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2012/01/13

今回は、中橋とゲイのヨシノブさん(仮名・35歳)との対談です。

中「明けましておめでとうございます。ヨシノブさんとの対談が新年1発目ですよ。今年の抱負を教えて下さい」

ヨシ「いきなりプレッシャーですね(笑) 今年は、ゲイの親友を作ろうかなと思います。。かな(笑)」

中「ゲイの世界に親友はいないのですか?」

ヨシ「仲の良い友達はいますよ。でも、親友とはちょっと違いますね。どうしてもウワベの付き合いになってしまって、楽しくは過ごせるんだけれども、どこかで境界線を引いているというか、心を完全には許せないんです。自分を守る最低限のラインを引いてしまうんですよ」

中「自分を守る最低限のラインとは何ですか?」

ヨシ「例えば、本名を名乗らないとか、実家の住所までは教えないとか、職場を教えないとか、ですね。個人情報の核心的な部分を隠してしまうんです。いわゆる源氏名で交流出来てしまう世界なんですよ。ゲイの友達って」

中「まあ、無理に本名や住所などを教える必要はないとは思いますが、そんなに警戒する理由は何ですか?」

ヨシ「ゲイって、信用できないんですよ。以前に仲良くなった友達に、住所や職場の事を教えたら、勝手に言いふらして、行きつけのゲイバーに行ったら、私の個人情報がトークのネタにされていました(焦) それでいて、その友達は、自分自身の個人情報は嘘ばかり言っていたんです。皆に全然違うプロフィールを教えていたので、何が本当なのかわからない奴でした」

中「嫌な思いをされたのですね。でも、それはたまたまの出来事ではないのですか?相手が悪かったというか…」

ヨシ「確かにそうかもしれませんが、ゲイの世界では、源氏名で友人付き合いをする事が普通ですし、最初から一定の壁を作って人づきあいを始めるんです。そういう独特の文化というか慣習に、抵抗感を覚えるんです。でもそれは、ゲイの世界で活動するには、自分を守るためにしなくてはならない最低限の防御策でもあるんです」

中「敵は味方にあり。みたいな感じですかね?」

ヨシ「大げさに言うとそうかもしれません。ゲイであるという事を世間的に大ぴらっけには出来ないので、その秘密を守るためには、同じゲイ同士であっても、個人的な情報は伏せて付き合っていきたいんです。恋愛関係になれば別ですけどね」

中「なるほど。カミングアウトをするのが容易な世の中になれば、ヨシノブさんの抱いているゲイの世界への不信感も払拭されるのかもしれませんね」

ヨシ「現実的にはなかなか難しいと思いますが、本当に心を許せる友達をゲイの世界で見つけたいと思います」

中「おそらくそれはとても大切な事だと思います。当事者の心境は、当事者しか理解できないことが多くあると思います。共に悩み、支えあえる友人を見つけて下さいね」

ヨシ「これでも少しはマシになったんですよ。以前は、自分自身がゲイであること自体を受け入れていなかったので、ゲイ自体が嫌いだったんです。ゲイのゲイ嫌いですよ(笑)」

中「それは複雑な心理状態ですね。ゲイなのにゲイが嫌いっていうことは、恋愛出来なかったのではないですか?」

ヨシ「それが、恋愛はできました。でも友達は作りたくなかったんです。自分勝手な青春時代でした(焦)」

中「その心境はどう変化したのですか?」

ヨシ「年齢を重ねると、自分自身のことが客観的に見えてきます。私も少しずつ、ゲイである自分を自分自身で受け入れることができるようになりました」

中「なるほど。人間的に成長されたのですね」

ヨシ「そんなにたいそうなものではないかもしれませんが、私はゲイの世界で生きていくんだという覚悟ができました」

中「他者との関わりを考える上で、自分自身の人間的な成長は重要な要素かもしれません。親友と呼べる人が現れる2012年であって欲しいですね」

ヨシ「はい。ありがとうございます。出来たら恋人もね(爆)」

中「ヨシノブさんにとって、幸せな2012年になるといいですね。今日はありがとうございました」

2012/01/13 12:35 | nakahashi | No Comments