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こんばんは、酒井孝祥です。
皆様に、早めに僕のことを知っていただきたいという思いから、スタートダッシュはハイペースで更新させていただいております。
バレエは西ヨーロッパで発生し、ジャズダンスはアメリカで生まれました。
日本の俳優の養成所でそれらがレッスンの一貫で取り入れられていることは珍しくありませんが、日本舞踊を教える養成所は非常に少ないです。
日本の養成所なのに、外国の踊りは教えて日本の踊りを教えないことに矛盾があるかもしれませんが、理由はいくつか考えられます。
理由の一つに、日本舞踊に限らず、そもそも日本の古典芸能は、師匠とマンツーマンで稽古を行うということが挙げられるかと思います。
複数の生徒に対して一人の先生が教えるのは、本来のスタイルとは異なるため、養成所のレッスンの形態には合わないのかもしれません。
養成所で教わる機会がなかったけれど、着物を着たときの所作を身につけるために日舞を習いたい俳優や、俳優でなくとも、趣味として日舞を踊りたいと思う人は、まず「一体どこへ誰に習いにいけば良いの…?」という疑問にぶつかるかと思います。
酒井の場合は、劇団の研究所で教わった先生にそのまま弟子入りしたため、迷う必要もありませんでしたが、何も知らない人にとっては、色々な流派の先生がいて、どの苗字の先生に習うのがよいのか、見当もつかないかと思います。
日本舞踊の先生の中には、特に募集広告なども出しておらず、その先生やお弟子さんなどと接点がなければ、通うきっかけが得られない先生もいれば、習い事の雑誌に募集広告を出していたり、カルチャースクールの授業で教えている先生もいらっしゃいます。
大々的にお弟子さんを募集していなくても、ご自身のホームページなどに募集要項を掲載している先生もいるかと思います。
そうしたお稽古場の情報をピックアップした上で、他の習い事でも共通した当たり前のことですが、まず重要なのが、場所と時間の条件が、自分の生活スタイルで長期に通うことが出来るお稽古場を選ぶことでしょう。
先生によってやり方は色々違いますが、昔ながらのお稽古場のスタイルだと、月に何回かお稽古日があって、病院の待ち合い室のごとく、お稽古場についた順番で一人づつ稽古していくことが多い様です。
自分がお稽古場に到着した時間の混み具合によって、すぐに稽古が済むこともあれば、待つこともあります。
それ以外にも、完全な時間予約制で行なっているお稽古場もあれば、ダンスなどと同じ様に、決められたレッスン開始時間に始まって、先生一人に対して複数の生徒が教わる形態だってあります。
場所や時間の都合がクリア出来たら、何流のどの先生に習うべきかという問題が出てくるかと思いますが、もともとなんらかの理由で“○○流が良い!”“○○先生に教わりたい!”というこだわりがなければ、ご縁で出会った先生に教われば良いのではないかとも思います。
流派が変われば、同じ曲でも全く振り付けが変わりますが、習っていない時点で、どの振り付けが良いかなんて、判断のしようがないでしょう。
もし流派や先生から選ぶのであれば、好きな歌舞伎俳優さんと繋がりがある流派を選ぶとか、お芝居やドラマなどで、俳優への所作指導を行なっている先生を選ぶという方法もあるかと思います。
あとは、もしちゃんとした衣装をつけて、大きな舞台に立ちたいなどと考えているようであれば、どのくらいの頻度で会が行われるかを事前に確認した方が良いかもしれません。
いずれにしても、お稽古は続けることに意味があると思いますから、自分が長く続けられそうであることを最優先に考えるべきかと思います。
次回は、「歌舞伎入門“勧進帳”」をテーマにしたコラムをお届けします。