« | Home | »

2010/11/04

20101103104207.jpg

ご覧の画像。たこ焼き(画像では伝わりませんが、焼きたてアツアツ)がレジ袋に入っている

何の変哲もない、ただたこ焼きの入った袋があるだけの画像。そう思われると思います

ところが、この画像には大変大きな悩みが隠されているんです。

かなり以前のコラムにも書きましたが。パックにしても、レジ袋にしても。数十・数百という膨大な種類があり

その中からいくつかを選び、何度も試作を作りながら実際の工程を繰り返し

たこ焼きの大きさとの関係・耐熱性・作業のし易さ・仕入れのし易さ・保存及び管理のし易さ・価格、などなど

値段が高ければ使い易いかというと、決してそうでもなく。それぞれに特色があり、実際使ってみないと解らない事が沢山あるので 

いろんな事を考慮し、最終的に『コレだ!』って商品を決め、大量に仕入れる訳なんですが

開業当初から、一旦価格が下がるも。ある時期を境に、仕入れる度に価格が上がり

とても頭の痛くなる時期が何年も続いていたのですが、ここ数年は比較的安定(とはいっても、まだまだ高い)している状態で

安心しながら仕入れをしていたのですが

いつものように業者さんから、これまたいつものように、いつもの商品を受け取り、いつものように使おうとしたら・・・

微妙にパッケージの柄が変わっていて。使ってみると、これまたあきらかに今までと違う感覚

パックを入れてみると、ちょっと窮屈 

よくよく見ると、大きさが変わっていた。その違い、僅か10ミリ

業者さんを通して、メーカーに問い合わせをして貰うと『今までの商品はもう作っていなくて、新しい商品に切り替えました』

との事。たかが10ミリとはいえ、その事によって作業に少なからず支障がでるのはマズイ

メーカーからすれば、10ミリ大きさを小さくする事でも。1ケースで数円、もしくは数十円のコスト削減になり

それが、数千・数万ケースとなれば。メーカーとしては膨大な金額のコスト削減になる。

梱包資材というのは、絶えずコスト削減の対象とされ。日々改良&進化を続けている

つねに大量に消費される、缶ジュースやペットボトルの容器などは、0,1グラム、いや、正確にはもっと細かい数値での改良が続けられ。軽量化への努力は並大抵ではなく、その上で強度は今までの水準を維持しなくてはいけない

容器に使う資源を少なくしつつ、強度を維持する。そして、価格も抑える。とても大変な事だと思う、うん

大変な事は解るんです、このご時世ですし。

でもねぇ~、いきなりの変更ですもんね。しかも数千枚も仕入れちゃってるし

すでに作っていないとはいえ、今の資材が使いにくくなっているのは事実なので。またいろんな資材の情報を集め

一つ一つサンプルを取り寄せ。サンプルがない物に関しては実際に仕入れをして、使い勝手を見ないといけない

これから徐々に寒くなり、忙しさもハンパじゃない。

正直、面倒。

でも、ちゃんとやんなきゃいけないんだよね。

これが、たこ焼き関連の専門業者さん一手で資材や食材を仕入れていれば、このような手間は掛からないんだけど

資材だけでも数社、食材に関しても北海道から大阪まで、多数の業者さんから仕入れ

コレはココ、コレに関してはココの業者さんのがいい。と、一つ一つ選んでいる為

もしもその業者さんが規格を変更したり、製造を中止したりすると、大変な事になる。

実は、今までもそういった事が何度もあり。一番堪えたのが、数年掛けてようやく見つけた納得のいく食材があって

しばらく使っていたんだけど、突然業者さんから『最近倒産しちゃったんで、もう仕入れる事はできないんです』って

そこは、ずっと昔ながらの製法でやってて。かなり手間も掛けていたんで効率は悪いし、価格も決して安いとはいえない

やはり、大手メーカーの安い商品には敵わなかったんだと思う

全国各地から何十種類と仕入れ、その中でようやく巡り合えた食材でした。

こだわればこだわる程、そのモノを失った時の絶望感というか

『なんでこんなにイイ物が無くならなきゃいけないんだ・・・』という、悔しさも込み上げてきます

その後、昼間の空いた時間は電話帳を開き、営業後の深夜にはネットを検索。そして、何とかその商品に近いモノを探す事ができました

どうせなら、今まで以上のモノを作りたいと思い。生地をイチから見直し、仕入れ先も改めて見直す事になり、膨大な時間と手間が

そして、開業当時からずっと探し続けているモノもあり。納得のいくたこ焼き作りはまだまだ道半ば

移動販売を初めて約10年

たこ焼きを焼き、販売をしている姿しかお客様は見る事ができないので。”仕事”といえばその場面を思い浮かべると思いますが

実は、販売をしてる姿というのはほんの一場面でしかなく。全く見えない所での仕事の方が、実は重要だったりします

業者を探し、資材と食材をちゃんと仕入れ、粉を作り。その為に使う器材もしっかりと手入れし。伝票などの管理もしっかりとして

出店先を探し、その上でやっとお店を出す事ができ。お客さんと接する事ができるんです

今回、中国がレアアース(希土類)の輸出を規制しましたが。食糧に関しても、この国は輸入に頼らなければ殆どの外食産業が成り立ちません

資材にしても、食材にしても。いつまでも安定して仕入れができる保証はどこにもありません。

こんなに小さい軽自動車のたこ焼き屋なので、ウチが世間に与える影響は全く無いにしても

世界情勢や経済状況には絶えず振り回され、いつ吹き飛ばされてもおかしくない状態で

たった10ミリの事で、あれやこれやで悩んでしまう次第です。

他にもまだまだ解決途中の悩みはありますが、寒さも徐々に増し日々忙しくなってきます

頭を使う事よりも、その時間を少しでもたこ焼きを焼く時間に費やしたいのですが・・・

2010/11/04 12:08 | shimizu | No Comments