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2012/04/01

こんにちは。根本齒科室の根本です。

今年は2年に1回の、保険制度改訂の年です。
月末に行われた保険制度改訂の説明「集団指導」(3月28日、勝田)に逝ってきました。
佐貫から勝田(⇒日工前)までの道のりは、かなり遠く感じられたのですが
道中ちょっと(自分だけ?!に)うれしいサプライズがありました。

今回の改訂は、「やるやるといって、やらない」でした。あまり変わっていない…
(これは「私たち市井の開業歯科医にとっては」ということです。)

あと、(一部ですが)インプラントが保険適応になりました。

「おっ!これはよい」
「保険が利かなくて高額なので二の足を踏んでいたけど、よし!」

…まあ、少々お待ちください。
これらについて、説明します。
また、「インプラントが保険()」になった!※ この言葉のニュアンスが
じつは、今回の改訂の意図を暗示しているのかもしれません。

◆ そんなことより

ちょっと見てくださいよ、コイツ!
キハ20━━━━(°Д°)━━━━!!!!

ですよ。何でおまえがここにいるんだよ?ちょっと嬉しいじゃんwww

床は木、木ですよ。しかも昔の教室のようななワックスと排気ガスの怪しい香り。
通路側の、シート角の「丸い」手すりが、もう、素晴らし過ぎて何とも言えないです。
ヱアコンなんて無粋なモンは、存在すら許されない、まさに昭和のカットオフです。
御存知(?)DMH17Hエンジンは、那珂湊方向の床下に1基。当然その真上に座ります。

このロングシートの下の市松模様の鉄板、コレみただけで来た甲斐があったです。
ほら、推定50代~含むヲタが3人カメラ片手に楽しそうに(写さなかったけど)
しかし残念ながら、日工前までは1駅。当然直結段に進段するはずもなく、
せっかくの官能サウンドもちょっとだけ、ほぼ惰行のまま着いてしまいました…

おまちかねの「インプラントが保険()※」の件は、もう少し先に書きますね。

◆ 総論~私の立場から見た皆保険

TPPの議論が起こってから、にわかに「皆保険を守れ」という声が高まっています。
もちろん私も TPP 皆保険維持に賛成です。
ちゃんと「国民皆(米国民間医療)保険」にならないように、国家で守れと思います。

保険や介護は、年金やベーシックインカム、○○手当てのような「所得移転」と異なり
「消費/政府支出」⇒「内需」なので、名目GDP(消費+投資+政府支出+純輸出)増大になります。

「税と社会保障の一体改革」という言い方は、所得移転と消費/政府支出を混同しているので
誤解を生みやすく、ややふさわしくないと私は考えます。むしろ
「増点[政府支出]」「負担率低下(3割⇒2割など)[消費喚起]」
を併せて行い、デフレ脱却とともに財政健全化の意味からも名目GDP増大に努めるべきです。

(税率ではなく)名目GDPが税収と非常に高い相関があるからです。

とくに医療業界にはさんざん批判の多い小泉構造改革。このときには
「減点[政府支出抑制]」「負担率上昇(2割⇒3割など)[消費抑制]」
と、真逆の政策が行われました。

小泉時代は、「金融緩和」はしましたが「緊縮財政」でした。

デフレ対策⇒「金融緩和」「政府支出」
インフレ対策⇒「金融引き締め」「緊縮財政」

なので、デフレ脱却の観点からは、アクセルとブレーキを同時に踏んでいた感じです。
これでは、家計⇒企業への所得移転といわれても仕方ありません。

そのような「堅調な内需」「GDP上昇」の意味でも、皆保険はしっかり政府支出で
守っていくことは、いいことなのではないでしょうか。

◆ ~歯科の現場と保険点数・制度

しかし、現場サイドの内情は、かなり複雑です。

【点数】

以前は私は、「現金給付」論者でした。現状のような現物給付だと

◇ 診療行為・材料そのものが制限される
◇ 月末のレセプト提出が面倒だ

というものです。

現金給付なら、行為や材料は縛られませんし、月末の「レセプト」は患者様が出してくれます。
(「レセプト」を支払機関に提出すると、治療費分が還付されるイメージ)

