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2012/02/25

自分のパフォーマンスにプライドがある人に多い傾向があるもので、
他人のパフォーマンスを見て「否定」をする、というのは良いことではありません。

僕自身を振り返ってみても、他の人のパフォーマンスを「否定」して意見を言ってしまったことがあります。
これは、大いに反省すべきことで、今後の自分は極力やらないように心がけたいところです。

具体的に言うと、とあるシガーボックス使いの技が 自分や僕の周囲のジャグラーのやっている技に酷似しており、
周囲に「こいつすっげぇ嫌い」と言い続けていました(苦笑)

まあ、そのシガーボックス使いが海外のジャグラーであることが幸い、本人の耳には届いていないと思いますが、
そのシガーボックス使いははるかに我々より高い次元で自分独自のシガーボックスを開拓し始めたので、
そのような感情も無くなってしまいました。

まあ、そんな僕の話はおいておきましょう。

「否定」をするのは良くないですが、どこが駄目だったのか、どうしたら良くなるのか、という「駄目出し」は、
おおいにやっても良いと思います。

あなたが他のパフォーマーを見て批判的な意見を言ったときに、 その意見から何も生まれなければそれは「否定」。
その意見を参考に、パフォーマーがより次元の高いパフォーマンスをできるようにするのならば、その「駄目出し」は相手にとっても良いものです。

もっとも、その意見を受け取る側の姿勢に寄っても、本人が良かれと思ってアドバイスしたものも
「否定」と捉えられてしまうこともありますが、
できるだけ意見を言う側がちゃんと道を提示してあげた方が良いでしょう。

意見を言う時には、具体例を挙げてあげるのが良いです。
「音楽が良くないよ。」ではなく、
「もう少し明るい曲の方が雰囲気にあってる」「3拍子の曲はノリにくいから、4拍子の方がいいね」

「インパクトが薄いね」ではなく、
「大技が少ないから多くした方がいい」「もっと観客にアピールする時間を長く取ったほうがいい」

「オリジナリティがないね」ではなく、
「もっと馬鹿馬鹿しいことをして観客を喜ばせてごらん」「自分の演技を振り返って、どうしたらもっと面白くなるかを研究してごらん」

この改善例を挙げてあげるようになるのはかなり「見る目」が必要なので、
もし、いいアドバイスができないのであれば、良いところを探して誉めてあげた方がよっぽどもその人のためです。

これは、きっとジャグリングだけではなく、漫画や映画、テレビ番組、何に対しても言えることだと思います。
「漫画は教育によくない」「ゲームは頭を悪くする」と言う意見は「否定」。

こういった類の意見は、愛好者を不快にさせるだけで何も生み出しません。

こうした意見には、何かしらの根拠がある筈なのですが、例えば、上の例なら結局は
「漫画を読ませたりゲームをやり始めると、何時間も没頭してしまって時間を大きくとられるから」
なのではないでしょうか?
そう考えると、自分がやる時には何かタイマーを用意しておくとか、子供がやる時には1日2時間、もしも破ってしまったらの罰則も自分で決めさせるとか、そういうことが有効なのではないでしょうか、と、次の考えに結び付けられるわけです。

普段の仕事においても、「否定」と「駄目だし」の考え方について、まったく同じことが言えます。
今、日本のメーカーは工場の現場において、「カイゼン」活動というものを行っていて、
現場で働いている人たち自ら、自分たちの働く現場にイノベーションを起こし、
生産効率を高めたり、コストを抑えたりして、より良い環境づくりをして、
Made in Japanという言葉の付加価値をつけよう、という動きが盛んに行われています。
集団で行動するときは、組織は「変化しないこと」を望み、例え能率が悪かったとしても、
今までと同じやり方がずっと続くことを望んでいる、ということを何かの本で読んだような記憶があるのですが、
そういう組織の「保守派」な考え方、「マンネリ」を打破することこそが、
組織を成長させていく物なんだろうな、と思います。

僕は、パフォーマンスは、常に面白いものを求め、ライバルたちと切磋琢磨した方が、良いゴールに到達すると思っています。
だから、意見を出すことはとても素晴らしいことだと思っていますが、その意見が「否定」をするものではないように心がけていきたい。

きっと、あなたが「否定」し続ける限り、イノベーションを起こせず、どんどん時代遅れになっていくことでしょう。

2012/02/25 12:18 | ryuhan | No Comments