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皆様、改めまして、新年のお祝いを申し上げます!今年は更に百姓として成長したい、川口です。
などとご挨拶を申し上げますのも、去る2月3日が今年は旧暦の元旦、お正月だったからです。本日(10日)は、旧正月の七日目、七草粥の日ですね。
かつて会社勤めをしていた頃には、中国や東南アジア方面の顧客が休暇に入って連絡が取れなくなったり、中華街の春節の賑わいのニュースを見たりした時に旧正月である事にはじめて気が付く程度、自分の日常の暮らしには殆ど影響もなく過ごしていたものでした。が、田畑山で日々を暮らすようになった今は、寧ろ、旧暦(太陰暦)の廻りの方がずっと近しく感じられることが多くなってきています。
今年は偶々、旧暦の正月元旦(即ち、新月)と24節気の節分(冬の最後の日)が重なっており、翌4日は季節が春に変わる「立春」の最初の日でしたから、何だか普段の年以上にお目出度い感じがする旧正月の元旦となったのでありました。
ちなみに、旧暦(太陰暦の一種)では「新月」の日が各月の初め、一日、であり、「春分の日」の頃の新月が「正月」の一日になります(*詳しくはこちら)ので、旧正月の一日は、現在日本で使われている新暦(太陽暦の一種)の日付とは年毎に異なります。
新暦のお正月は、冬至のすぐ後に来ますから、ピークは越えても夜はまだまだ長く、寒さはまだまだ厳しくなってゆく時期に当りますから、あらゆる生命がまだしばらくの間はより深い眠りの底へと沈んで行く時期なのです。
それに対して、旧暦のお正月は、その日を追って強まる寒さも峠を越える大寒の終わり頃から立春過ぎにかけて、太陽の光がはっきりと力強さを増し、晴れた日の日向ではポカポカとした暖かさも感じられるようになる頃に訪れますから、百姓としては、さぁ、いよいよ新しい生命の巡りが始まる時、目覚めの時だ、今年はどんな実りにめぐまれるのだろう、と期待に胸を膨らませる頃に訪れてくれるのです。
自らの精神と身体も、田畑や山の動植物たちも、共に何かウキウキとした歓びに満たされるときです。
そんな時を祝う為に、来年こそはお餅も搗いて、稲藁で注連飾りを綯ってから迎える旧正月を過ごしたいものだと想っています。せっかく自分で作った餅米や稲藁があるのですからね。