これは医院は楽です。不正請求とか二度と言われないしwww

患者様にはわかりにくいのですが、保険診療は、それぞれの行為が
非常に細かい点数で決まっています。

 ちなみに、1点の治療をすると、1点10円なので、3割負担の場合は
 3円を窓口で払い、7円は保険者が肩代わりしてくれる形になります。しかし

◇ 点数そのものが細かい
◇ 分類が細かい

のです。

では、ごく簡単な例で、前歯の型を取って差し歯を作るときと
奥歯が1本ないときに両サイドを削って型を取ってブリッジを作るときの
2例をご紹介します。それぞれ2日分です。


前歯の差し歯(点数)

再  診 40
(金属芯) 188
歯を削る 636
型を取る 62
上下関係 16
仮  歯 30
仮歯セメント 4
 合 計  976

再  診 40
かぶせ物 1504
セメント 16
維持管理 100
 合 計  1660


奥歯のブリッジ(点数)

再  診 40
(芯前小) 188
(芯大臼) 237
歯を削る 166
歯を削る 166
型を取る 280
上下関係 70
補綴診断 100
平行測定 50
仮  歯 100
仮歯セメント 4
仮歯セメント 4
 合 計  1405

再  診 40
装着料金 150
小臼歯分 719
偽大臼歯 860
大臼歯分 824
セメント 16
セメント 16
維持管理 330
 合 計  2955

・・・!!

いかがでしょうか?高い・安いよりも
「細かい!」
というのが、第一印象なのではないでしょうか。まさに末期的細かさです。
なので、患者様に

「次回いくら位?」

とたずねられても、今まではなかなか即座に正確な金額を出すことが困難でした。
(今はすべてコンピューターソフトにまかせっきりです)

もうひとつ、188、636、1504など、桁が大きいのに1の位まで細かい数字
かなり多いことにお気づきかと思います。
これは、2年に1回、各項目で1~数点追加とか減点、あるいは細かな点数新設とか
統合(マルメ)などを何十年も繰り返した結果、このような複雑極まりないコトに
なってしまっているのです。

【加算・しばり】

◇ 歯管

「歯科疾患管理(歯管)(110)」という、月1回取れる点数があります。

これは、私が駆け出しの頃(2000年前後)は
「歯周疾患基本管理(P基管)(150)」「歯周疾患継続管理(P継管)(110)」と呼ばれていました。

もう忘れましたが、こういう細かいところの名称や適応、点数が、2年ごとに変わるのです。

歯管は4年前に、いろいろな種類の管理料点数をまとめるということで導入されました。
最初は歯管1回目(130)、歯管2回目~(110)でしたが、2年前に歯管(110)に統一されました。

なお、歯管は、条件が合わないと算定できません。

当初の歯管1回目には1ヵ月しばりというものがありました。
たとえば初診時が4月20日だとすると、4月30日までに歯管1回目を算定しておかないと
原則的に5月以降歯管2回目を算定できません。
ただ、5月19日まで(1ヵ月しばり)に2回目の来院があれば、そのときに歯管1回目を取れます。
ということは、4月20日⇒5月21日、などの来院で、4月20日に取り損ねていると、アウトです。

その患者様自体が、医院にとって『おいしくない』感じになっつぃまいます。

2年前には、微妙にルール変更が行われました。

たとえば初診時4月20日⇒5月21日でアウト(1ヵ月しばり)が、5月末(翌月末しばり)まで
緩和になりました。

でも、これでもポロポロと出るんです。

初診時4月20日⇒(キャンセルとか何らかの理由で延期)⇒6月1日 とかがwww
そういう意味では、私は『ダメな歯医者』です。

◇ 歯清

「機械的歯面清掃(歯清)(60)」という、2ヶ月に1回取れる点数があります。

これは2006年の改訂で導入されました。
当初は、「歯周疾患指導管理(P管)(100)」「歯科疾患総合指導(歯管1回目)(130)」を取ると
おまけとして、3ヶ月に1回取れました。

2008年に、ご案内の様に、歯管1回目(130)、歯管2回目~(110)に統合されて、
歯管1回目を取ると2ヶ月に1回、に短縮され、点数は60点に減点されました。
また、算定日付は、歯管1回目や歯管2回目~を算定した日と同日というしばりがありました。

