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2012/02/25

検定試験ではどんなことをするのでしょうか?

これは、ネイリスト検定を受けてみたいと思われている方は当然のこと、
そうでなくても興味が少しある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、その内容を具体的にお話しようと思います。

まず、登竜門である3級からですが、
3級と2級については、事前に自分で用意したモデルさんに赤いマニキュアを10本塗っていくことが前提です。
マニキュアを落とすところから実技はスタートします。
(これが出来ていない、または明らかに手抜きだと失格や減点になります)

70分で、消毒からスタートしマニキュアの除去、
10本お手入れ後10本赤いマニキュアを塗布し、指定の指1本にイラストアートをして終了です。
アートのテーマは、その時々で変わり事前に発表されます。
今春は「フラワー」です。お花のアートを赤いマニキュアに映えるよう描きます。

3級受験料は、6,000円です。

2級についてです。
2級は、「プロとして」通用するかどうかをジャッジされます。
内容は、前半後半に分かれます。
前半は、35分で消毒からスタート(これはネイルの施術や試験ではお決まり)し10本をお手入れして終了です。
1分のインターバルをはさみ、すぐに後半スタートです。
後半は、55分。やはり消毒からスタートし指定の指1本にチップラップと呼ばれるリペアの技術を施します。
長さを人工的に出しかつ自然に美しく仕上げる技術です。
欠けてしまった指などに行うものです。
残り9本のうち、8本は赤いマニキュアを塗り、残り1本はアートです。
アートの指も事前に指定され、赤色以外のマニキュアを塗り指定されたテーマに沿ったイラストアートを施します。
ちなみに今春のテーマは「バタフライ(蝶々)」です。

2級の受験料は、8,000円です。

最上級の1級。
こちらに事前の準備指定はありません。人工爪を作る試験になります。
150分で、合計7本の指に指定の長さを出した人工爪を作ります。
このうち5本と2本に技法がわかれますが、仕上がりを同じにしなければなりません。
さらに1本の指に、あらかじめ用意したチップを貼り付けアートを施します。
テーマは2級と同じです。
技法は、3D(スリーディー)と呼ばれる立体的なパーツを作ることが中心で、
プラス他のアート技法をミックスさせるミックスメディアと呼ばれる複合アートです。
用意してきたチップも、試験中に行った他の7本の指と同じフォルム(形)でなければなりません。

1級受験料は、10,000円。

いずれも、事前に発表される試験要項にのっとった内容になります。
指定の指とアートテーマはその都度変わりますし、
禁止事項や制限事項もあります。
ジャッジの基準や決められた形に関することも細かく多く、ただ出来れば良いというレベルではありません。
ようは、「お金をいただける仕上がりであるかどうか」。
限られた時間の中、緊張しながらもその合格ラインの技術を行うのは想像以上の力が求められます。

1人の受験者につき、3人の試験官がジャッジをし公正公平な判断を行います。
そのほかに不正行為や減点失格行為がないか、常に複数の試験官がウロウロしています。
工程によっては、その所作も審査対象です。
これが受験生にとってはものすごいプレッシャーみたいなんですね。
私も(というか、その会場にいる試験官全員)試験をパスしてきた者ですから
かつては皆さんと同じ立場にありました。
ですから、その緊張はよくわかります。
そんな状況でもベストを発揮するには、技術だけでなく強いメンタルも求められますし、
その結果を出すための日々の練習と努力を続けるモチベーションを保つ精神力も必要です。
複数の試験官がジャッジするということは、誰が見ても「合格」と思える完璧さを目指すべきなのです。

初めてこの内容を知った方、そのハードさを想像していただけるでしょうか?
おそらく少しでもネイルに触れたことのある方(お客さんとしても)からすると、
よりリアルに想像していただけるかと思います。

結構、大変なんです。そりゃ、合格したら嬉しくて泣いちゃうってもんです。

そして、その大変な試験をパスし、今度はジャッジする側にまわるとなると、
協会の認定講師試験に合格しなければなりません。
またこれが大変で…。
内容は今回は割愛いたしますが、もう、なんというか。
ひたすら大変でした。求められることが多すぎる。寿命が縮む思いでした。
その試験もパスした認定講師が、試験会場の運営を行っています。

タフでなければ、本当にネイルを好きでなければその立場にいません。
その運営も、受験とは違ったストレスとプレッシャーを感じながら行っています。
ですもん、ネイリストは色んな意味で強いわ(笑)。

話がそれそうなので、戻しましょう。
試験は各地で行われます。すべての級において受験者はモデルを同伴します。
ですから会場には受験者の倍の人数がいるわけです。そして運営スタッフ。
ちなみに、関東のオフィシャル会場である東京ビッグサイトには
当日だけで約5千人くらいいることになります。
大勢の方が、この日のために昼夜問わずの努力を重ねてきたと思うと
結構感慨深いものがあります。

さて、次回はそんな試験会場における試験官からみた様子をお伝えしようと思います。
色んなドラマが生まれてる。。。かも、です。
お楽しみに!

2012/02/25 06:48 | makiko | No Comments