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2011/12/04

今年初めての雪かきをした。

春が来て、夏が来て、秋が来て、そしてもう冬が来た。

一年とはなんて短い時間だろう。

春は農家でトラクターや田植え機に乗った。

夏は大雪山でヒグマ監視の仕事に関わり、毎日クマを見続けた。

そして秋は長い撮影の旅に出た。

今年も自然と関わる為に、自然写真を極める為にあちこちで様々なことにぶつかっていった。

気が付けばもう12月。

今は静かに雪の降る窓の外を眺めながら、写真や執筆の仕事を手がけてパソコンとにらめっ

この日々が続いている。

思えば自然写真というものに目覚めてから今年で17年。3年前には夢を追って17年間勤め

た職場を後にした。

フリーへの転身に関して後悔はない。

でも、貨幣価値一辺倒の商業主義が支配するこの世の中で、ピュアな気持ちで自然と向き合

い続けることはなかなか難しい。

本当の意味での自然を知りたい、記録したいと思い、そこに長い時間を費やしても当然そこに

対価が生まれてくる保障はどこにもないからだ。

この大きなリスクを痛感しながらも離れられない魅力とは一体なんだろう。

写真はありのままの現実を記録した情報であるが、知られざる現実や普段目にすることの少な

い現実を写真に写し止めることができれば、それは貴重な情報となり、且つ見るものに強いイン

パクトを与え、言葉以上に強いメッセージを持った表現物となる。

自然写真家とはそんな瞬間を追い続ける人達なのかもしれない。

そして、それぞれ社会に表現したい思いやメッセージを写真に込める。

完結しないからこそ、ずっと追い続ける。

これは大変な「病」だ。

これから本格的な冬の寒気がやってくる。

そしてあと1ヶ月で平成23年が終わる。

2011/12/04 09:55 | yamada | No Comments