2012年に、算定日付が、2ヶ月おきならいつでもよくなりました。

◇ パントモと歯周病検査

パントモとはPanoramic Tomography(パノラマ断層撮影)の略です。
現状総攬・概括には、このうえない良質の資料です。
また、歯科以外の病気のスクリーニングにも極めて有効です。

子供の場合は、矯正の時には精密検査費(自由診療)に含めて取ったりしますが
親がいい(後続永久歯の精査など)といわない限り、あまり取らないことが一般的です。

「パノラマ断層撮影(オルソパントモ型)(402)」という、初診時に取れる点数があります。

一般にパントモが取れる病名は、P(歯周病)かGelenk(顎関節症)か両側Perico(智歯周囲炎)です。
このうち、Gelenkと両側Pericoは患者様の主訴がないとなかなか取れません。
必然的に成人の初診の場合はP病名をつけて取ることになります。

しかしP病名をつけると歯周病検査(歯周ポケット・プラーク染め出しetc)が義務付けられます。

パントモでP病名をつけた場合は、P検(歯周病検査)をしないと、なんと、
先ほどの「歯管」「歯清」が取れません。

これが(P検しばり)です。

これは結構いるんですよ。

初診時に4月20日「部分的に腫れた」P急発病名、P病名でパノラマ撮影
⇒(腫れが引いて痛みが取れたので忘れたetc)⇒6月1日 orz
そういう意味では、私は『ダメな歯医者』です。

以上、1ヵ月しばり/翌月末しばり/P検しばり などについてごく簡単に説明しました。
(○○しばり の命名は、根本独自の名称です)

開いた口が塞がらない方、それ以上に何が何だかさっぱり分からない方も多いかと思いますが、保険制度は全部が全部、こんながんじがらめの規則の中で行われています。

卒後、現場に出て一番初めに徹底的に叩き込まれるのが、治療技術よりも、コッチですwww
そういう意味では、私は『ダメな歯医者』です。

◆ 今回の改正の重点項目

今回はとくに


①「周術期」(病院連携)
② 在宅(訪問診療)

などの、いわゆる老人優遇系重視の方向に進んでいます。


①「周術期」(病院連携)

「周術期(しゅうじゅつき)」

寡聞にして、はじめて耳にする言葉です。要は

入 院 し て が ん (とか移植とか心臓血管外科) 手 術 を す る 人

の手術前後の歯科治療に点数をつけるということです。

私の経験では、開業前に勤務していた、千代田ホワイト歯科(柏市)では、
近隣の慈恵病院から白血病の骨髄移植をする人の移植前の歯科治療、ということで、
ときどき依頼がありました。もう7年も前のことです。

そういう内容でしょうか。
なら無理に歯科医院に点数加算する必要を、あまりというか普通に感じません。
別にやることは普通の治療と変わらないのに、余計に取られる患者様が不利です。
そんなことしなくてもいいから、よっぽど(P検しばり)をなくしてほしいです。


② 在宅(訪問診療)

往診はうちはやっていないので、何の関係もありません。

往診は往診キットや往診車などコストもかかるし、要介護者や障害者などの対応等
歯科医院での健常者に対する日常診療とかなり異なる独特のスキルを要求されます。

このようなことは、街医者には一般的にかなり不得意です。

私はTPPには反対ですが、往診こそ集約化して「規模の経済」を生かす意義があると思います。
たとえば、県単位にして、市町村の役所の出張所程度の密度で往診センターでも作って
そこに専門勤務歯科医や登録衛生士などをある程度集約化して派遣する形のほうが、
診療の質の維持・平準化の意味でも、対応の的確さの面でも、よいのではと思います。

訪問看護ステーションなどにセンターでも併設して、在宅歯科衛生士を大幅に雇用して
常時活用できる体制も、検討の価値がありそうに思います。
こういうことを言うと「歯科医師の頭ごなしに」などという向きも一部ありますが
規制緩和はデフレの元ですが、業務独占系の規制にはある程度緩和余地はありそうです。
あるいは、ついでに代診(DDS)をパートで1人雇ってしまうとかwww

