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2012/07/14

このコラムが告知通りでなく、すいません。
さて、今回は自然災害のリスクと恩恵についてです。
火山および火山灰についての自然災害については、以前ご紹介させていただきました。
今回は、火山および火山灰の恩恵についてです。

さて、火山の1番の恩恵は何と言っても温泉でしょう!
♪いっい湯だっな~、あははん♪
火山地帯の近くには温泉があります。
ですので、日本にはたくさんの温泉があります。
休日に家族や友達と温泉へ訪れる人も多いかと思います。
私自身も、フィールドと偽って温泉へ入りに行ったり…
いや、ちゃんと試料採取も行いますよ(笑)

さらには、温泉に入っている時に見えるあの景色。
大自然の美しい景観です。
これも温泉の醍醐味ですね。

さて、次の恩恵は熱資源です。
もっとも聞きなれているのは地熱発電だと思います。
地熱発電とは、地熱を利用して発電を行うシステムです。
エネルギー源として利用するのは主に火山活動によって生じる地熱です。
地熱発電は、主に火山のマグマを利用します。
エネルギーの採取や発電設備建設の場所がおのずと限られてきます。
通常は地下にたまったマグマの熱エネルギーによって、自然の水が高温の水蒸気に変わります。
それをボーリングによって取り出し、高温の水蒸気を使って発電タービンを回す仕組みです。
と、まぁ、難しい話はここまでです。
一言で言うと、火山があるから発電できるというわけです。

鉱物資源も忘れてはいけません。
ここで言う鉱物資源とは、有用金属をさしています。
火山を形作るマグマに金属元素が含まれているためです。
この金属元素は金属鉱床を形成します。
しかし、どのようにしてマグマの中の金属元素が鉱床を作るかは分かっていません。

上記の3つは、火山活動にともなった恩恵です。
今からは火山灰による恩恵です。

1つは降り積もった火山灰の土地。
火山灰も、“年月”がたてば野菜の栽培に適した土地になります。
このような土壌で育つ野菜は、桜島ダイコンがいい例ですね。
ただし、水はけがよすぎるために稲作には不向きな上に栄養分も乏しいです。
以前のコラムで書いたように、噴火した直後(この場合は数百年単位)は全く農耕には向きません。

また、火山灰や軽石が固まった凝灰岩は石材として用いられます。
コンクリートの骨材といても利用されます。

さらには、火山灰を含む洗顔料も販売されています。
この商品を知った時、私は非常に納得しました。
私は実験で火山灰を手で洗うことが多かったのですが…
この作業を行った後、本当に手がスベスベのツルツルになるのです。
他の仲間ともよく話題にしていました。
※商品の注意事項にも書いてありますが、眼に入らないように注意して下さい。
以前のコラムに書いたように、火山灰には火山ガラスという“ガラス”が入っているということです。
火山灰に含まれている火山ガラスは、時が経過しても尖ったものも含まれてしまいます。

日本には火山の周辺に多くの人々が生活しています。
また、美しい景観・温泉などを求めたくさんの方が火山を訪れます。
周囲に火山がなくても、私たちの生活には火山灰を用いたものも溢れています。
しかし、火山への理解は必ずしも十分ではないことも事実のように思います。
これらについて少しでも正しく理解し、災害を出来るだけ小さくし、これらの恩恵を受けていきたいものです。

2012/07/14 04:09 | sayaka | No Comments