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2010/11/20

 たまには、リスナーとしての記事も書こうかな、と思います。

 自己紹介記事で、ジャズを始めるきっかけとなったのは
Chick Corea(チック・コリア)というピアニストのCDを聴いた
こと、と書きましたが、このあと私がどんなCDを聴いてきたか。
 一人づつ挙げていくとキリがないので、そのアーティストの
アルバムならほぼ全部揃えた!というくらいハマッた方々を
挙げていこうと思います。
 
 チック・コリアは最初の一枚「LIVE FROM COUNTRY CLUB」を
聴いたその後はしばらくいいと思うアルバムがなくてお休み。
次にはまったのはBill Evans(ビル・エヴァンス)でした。エヴァンス
のプレイは、荒々しいタッチや奇抜な音使いが少なく端正で、
クラシックから移行するピアニストには特に親しみやすいと言える
かもしれません。それゆえ、ジャズ創世記の黒人を中心とする
ピアニストの演奏が好きな人には物足りなく感じるところもある
ようです。

 一通りエヴァンスを聴いたあと、、ピアニストならまずKeith Jarrett
(キース・ジャレット)を聴かねば!と挑戦したけれど、一度挫折。
難しい・・・。

 お勉強のためにと、様々なピアニストを聴いたあと、私に大きな大きな
影響を与えたピアニストに出会います。それが、スウェーデンのLars Jansson
(ラーシュ・ヤンソン)でした。初めて聴いた「Invisible Friends」は全曲
オリジナルのアルバム。美しいメロディーでキャッチーでありながら、ジャズ
らしい躍動感とハーモニー・・・ジャズの曲を作る、ということは、メロディアス
であるということと対極とばかり思っていた私に、ジャズで作曲をしてみよう、
と思わせてくれた一枚なのでした。

 ヤンソンを聴いた後に不思議とキースを聴けるようになってきました。
耳が慣れてきたのかも。耳も学習するのだ、ということを学びました。
(ん?)

 そしていま自分の中で一番胸キュンなピアニストはベルギーの
Ivan Paduart(イヴァン・パドゥア)です。

 彼の一番の魅力もなんと言っても美しいオリジナル!!
哀愁ただよう切ない旋律に独特のコードがつづれ折となって独特の作品に
なっています。 そして強力なリズムとスィング感。駆り立てるような左手の
バッキングと駆け上るパッセージで熱いアドリブを繰り広げます。
 「そう、これよこれ!これぞ私がやりたいジャズ!」と 直球ど真ん中に
入ってきたのでした。

 私の一番のオススメは「Trio Live/Ivan Paduart」
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1792740

 くじけそうになっても、また音楽やっていこう、と聴くたびに
思えるアルバムです。

 ラーシュやパドゥアをはじめとするヨーロッパの、キャッチーなメロディーを
作風とするプレイヤーは一見、癒し系とかヒーリング・イージーリスニングに
くくられそうな危険も含んでいるのですが、彼らは決してそうではなく、ジャズ
の肝というべきリズムと躍動感(いわば伝統的ジャズの要素)を踏襲しつつ
プレイしているところが素晴らしい!美メロ「風」のオリジナルを書き、ヨーロッパ
の「空気」を引っ張ってきて演奏している人も近頃沢山いるけれど、そういう
雰囲気だけの演奏や曲は目の前でフワフワと漂うだけで心の中には
入ってこないのです。

 心にまっすぐに入ってくるテーマを用いながらも、ジャズのスリルと躍動感を
失わない演奏がしたい、アドリブのために書かれたのではない、人の心に届く、
物語性や世界観を感じられる、深みのある「作品」を書いて演奏できたらいいなー
と思うのであります。

2010/11/20 05:01 | toyama | No Comments