①②を全体的に見ると、やはり「高齢者」「医科/病院」に重点を置いている感じがします。

◆ インプラントが()※

では、さっそく、実際の資料から見ていきましょう。
集団指導で用いられた、

この資料の中からの抜粋です(傍線は根本による)。
なぜかベッドの上にあります。読むと瞬時に寝られるからですwww

要は、従来の「高度(先進)医療」と言っていた部分を保険に入れた、とういうことです。

「腫瘍」「顎骨骨髄炎」「外傷」

そうですね、一般歯科でおなじみの「むし歯」「歯周病」「義歯不適合」なんか
ありませんね。

「上顎洞若しくは鼻腔への交通」
これは悪性腫瘍でもない限り、そうめったにあるものではありません。

「区域切除以上の顎骨欠損」
交通事故とか、エナメル上皮腫/巨大嚢胞などの良性疾患でしばしば
このような状態になります。

いずれにしても、非常にまれな状態といっていいでしょう。

「病院であること」
残念でした。ウチらとかでは、無理ですね。

では次のページを見ていきましょう。

これ、はっきりいって、マズイです。あまりにも安すぎます。
下手をすると、相場破壊になりかねません。

たしかに、不慮の事故で機能と形態を失ってしまった方に対しては
最大限の手当てがなされて当然だとは思います。

しかし、「点数」をこれにしてしまうと、必ず起こるのが、内情を知らない方からの
「病院ではこんなに安いのに、一般歯科ではこんなに高い!」
「病院では3~4本で1万6千点なのに、なぜ根本の所は1本15万円も取るのか」
このような不満の声です。

この点数では、とてもではありませんが、一般病院は嫌がると思います。

「1顎一連」
1本じゃないのか!何度も見返しました。

もっとひどいのは、上部構造です。

「ブリッジ形態」は、よくわかりませんが一般的なブリッジを考えます。
本体が3本とすると、アバット(土台)3本、上部構造(ブリッジ)4歯で、安く見ても
アバット1本5万円、ブリッジの歯(偽歯含む)1歯6万円で合計40万くらい。
経費から考えても、このくらいは取らないと、大赤字です。

「床義歯形態」は、ドルダーバーデンチャーかボーンアンカードブリッジ、オールオン○とか
そんな形のものだと思います。

これだと、相場では安くても100~200万くらいします。
もう、以下の様な声が聞こえてくるような気がします。

①「そんな、高い点数を設定して、病人から絞り取ろうなどけしからん」
②「そんな、高い点数を設定して、医者が金儲けなどけしからん」
③「そんな、高い点数を設定して、財源ry」

①まってください。

日本の医療制度には、下記のようなすばらしい制度があります。


 <高額療養費の区分自己負担限度額(月額)>
 上位所得者(※1)~121800円 +(総医療費-609000円)×1%
 一般所得者~63600円 +(総医療費-318000円)×1%
 低所得者(※2)~定額35,400円
  ※1所得額が年額 670万円(月額56万円)超の世帯
  ※2市町村民税非課税世帯

これ以上の分は後で帰ってくるし、帰ってくるまでの間、その分を一時的に
市町村役所(国民健康保険担当課)や社会保険事務所、健康保険組合で貸してくれる
制度、場合によってはそれすらも必要ない委任払い制度もあります。
(詳しくは保険者、病院の医事課、医療ソーシャルワーカーの相談室等にお願いします)

たしかに「高度(先進)医療」時代は、だいたい60万くらいでやっていたようです。
これは患者様個人にとっては割高な負担です。
健保収載になることでの高額療養費の還付を考えると、不慮の患者様にとっては
おおきな福音です。

ただし、医療機関にとってみれば全く事情は異なります。
こんな60などというタダ同然の報酬では、どこの病院でもなかなか取り組めません。
ほとんどが実質的に採算度外視の国立大医学部病院で行われていたのは、
当然といえば当然です。

まあ、高度(先進)医療と肩書きがついていれば、「特殊な事例だな」と思います。
しかしこれを、少なくとも建前上は一般的である健保収載にしてしまうと、
私たち市井の医療機関(病院含む)は、枕を高くしてはいられません。


「病院ではこんなに安いのに、一般歯科ではこんなに倍以上も高い!」
「病院では3~4本で1万6千点なのに、なぜ一般歯科は1本15万円も取るのか」
「病院では3~4本で1万6千点なら、一般歯科はもっと安くて当然だ」

