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2012/02/04

年に一回、全国に70ぐらいあるといわれる仲良しこよしグループの水族館の人たちが一同に集まられて集会がおこなわれる。そこでは、日ごろの研究を発表したり、飯を食いながらお互いの親睦を深めたり、開催地にある水族館の団体押しかけ訪問などが、おごそかにおこなわれるのだ。

それに、行け、と言われたので、え~!やだよ~!でも、オモシロそうだから行くぅ~!と言って、ヨタヨタと山口県の下関まで行ってきた。ただ行くだけでは何とももったいないので、発表もした。

会議は2日間だけど遠いので前日入りして3日間。行かねばならんのだ!!っと泣きすがる美女の手をふりほどいて、じゃなかった実際には、あくびするアシカを横目に10時に出発した。

                                                             

 

そのうち下関に着いた。ケツが痛いぜ。しかしアレですね、新幹線からのぞいていると日本の景色つーのはどこまで行っても同じなのですね。会社・家・コンビニ・田んぼ・車。以上5つの繰り返しエンドレスで下関到着。トンネルを抜けると雪国だった、ということはなく、トンネルを抜けても田んぼだった。

一人で遠くまで行くのは久々なので、未来に来た過去の少年のような目で景色を眺めていたが、じきに飽きてしまった。のぞみの車内を見渡すと、同じように飽きちゃった人や、もー何回も乗ってるからね、景色なんぞ見んよ。的な出張オヤジなどが、行儀良く席に座ってそれぞれの時間の流れにひたっておった。なんだかみんな弁当箱の中のおかずのような顔をして、無反応無表情なアホ顔で大阪方面に高速移動している。気持ちが悪くなってきた。オレが一番アホですか。

時折、静寂を破るように申し訳ないですぅ~っと言いながら車内販売のお姉さんが現われるけど、弁当おかず顔達は完全に無表情無反応を決めとおしていた。時折、たくわん的身分のやさしいオジサン(どんなだ!?)が 「あ、じゃ、えっと、ポッキーいくら?」 とか言って挙動不審に買い求めている。車内販売のお姉さんはそんなに可愛くなかったけど、その笑顔を見たら、買ってもらえて良かったねぇ、これで病床のおとっつぁんの薬が買えるねぇ。っと思い幸せな気分になった。いやそんなことない。

                                                            

小倉まで行って、下関に戻った。シモノセキ。シモノセワではない。

駅前に大丸とかいうデパートがあったので、フラフラした。その横のショッピングモールもフラフラ。しかし、もぉすぐ閉店だから出て行け、という。そんなぁ。旅人に冷たいのである。

腹が減ったので晩飯。下関といえばフグだから豪快に食おうと思ったけど、フグセットは2800円したからごめんなさいと謝って、インド料理屋でナンセット1050円。

あのね、一人でインド料理屋に入ってナンを食うというのも勇気が必要だったんだよね。だけど地元じゃなくてヨソの土地だから関係ない。ナンだけにナンでも出来るのだ。地元で一人でナン食ってたら、だれかにバレたらスグに 「こばーしが一人で寂しそうにナンを食っていた」 と言われ、町内放送などを使って朝から瞬く間に市内に広まってしまう。

ナンはまことにもってウマかった。3度のメシよりナンが大好き。これで下関も少し好きになった。

ホテルは駅地下、じゃない駅近のビジネスホテル。2泊で1万ジャスト。ベッドに自殺風に倒れてゴロゴロしたり、行く時に名古屋駅のキオスクで買ったゴルゴ13を読んだりして、時おりゴルゴ的にカーテンを少しだけ開けて、窓から町の様子をうかがったりしていた。そのうち夜中になって寝た。さみしい。ナンだか寝れない。ナンを食ったせいだろうか。

ホテルで一人で寝れないと、この部屋なんかあるんじゃ!?とか思いません?

ますます寝れなくなる。見てはいけないものが出てくるのではないかと思って、コレはいかんパターンだ!っとゴルゴ的態度から急速にゴルゴに狙われたヒト的なオビエ態度になってしまった。相手はプロだ。文字通り必死で寝た。

そのうち朝が来た。寝不足。8時半から受付が始まるので、8時半にホテルを出てキオスクでリポビタンDを飲んで、会場へ向かった。歩いて10分。寒い。

立派な会場で、すでに何十人も全国から集結した水族館の方たちが受付を済ませワラワラ動き回っていたり座っていたりした。同じ職業のヒトが嬉しそうにしかし少し緊張して部屋の中を動き回っているのはナンだか釣りで使うエサの「ゴカイ」が透明プラスチックのタッパのなかで互いにからみ合いウネウネしているようでナンだか気持ちが悪くなった。ナンを食ったからだろうか。

つづく。

 

 

 

 

2012/02/04 09:59 | kobayashi | No Comments