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大きくて、カラフルな家を見つけた。
屋上に木が沢山生い茂っている、なんとも珍しい家だ。
一体どうなっているのだろう?
私は不思議に思い、住人の方に声をかけて屋上を見せてもらおうと思った。
玄関から声をかけてみるが返事はない。
聞こえていないのかな?
私は大きな声をだすのが苦手だが大きな声でもう一度声をかけてみた。
すると上から返事がきた。
『はい!どうかしましたか?』
私は屋上を見たい事を伝えた。
『どうぞどうぞ!はしごを昇って来てください。』
はしごを一つ登ると、そこはまるで森のようだ。
赤い実がたわわに実っている。
もう一つ昇ると、そこに住人の方がいた。
『初めまして!私は加持津 実と申します。この果樹園のオーナーです。ゆっくりしていってくださいね!』
私も簡単な自己紹介をした。
『ほ〜ほ〜なるほど。家を探す旅ね〜。いいね〜そういうの好きだよ私。私もこの家を見つけた時はビビッときたもんだ。
果樹園するきゃないってね!見てこのくぼみ!植えるっきゃないでしょ!』
私はフンフンと頷いておいた。
『ここ見て!この間植えた種が芽を出したのよ。かわいいだろう。早く大きくならないかな〜。楽しみだね〜。
あっ!そうだ、うちで採れたアップル持っていきなよ!ちょっと待ってて!袋に入れてきてあげるから!』
そう言うと彼は下に降りて行った。
私も下に降りて家の前で待っていると、両手に袋一杯のリンゴを持って彼が家から出てきた。
『少ないけどこれ持っていきな!』
私はこんなに沢山いただけないと、お断りした。
『遠慮しなさんな!家が決まったら近所に配りな!親戚や家族にも忘れずにね!』
そう言うと私の手に二つの袋を持たせてくれた。
私はありがとうございますとお礼を言い、ヨタヨタと歩き出した。
早く家を見つけなくちゃ…