どこの歯科医院でもぜったい言われます。

残念ながら、歯科医院は公的機関ではなく、”公共事業” の下請け”業者”ですので、
保険外診療の治療費の相場はほぼ「原価率」で決まってしまいます。
モノ代、準備費用もろもろ、これらを、穏当に見ても売上の4分の1以内に抑えないと
非現実的です。

だから、実質採算度外視な国立大学の医学部などでないと無理なのです。

形だけでも健保収載にする以上、この点数はマズすぎます。
今回、健保収載になったので、今後は高額療養費の還付対象になると思われます。
であれば、①の問題は解決です。

② お気持ちは分かります。

しかし、先ほどの理由で、病院も(一部の事例を除き)利潤を出す必要があります。
いくら善意があっても、あまりにも経費損では、取り組みようがありません。
金儲けのためのボッタクリではありません。そこは御理解ください。

③ 「財源財源」復興構想会議でも…

議長の五百籏頭真氏が言ってましたね。あなたの認識は、私とは大分違うようです。
失われた20年、すべての元凶は官主導のデフレなのは分かりきっていることです。
カネなど、あるところにはあることは、誰でも知っています。
内需はめぐりめぐって必ず名目GDPアップに寄与します。お金は消えないからです。
まず、三橋ブログとか読んでいただければ少しは御理解いただけるかと思いますが。

いずれにしても、今回のインプラントが()※の件は、「高度(先進)医療」を形式上
健保収載にしたというだけだと思われます。

しかし、少なくとも健保は一般的な世界なので、どうしても「アレは特殊な事例だ」
と区分けして考えないと、私たちのためにも、医療機関のためにも、もちろん
不慮の患者様のためにもならないと思います。

実際歯科でも「コンポジットレジンインレー」が健保収載になった瞬間に
一斉に消滅した
、と、大学時代に保存修復学の講義で習ったことがあります。
(講師:山田敏元先生(現 虎ノ門病院歯科部長))

コンポジットレジンインレーとは、歯に詰める十字型の詰め物を、型を取って
模型上でプラスチック(コンポジットレジン)などで作るものです。
銀歯の詰め物よりは、審美的にははるかにましですが、耐久性や接着に難があります。
保険点数では、技工料含めても大赤字なので、みんな辞めてしまいました。
現在は、改良型の口腔内直接充填(ダイレクトハイブリッドセラミック?)が主流です。

あまりにも実情を省みない点数で載せてしまうと、事実上不可能になってしまうのです。

また、歯科での保険診療の点数設定そのものに対する根本的でおおきな疑義が
とくに業界を超えて国民の間で議論・糾弾されたりする可能性も否定できません。

そうすると危ないのは、設立経緯を考えても「歯科技工士」資格です。

◆ おわりに

以上、保険点数・制度のあらまし/今回の重点項目/インプラントの件 について
急ぎ足で見ていきました。

保険制度については、あらためて見たら、こんなに細かいのかと思われた方も
多くおいでかと思います。
まあこれは仕事なので、仕方ありません。
でもそのうち、予防中心主義に移っていくと、従前のような細かな改正自体が
意味をなさなくなるので、そのうちなくなるのではないかとは思っています。
(そのかわり一般歯科治療の「設置基準」がムチャクチャ厳しくなったりして)

その他、多分、私の回りで大きく変わる点は当面ほぼないといっていいと思います。

往診は大事ですが、個人医の副業に任せ切りというのはかなり疑問を感じています。
逆に予算を付けて集約化・特化による質・機能強化が期待できる分野だと思います。
とくに、歯科衛生士の力は、口腔ケアにおいては絶大です。

また、何事も安ければよいというものではありません。
特にデフレ下では内需拡大によるGDP増加の観点からも、思い切った政策も
十分検討に値すると思います。

何事もムダが少なければいいというものではありません。
惑星探査機「はやぶさ」や、サーバーシステム、防災政策などのように、
冗長化が命の分野も少なくありません。
私の頭の作りもかなりザツで乱暴ですが、議論は個別にていねいに行うべきですね。

インプラントの価格の件については、異論のある方も多いかと存じます。
(わざと今回そんな書き方をしたところもあります)
だからこそ、予防を推し進めて、将来はインプラントも一般治療も正しく激減させましょう。

【今回のまとめ】

少子高齢化に負けてはいけない。まずはデフレ脱却(「金融緩和」+「政府支出」)

2012/04/01 07:53 | nemoto | No Comments