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こんばんは、酒井孝祥です。
結婚披露宴には、新郎新婦の入場に始まり、新郎からの謝辞、お開きまで続く、一連の進行があります。
そして、宴席の進行と同時に、一連の流れにおいて、もう一つ進行しているものがあります。
それは料理です。
稀に、料理がビュッフェスタイルで用意されることもありますが、ほとんどの場合において、和洋中いずれかのフルコース料理でのサービスとなります。
その中でも、特に多いのは、フランス料理のフルコースかと思います。
今回のテーマは、フランス料理のフルコースを想定しての、料理の進行と司会の進行についてです。
会場のスタイルによっても異なりますが、おおよそ、以下の様な流れで料理がサービスされます。
乾杯酒
(大抵、シャンパンかスパークリングワインが注がれます。グラスに注がれたときの泡立ちも綺麗なものです。なお、製法は同じでも、フランスのシャンパーニュ地方で作られた発泡性ワインをシャンパン、それ以外の場所で作られたものはスパークリングワインと呼びます。)
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ファーストドリンク
(乾杯後に、ゲストのオーダーに合わせて最初に用意される飲み物。ビールやウーロン茶の二者択一で伺う会場もありますが、基本的にその宴席で用意されているドリンクの中で、何でも好きなものを頼めます。)
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オードブル
(前菜。食欲をそそることを目的とし、量が少なく、塩味や酸味の強いものが多い。サラダ仕立ての料理や、魚のマリネ、生ハム、魚介のムース、フォアグラなど。)
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パン
(バスケットに入ったパンを、ゲストが手づかみで取るか、トングでスタッフがサービスします。種類を選べる会場もあります。基本的にその後のおかわりは自由です。)
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スープ
(カップに入った状態でサービスされることもあれば、先に空のカップだけが撒かれ、チューリンと呼ばれる器からスタッフによってスープが注がれることもあります。)
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白ワイン
(この後の魚料理に合わせて白ワインがサービスされます。)
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ポワソン
(魚料理です。結婚披露宴だと、おめで鯛の鯛料理が出てくることが多いです。)
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グラニテorソルベ
(魚料理の後のお口直しにあたる氷菓子です。決してデザートではありません。)
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赤ワイン
(この後の肉料理に合わせて赤ワインがサービスされます。)
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ビアンド
(メインディッシュのお肉料理です。先に肉が出されて、後からソースサービスがされることもあるので、早まって食べないよう注意。)
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デザート&コーヒーor紅茶
(会場によっては、デザートビュッフェの形式で用意されることもあります。)
基本的に、1つの料理を食べ終わったら、それを下げて次の料理を提供するわけで、披露宴の様に、お客様が席を立って移動する機会の多い宴席においては、料理の食べ足が遅く、料理の進行は停滞しがちです。
しかし、乾杯と同時に料理がスタートし、コーヒーのサービスまで完了しなければ、新婦の手紙から始まる“結びのセレモニー”に移れません。
料理の遅れで宴席全体を遅らせるわけにもいきませんので、やむを得ず、前の料理がまだ残っていても、テーブルの空いているところに次の料理を置いたりします。
そうやっているうちに、テーブルの上がぐちゃぐちゃになってしまうこともあります。
僕の主観ですが、料理の流れと司会の進行の流れがシンクロすると、宴席自体がしまる感じがします。
具体的な例を挙げると、新婦が中座し終わったらオードブルの皿を下げ出し、スープのサービスが終って一息ついたら、スクリーン映像が始まって、映像が終ったらスープの皿を下げ出す。
ポワソン(魚)を全ゲストに出し終わった後でお色直し後の新郎新婦が再入場し、キャンドルサービスなどで新郎新婦が会場内を回っている間には、グラニテを出し終える。
要は、新郎新婦であったりスクリーンであったり、ゲストが何かに視線を集めているタイミングでは、極力サービススタッフがテーブルとテーブルとの間を動き回らないことが理想的です。
そのためにもスタッフはスムーズにサービスを行なう必要がありますし、司会者も、「どうぞ、お料理が温かいうちにお召し上がり下さい。」などと、ゲストに食事を勧めるようなコメントを行ないます。
司会のコメントで重要なことの一つに、乾杯の後に、スタッフがファーストドリンクを伺う前にゲストが写真を撮りに行くことがないよう、乾杯したら「スタッフよりお飲み物をご用意させていただきますので、お席にてお待ち下さい。」などと言うことがあります。
これを言うか言わないかで、サービスのスタートダッシュが大きく変わります。
かく言う酒井は、もともとサービススタッフとして結婚式場で働いていたため、自分がサービス側だったら言って欲しいコメントを沢山言うので、会場のキャプテンなどからいつも喜ばれております。
次回は、「殿中!!」(古典芸能)をテーマにしたコラムをお届けします。