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近所の小さな動物園で移動水族館をやってきた。結果的には大成功だった。
以前、とある子ども美術館でエラソウに講演をした時、動物園の職員Kさんと出会う機会があってそこで意気投合して話が進み、実現したイベントである。Kさんは情熱的な熱血人で、生き物への優しさを持ち合わせた方で、こちらもコーフンしてすぐに「やりましょう!すぐやりましょう!今やりましょう!」ということになった。
で、具体的に何をやるかっつーと、海のない市の小さな動物園に小さな水族館から海の生き物を持って行き、お客さんに触れ合ってもらう。逆に、次は動物園のない市の小さな水族館に動物園から動物を持って来てもらい、お客さんに触れ合ってもらう、というものだ。
サメ、エイ、ヤドカリ、カニ、ヒトデ、ウニ、ナマコなどなどをトラックに載せて持っていく。
実際やろう!っと言ったはいいが、場所ややり方はいろいろ問題があって、メールで何度もやり取りしたり、お互い現地に出向いて打ち合わせをしたりで、忙しかったが動物園の方々はみんなイイ人たちばかりで、知り合いになれるのが嬉しかった。
動物園の飼育員というと職人気質で、動物とは話せるが人間と話すことはまずない、常に冷静沈着、怒らすとチンパンジー的に奇声を発する、リンゴの皮をむくのが早くてうまい、などなどの諸問題を抱えた人々だと勝手に思い込んでいたが、出会ってみるとみんな優しくて生き物思いですぐに仲良くなれた。
向こうも、水族館の人というのはいつも口がコイ的にパクパクしていて視野が魚眼で、エラで呼吸して、乾燥に弱く、水質の急変で簡単に死ぬ人、と思っていたようだが、ウチのスタッフはそんなんじゃないぞ。毎日事務所でカキ氷をかいていて、その日のアシカショーの担当をあみだくじで決める人々なのだ。
ウチが動物園に出向くのが先攻で、後攻として秋に動物園が来てくれる。先攻だから楽だ、と安心して出向いたら多くのスタッフさんが配置についてくれて大勢で準備を手伝ってくれた。おぉ、すまぬすまぬ、、、といいつつほとんどの準備をしてもらった。すまぬすまぬと言いつつ始めると、参加者の数をカウントしてくれたり、マイクを用意してくれたり、とお手伝いがハンパなく、すまぬすまぬと申し訳ない感じ。昼には弁当もお茶つきで出してもらって、大変なおもてなしに、ウマイウマイと弁当を食った。いつもは屋外で、そこで勝手に準備して勝手にやって勝手に帰って、というテメェが呼んでおきながらの勝手にやってスタイルで扱われることが多いのに、今回はエアコンの効いた広い部屋で万全の体制でやれた。
大盛況で終えることが出来た。
いつも近所でやると、カニをつかんでどこかに誘拐したり、ヒトデを手裏剣にして忍者になったり、サメのしっぽを持って振り回したりする悪い子がほとんどで、…殴ってやろう、本気で殴ってやろう、コメカミのあたりがいいか、後頭部がいいか、いや、平手でほっぺたにいくか、、、っと悩むことが多いが、みんなお行儀がよくてしっかり生き物と激しく交わって、400人くらいが親子もろとも大満足で楽しんでくれた。
動物園の担当者の方も、こんなに盛り上ったのは予想外!っと予想外に喜んでくれてよかった。
今月もう一回、動物園に出向いて、秋には水族館に動物園が来る。十分な準備をして、おもてなしをしなければ。。。弁当は何を出してあげたらいいだろうか。