今、世界自然遺産小笠原諸島に来ています。
小笠原ホエールウォッチング協会の特例許可を得て、小笠原で4K撮影のアシスタントをしています。
(4K映像とは、フルハイビジョンの4倍の画素数を有する、高精細映像です)
冬の小笠原諸島には、暖かい海を求めてたくさんのザトウクジラが繁殖や子育てのためにやってきます。
今日は取材の合間に、ピンクドルフィンという船のスタンリー船長から
「あっちに死にかけているクジラがいるよ!イタチザメが2匹付いてる!」
と教えて頂き、そのクジラのもとへと走りました。
子クジラが1頭だけ、水面近くで泳いでいました。 背中は茶色っぽく、ゆっくりと弱々しく泳ぎながら呼吸をしていました。
サメがいるかいないかは船上からは確認出来ないまま、水中へ!
(ザトウクジラの水中撮影は、小笠原ホエールウォッチング協会の特例許可を得ないと出来ません。今回はこの子イルカの撮影自体に許可があったわけではありませんが、船長の許可と、私自身の、生物学的見地からこれは水中でも絶対に撮影したい!という思いから撮影しました・・・)
そして水中一眼レフにて撮影。
Canon EOS Kiss X4, 10-22mm lens, Recea Housing
photo by Ayano Suzuki
船上で撮影していた友人の写真とともに、小笠原ホエールウォッチング協会にデータを持って行き、確認して頂きました。
ザトウクジラの全身にクジラジラミがついていることが判明。。。
クジラジラミとは、6×2本の足を持つ、節足動物門甲殻亜門甲殻綱(軟甲綱?)端脚目。
クジラの皮膚を食べていると考えられています。
写真に写っている、白っぽい皮膚、全てが1-2cmのクジラジラミに覆われています。
こちらは、目の部分だけをトリミングした写真です。
クジラジラミ、分かりますでしょうか・・・
このクジラは、一昨日の昼から確認されていたようです。
そのときには、近くに母クジラと思われる大きなザトウクジラがいたそうですが、今日はこの子クジラ1頭のみでした。
全身をクジラジラミに侵されたザトウクジラの子供。
親は諦めてしまったのだろうか。
この子クジラ、まだ呼吸をして泳いでいたものの、動きはとてもゆっくりで、弱々しく、目も少ししか開かないようでした。
撮影をしながら、「頑張れ!頑張れ!」と声を掛けましたが、あと数日の命でしょう。
これが野生です。
小笠原、連日10頭~30頭ものザトウクジラを見ます。
元気に泳ぐ赤ちゃんと母クジラ、エスコート、母クジラを追っていると思われるオスのクジラ達、
遠くでブリーチング、飛び跳ねるクジラ達、浅い海で休んでいる親子クジラ・・・etc
小笠原の大海原で、生きる野生の生き物達。
しっかりと、その野生の姿を目に焼き付けています。
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