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2012/01/27

先日、ある宗教指導者が「同性婚は人類の未来にとって脅威だ」と発言し、欧米で同性婚が合法化されてきている流れに一石を投じました。

なるほど、世の中の人々が次々に同性婚していけば、少子化が進み、やがて人類は滅亡してしまうかもしれません。

そう考えると、同性婚は人類を滅亡へと向かわせる危険な制度といえるでしょう。

ん?でも、同性婚が制度化されたとしても、それを利用する事が義務付けられるわけではありませんよね。

同性婚したい人がすればいい話で、同性愛者でない人には、そもそも同性婚は関係ない話のはずです。

同性愛は趣味趣向とは異なります。好んでその道に進むのではなく、本能的に自然になるものです。

同性愛者は、同性婚制度があろうが無かろうが同性愛者であるはずです。

マイノリティが権利を獲得する時、大多数の非マイノリティの人々は自分たちの世界を侵食されるような危機感を覚えるのかもしれません。

ただ、セクシャルマイノリティに限って言えば、同性婚制度を導入したからと言って、それをヘテロセクシャル(異性愛者)が利用するわけではないので、人類存亡への脅威とはならないでしょう。

また別の観点として、「家庭」というものの基本が、結婚した男女により子供を持つことで構成されると考えて、この古来からの家庭観が同性婚により歪められてしまうという懸念を脅威と捉えているのかもしれません。

倫理や道徳は、人それぞれが人間的成長の中で独自に習得していくものです。その指針が宗教や教育であることは否定できませんが、同性愛者として生きていくことを強いられている人々をまるで忌み嫌うように突き放すような考え方は真の人類愛と言えるのでしょうか?

好きで異性愛者になっているわけでもなく、同性愛者になっているわけでもないのです。

それは、生まれつきのアイデンティティーと言っても良いくらい、本能的で自分の努力で変えられるようなものではありません。

ヘテロセクシャルがセクシャルマイノリティを必要以上に忌み嫌う理由に、正当なものはないような気がしてならないのです。危険や脅威は本当に存在するのでしょうか?

2012/01/27 12:05 | nakahashi | No Comments