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先日、久しぶりに風俗嬢時代のお友達と電話しました。
そこで聞いた話が結構面白かったので、本人の了承を得て今日は彼女の話を
書きたいと 思います。
(ちなみに名前などはプライバシーの観点から源氏名を一部いじって使っています)
ユリちゃんは23歳で風俗デビューし、今年で6年目になるベテランです。
昔から親御さんと折り合いが良くなく、高校卒業と同時にフリーターとして都内に
出て きたユリちゃんは、私と同じくスカウトで風俗の世界に入りました。
最初のきっかけは「とにかくお金が欲しかった」と語るユリちゃんですが、
スカウトされ たヘルス店でしばらく務めた後、都内でも老舗のSMクラブに移る
ことになります。
「SMってホントにハマると面白いんだよね」
「ハマるってどんなふうに? てか、危ないよね?」
「それはちかちゃんがエム嬢だからだよ」
ユリちゃんとお友達になってすぐに、わたしたちはこんな会話をしたように
思います。
ユリちゃんのいうように、そしてわたしが不安だったように、本格的なエム嬢には
かなり リスクが伴います。例えばプレイの最中に縛ったりするので肌に跡も付き
ますし、痣が 出来ると言うこともありますし、また、極端な話だとギャグボール
(猿轡の一種)を噛ん でいるため心ないお客様に妊娠させられたという話も聞きます。
が、ユリちゃんは根っからのS嬢。 女王様は奴隷であるお客様の被虐趣味を満たして
あげることがお仕事なので、そういう危 険はまったく感じたことがないというのです。
むしろ、エスカレートするお客様に怪我をさせないよう、加減するのが大変なのだとか。
いくらSM愛好者と言っても、お客様にはお店を出れば社会的な生活がありますので、
痕跡を残さないようにお帰り頂くのがユリちゃん曰く「プロ」なのだそう。
女王様は、でもかなりの勉強を強いられるそうです。 音が派手でも間違っても
蚯蚓腫れなどを作らない鞭の扱い方や有名な亀甲縛りをはじめと する数々の
縄の扱い方、お客様の被虐趣味を満足させるだけの高圧的な話し方。
先輩の女王様にそれこそ罵倒されながら、本やネットで練習したというユリちゃん
ですが 今ではその甲斐あって御指名のお客様で出勤日はほぼ全部予約で埋まるとのこと。
「そろそろ別な仕事しなきゃとは思うんだけどさ、でもあたしに罵られたいってお客
いる間は続けたいんだよね」
電話越しにユリちゃんはそんな風に笑っていて、なんか凄いなあと普通に感動して
しまい ました。
風俗はお客様も風俗嬢も、基本的に1対1の裸のお付き合いをする場所です。
だからこそそこでの秘密は守られるし、安心して自分をさらけ出すことができるのだ
なあ、 と充実している様子のユリちゃんを見ているとしみじみと実感するのでした。