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皆さん、おはようございます。
今度は「カルト国家」ということについてです。
イスラム系を除いて、おおよそ「カルト国家」と言われる国というのは、
社会主義とか、共産主義というような看板を掲げている国が大半です。
日本人はこれらの主義に対して反感を持つ傾向がありますが、
その宣伝するところの内容は、実現すればかなり理想的なものです。
例えば共産主義、中でも「高い段階」と呼ばれる共産主義・・・
ただ、後で「主義」という状態の無理さ加減を説明したいので、
ここでは共産方式と呼ばせてもらいますが、
共産方式というものは、こういうものです。
「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」
極めて理想的にこの方式が機能した場合、
不可能でない限り、みんなが能力に応じて、
おそらくは今よりも短時間、例えば1日4~5時間働き、
欲しいだけの食料を受け取ることができる、ということになります。
少なくとも、この状態が達成され、維持されることについて、
何の文句もないと思います。
しかし、この「高い段階の共産方式」が達成、維持されるためには、
少なくとも次の3つについて、解決される必要があります。
まず、「人々の欲求を満たし得る資源、物資が確保されること」
残念ながら、今の人口ではここからして無理難題です。
現在の平均的日本人の生活水準を、
世界の全員が享受しようと思ったら、
地球が3つか4つなければ、とてもじゃないけど供給できないそうです。
しかるに現状はどうか。
たかだか一発の地震と津波で原発に支障をきたし、
電力供給が云々、と騒いでいるような状態で、
そんな資源、物資が確保できるとは誰も思わないでしょう。
では仮に、資源や物資は確保できたとします。
次に解決すべきは「人間の怠惰さ」です。
実際に社会主義国で起こってしまったことを考えればいいでしょう。
平等にもらえる、ということが定着してしまうと、
働かなくてももらえる、ということに繋がり、
人が怠惰になると、生産が落ち、国力はなくなります。
すると供給不可能になり、共産方式は崩壊します。
仮にそれも克服できたとして、
最後に人間の、本能ともいうべき欲望が邪魔をします。
「他人より優越したいという欲求」です。
悪いことに、怠惰でない人ほどこの欲求は強いものです。
これが、「弱肉強食」であり、「差別」へと繋がるのです。
ここでまず前回の「差別好きな動物」というところへリンクします。
以上が、人間と、人間を取り巻く環境の現状分析です。
次回は「主義」ということを考えてみましょう。