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誰にだって人生において岐路があって、出会いと別れはその都度あるのだけど。
分かっちゃいるけど、いつだって涙が無条件に出るのが、永遠のお別れの時。
今日はロサンゼルスに来た当初から仕事上の大先輩としてお世話になった、ギタリスト、ルーディー・ゲス氏の訃報を聞きました。
実は昨年の暮れ、12月31日に亡くなったのだけど、私が日本に帰っていたのと、私の家族の具合が悪かったりで、ボスも気を遣って、今まで黙っていてくれました。
ルーディーとの出会いは唐突で、私がLAに引っ越して翌日から仕事を始めて、その3日後にはレコーディングセッションがあるから、譜面を大急ぎで作って、彼の自宅兼スタジオまで行った時だった。
目がとても鋭いので最初はコワいオジさんなのかなー、と思ったけど、話してみると、とても紳士で穏やかな人でした。
それからというもの、譜面が必要になれば制作屋として出張したり、ピアノを弾きに行ったり、ボスと一緒にプライベートで飲みに行ったり、バーベキューしたり、と、私のLA生活でもかなりポジションを占めてた(笑)、大変お世話になった人でした。
一昨年、ボスの友人の誕生日に「ビートルズ・メドレーをやるぞ〜!」ってことになった時も、私にアレンジの殆どを任せてくれて、アドバイスがある時は、「このコードを使うと、よりビートルズらしさが出るんだよ」と、おどけながら教えてくれたり、また、彼はキャロル・キングの専属ギタリストでもあったから、日本公演のついでにキャロルと一緒にSmap x Smapに出演したときは、収録時のSmapの一挙手一投足をくまなく教えてくれたり、見た目とは違う、どこかしら良い子供っぽさも持ち合わせた紳士さんでした。
これはちょっとボケちゃってるけど、誕生日の「ビートルズ・ライブ」終了後のルーディー(右)とベーシスト。
(私はピアノを弾いてたからピアノサイドから片手で撮った。w)
このライブの時も休み時間は、「ちょっと何か一緒に弾こうよ」と言ってくれたりして、クラシック育ちな私にもイヤな顔することなく、なんちゃってビートルズを弾いたりして、そんなことがいつもいつも楽しかったです。
別に、そうそういっつも会ってた人じゃない、亡くなる前は、もう半年くらい会えてなかったけど、ルーディーは私にとって癒しそのもので、こういった、些細なことだけど、でも楽しい、そんなハプニングが彼とはもう起こらないんだ、と思うと、ただそれだけのことなのに、ほんとにそれだけのことなのに、、、とても寂しい。
ただ、ボスは、大粒の涙を落とす私を見て、
「泣くことないんだよ、彼は他の人よりちょっと短い人生だったかもしれないけど、十分に人生を満喫したし、僕たちも彼と一緒に十分楽しんだ。形としては残らないかもしれないけど、思い出は宝になるから!」
と晴れ晴れとした様子だった。ほんとに。
ほんとそうだよなぁ。なんと、ルーディーは亡くなる3週間前にピザ屋のギグ(ライブ)に参加してたそうな。これには私も泣き笑い。
「どうせ先は長かぁねんだから、弾きたいもん弾いておくぞ!」
という、周りの人も驚くような元気&サッパリ感だったらしい。
最後に、ルーディーさま。
貴方と出会えて本当に幸せでした。お疲れさまです。貴方からもらった幾多の人生、音楽のアドバイス、決して忘れません。
次回は夢ん中でセッションしましょう!
私の夢の中はすごいぞ、会った事も無いのにリストと酒飲んだことあるんだから。www
下のリンクは、2008年の日本公演の時。この時は、私はLAに居たので、母を招待してくださいました。
本当にありがとう、ルーディー!
でも、I miss you so much。