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こんにちは。
今日は、この業界ならではの源氏名のお話をしようと思います。
よく考えるとちょっと不思議だな、と思うことに、名前というものがあります。
普通、人の名前は一生変わりません。
その名前は大体親や親せきやちょっとエライお坊さんとかが付けたもので、自分がつけた
ものではないわけです。
結婚したりすれば名字は変わるかもしれないけど、名前はぜったい変わらない。
頑張れば変えることも出来るでしょうけど、ほとんどの方は一生、生まれた時に与え
られた名前を死ぬまで使います。
小説家とか、芸能人とかを別にすれば、大体、そうじゃないでしょうか。
実は、わたしは自分の名前があんまり好きじゃありません。
ものすごく、地味だからです。
まあ地味顔なのでものすごーくキラキラした名前だったらそれはそれで大変かもと
思うけど、でも子供のころはもっとお洒落な名前がよかったなあと思ってました。
なので、この業界で働きだしたとき、名前を変えられる!ということを知ってものすごく
衝撃を受けたんです。
しかもその名前は自分で好きに選べるのです!
すごい。…って、思いませんか?
源氏名、というのはキャバクラやクラブ、風俗店で女の子が使う名前のこと。
もともとは源氏物語の巻の名前から通り名を取ったという説もあるそうで、由緒がある
ものみたいですが、キャバクラなどではふつう、女の子がその手のお店に勤めだした
ときに名乗りたい名前を名乗ることになっています。
また、わたしみたいに何にも分からない状態で入店することになると、その場でお店の
スタッフにつけてもらうこともあります。
お店にもよりますが、例えばナンバーと言われる売れっ子になると「名字+名前」で名乗る
とか、全員「名字+名前」とか、どんなに売れても「名前」だけなど、いろんなパターンが
あるので、同業の女の子たちの名刺を眺めているとけっこう楽しく過ごせます。
(女の子たちの名刺もホントに色々なので、この話はまた今度しようと思います!)
もちろん、源氏名もいろんなものがあります。
人気のある名前というのは結構あって、例えば「レイカ」とか「みやび」という名前は
どこのお店に行っても大体いるもの。逆にユニークな名前だと覚えてもらいやすかったり
するので、果物の名前をつけて「すもも」「いちご」と名乗る女の子もいます。
おもしろいことに、なぜか源氏名にはいろいろとイメージがあります。
たとえばラ行の多い名前(れな、りか、りん、さくら等)は美人が名乗ることが多い名前。
はっきりした音が入るときつい印象になる気がするのですが、それに耐えられるような
きれいな人がこのような名前を使う、ということなんでしょうか。
またマ行やナ行(まゆ、ももか、ねね、ひな等)はどちらかというと雰囲気の柔らかい
女の子がよく名乗るように思います。
決して抜群の美人ではないけど気立てがよさそうなイメージがあるんですね。
これは単なる傾向かもしれないですけど、面白いなーと思います。
わたしの場合は最初につけてもらった名前をどこにいっても使いまわしていたのですが、
女の子によってはお店ごとに名前を変える子もいます。
新しい気持ちで頑張りたいときに名前を変えるのはけっこういいものなんだとか。
たしかに呼ばれ方が変わるだけで、けっこう気分は変わるものです。
わたしのように面倒くさがりだとかえって混乱するのでこの方法は使えませんが、
お店ごとに変えた名前の名刺を全部とってある子もいるので、ホントに女の子によって
色々だなあ、と感じます。
自分のイメージに合わせて名前をつける。
なりたい自分像にあわせて名前をつける。
もし好きに名前が変えられるとしたら、あなたはどんな名前を選びますか?