消したい歴史とは思っていません。)
スポ根漫画で良くありますが、男の子ってのは「必殺技」にあこがれます。
野球漫画だったら投げた球が分身するとか、
テニス漫画だったらものすごくボールが曲がって、ネットの横を通ってくるとか、
中学生や高校生がそんな必殺技を使うなんて、現実にはあり得ないことではありますが、
それでも自分しか使えない「必殺技」にあこがれる気持ちはよくわかります。
ところで、
ジャグリングでは、「必殺」することはできませんが、無尽蔵に「技」が転がっています。
それこそ、中学生や高校生でも充分習得可能な「技」がたくさんあります。
自分でオリジナル技を作ることだってできちゃいます。
僕が一番得意としている道具はシガーボックスという、
複数個の箱を使った道具で、順番を並び替えたりすることでパフォーマンスをするもの。
かつて、TBS系の番組、「しあわせ家族計画」のお陰で、メジャーになった
ジャグリングの道具です。
この道具ですが、所属していたサークルでシガーボックスをやっていたのは
僕にジャグリングの初歩を教えてくれたN先輩だけ、
しかも、そのN先輩も、本腰を入れてシガーボックスをやっているわけではなかったので、
僕にシガーボックスを教えてくれた人はいなかったことになります。
「ジャグリングショップナランハ」というお店で出版されている
「シガーボックス パーフェクトガイド」という本が、技のレパートリーを増やすには大変役に立ったのですが、
教則本に書かれているめぼしい技は、すぐにできるようになってしまいました。
そんなある日、「シガーボックス パーフェクトガイド」の中に掲載されていた文書の中に、
「ひっつけ」という技と「中抜き」という技があるのですが、
2つの技を空中に浮いている最中に一気にやってしまうことができる、
というようなことがちらっと書いてありました。その時は、その文書はちらっと見ただけでしたが、
「ふーん、そうなんだ」
と思い、他にやる技も無かったので、それを練習してみることにしました。
なるほど、意外と難しいけれど、少しの練習の後、できるようになりました。
そこで、もう一度本を見直してみます。
今度は文書をしっかりと読みます。
『上級者になると、「中抜き」をやった後に「ひっつけ」をすることもできるようになります。』
と書いてありました。
しかし、先ほど僕がやったのは、「ひっつけ」の後に「中抜き」をする、というものでした。
「あ、なんだ。やり方を間違えていたんだ。」
と思い、今度は「中抜き」の後に「ひっつけ」をする練習をします。
これは、あっさりとできました。
この時に気がつきます。
「……もしかして、先に僕がやった『ひっつけ』の後に『中抜き』ってオリジナル技だったんじゃないか?」
と。
そして、さらに気がつきます。
「『ひっつけ』の後に『中抜き』ができる。『中抜き』の後に『ひっつけ』ができる。
だったら、『中抜き』の後、『ひっつけ』をして、その後さらに『中抜き』をすることができるんじゃないか?」
こうして、
「竜半スペシャル」と名付けた、僕のオリジナル技が出来上がりました。
もしかしたら、先の人たちに既にやられている技だったのかもしれませんが、
それでも、ここにたどり着いたのは独力だったので、まあ、オリジナルと言うことにしておいてください。(笑)
と言っても、まだジャグリングを始めて2年程度のひよっこが考える技など、
傍から見れば、「あぁ、また竜半が変なことをやっているよ」
という程度にしか映っていなかったでしょう。
「竜半スペシャル」という名前も若干ダサいですしね(笑)
ところが、その後。
「『中抜き』をして『ひっつけ』をした後『中抜き』をして、さらにそのあと『ひっつけ』ができるんじゃないか?」
ということに気がつきます。
「んん!? ということは、これって、延々と『中抜き』と『ひっつけ』を繰り返すことができるのか!?」
勿論、シガーボックスは空中に投げて地面に着くまでに技を決めなくてはなりません。
当時の僕の腕前では、『中抜き』『ひっつけ』『中抜き』『ひっつけ』までが限界でしたが、
この可能性に気付いた時、
目の前に、それまでのジャグラーの誰もたどり着くことができなかった未知なる技が見えたことに
とても興奮した記憶があります。
そして、他の人の目から見ても、『中抜き』『ひっつけ』『中抜き』『ひっつけ』と
4つ空中で技を一気にやる技は凄く見えたようです。
後輩「それで? その技の名前はなんていうんすか?」
竜半「それじゃ、『竜半スペシャル・レインボー』で(笑)」
後輩「だせぇ(爆)」
受け狙いでつけた名前であったと記憶しています(笑)
ところで、今でこそこのシガーボックスを「一番得意」と言えますが、
JJF2000に参加した頃は、メインで行っていたのは「バウンスボール」と呼ばれる、
床に跳ねさせてジャグリングをするという道具でした。
JJF2000では、バウンスボールが7つができたのは、
おそらく体育館の中では僕だけだったでしょう。
ところが、JJF2000のゲストだったショーン・マッキニーには、
僕のバウンスボールは見向きもされませんでした。
一方、シガーボックスをやったところ、ぼそっと、一言だけでしたが、
“Oh, nice.”
と、驚いたような反応が返ってきました。
なるほど、バウンスボールを7つできたのは、確かに会場の中では僕一人だけでした。
しかし、世界を渡ってきたショーン・マッキニーに言わせれば、
7つの跳ねるボールを続けるだけなど、たいして珍しいものでは無かったのではないかと。
しかし、ショーン・マッキニーをもってしても、
僕の「オリジナル技」は見たことが無かったのでしょう。
このことが、僕の大きな自信につながりました。
この頃から、僕のシガーボックスに対する入れ込みは大きくなっていきました。
ちなみに、『竜半スペシャル・レインボー』というダサい名前の技ですが、
その後『竜半’s レインボー』と名前を変え、
恐ろしいことに、全国に広まってしまいました。(Googleで検索しても出てきます。)
受け狙いでつけた名前だったのに、こんなに広まってしまうとは……
それ以来、自分のオリジナル技に名前をつける時は、慎重になっています……(笑)