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2012/09/24

皆さん、おはようございます。
おかげさまをもちまして、魔笛、無事終了致しました。
関係者の皆様、ご来場下さいましたお客様方、
まことにありがとうございました。

・・・というお決まりの文句はこれくらいで切り上げまして、
ふと思ったことを書かせていただきます。
これまで魔笛という作品に、やはり十八番の一つ、
フィガロと同様に、多く関わらせていただきました。
フィガロもそれなりだったものの、
魔笛にはさらに色々と思い出があります。

まず、オペラのソリストデビューは魔笛でした。
江東区省エネオペラで、1997年にモノスタトスでデビューしました。
デビューした作品、という意味でも思い出深いものですが、
そこでの出会い、別れ、葛藤など、
デビュー公演に限らず、その後参加した公演でも、
あれやこれやと思い出の数々を作ることになりました。
他の作品には、これほど多種多様な思い出がありません。

もちろんフィガロも数が多いだけあって、
それなりに思い出はあるものの、
出来事の濃さや多さにおいて、
魔笛を超えることはできません。
魔笛だけがなぜか特別なのです。

考えてみると、思い出の数々の中で、
最高の思い出は魔笛にはないような気がするのですが、
最低最悪の思い出は魔笛にあります。
思い出すだけで自己嫌悪してしまうようなことが!
そんな経験によって培ってきたのが、
私のモノスタトスなのです。

バジリオなどでも自信はありますけども、
自分の録音を聴いて自画自賛を臆面もなくできるのは、
間違いなくモノスタトスただ一つです。
ボリュームとして、私は大声持ちではないので、
実際にそれは難しいでしょうけども、
質の話だけさせていただくと、
世界4大歌劇場に持って行っても、
決して恥ずかしくないことが出来ると思います。

笑われるかもしれませんが、
平然とこんなことを書けるような関係なのですよ、
私とモノスタトス、というのは。

さて、色々思い出の多い魔笛と申しましたけど、
自分の出会いや別れもさることながら、
他人様、つまり共演者同士の出会いや別れについても、
色々と目の当たりにすることがありました。
中には、私の出た魔笛で知り合い、結婚したが、
つい先日、週刊誌にその片方が出ていて、
別の人間と結婚していた、
つまり、魔笛で結婚した相手とは別れていた、
ということがわかったこともありました。

こんな風に色々見ていますと、
ふとこういうことも考えてしまいます。
魔笛に限らず、私が企画して、振ったり演出したり、
指導的立場で参加した公演で知り合って、
付き合ったり結婚したり、ということもあるだろうが、
その逆、つまり参加したために別れてしまった、
仲たがいしてしまった、という人もいるかもしれない。
そんなことがあれば、心が痛むなあ、責任を感じるなあ、と。
私がこんな企画をしなければ、別れなかったかもしれない。
私がネガティブすぎるのかもしれませんが、
ふと、あるものを見てそんなことを考えてしましました。

2012/09/24 01:41 | bonchi | No Comments