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今回はゲイカルチャーを追い続けて20年、元ゲイ雑誌編集部員でフリーライターのシャングリラさん(40歳男性・仮名)と中橋との対談です。
中「今回はディープな世界に迫る対談ということで期待しています(笑)」
シ「下品な方向には行かないように気をつけます(笑)」
中「昨今のゲイアダルトカルチャーの動向を教えて下さい」
シ「アダルトですか!?まぁ、私に期待される話題といったらそれしかないのかもしれませんが(焦)」
中「ゲイカルチャー=ゲイアダルトカルチャーと言っても過言ではない気がしますが?」
シ「それが全てではないでしょうけど、ニアイコール(≒)くらいかもですね」
中「そもそもゲイアダルトというのは、どういうものがあるのですか?固有のものはあるのですか?」
シ「ビデオとか雑誌や風俗店は一般のアダルトにもあるでしょうが、ゲイ固有のものとしては、ハッテン場というのがあります」
中「ハッテンというのは、行為が発展するという意味なんですよね?」
シ「諸説あるんですよ。行為が発展とか、出会いが恋愛に発展とか、発達した場所(都会的な出会い)とか、外国語説とか(笑)」
中「ハッテン場の話を聞いたことはありますが、一応法律家としては、違法性の強い場所だと思うのですが?」
シ「ハッテン場にも色々あります。確かに、全裸でウロウロしてて、あちらこちらで性交に及んでいるようなお店はヤバイかもしれませんね」
中「お店ということは、有料なんですね?」
シ「はい。基本的に有料です。入館料を払って入館します。でも、若い子だったり、ジムの会員だったりすると割引があるなど、料金体系はお店によって色々あったり、様々なイベントがあるなど、お店の特色がたくさんあって面白いですよ」
中「私のイメージでは、純粋な出会いの場というより、単にHするために行く場所の様な気がしますが?」
シ「そうですね。そのとおりだと思います。中には、ハッテン場で出会ってカップルになったような例もあります(笑)」
中「無料のハッテン場って、どういうシステムなんですか?」
シ「これは、公園とか浜辺とか、そういう特定の場所にゲイが集まっているんです。夜な夜な繰り広げられる秘密の集会みたいな(笑)」
中「かなり危険な感じがしますね」
シ「そうですね。ゲイ狩りの被害もありますし、そういう公共の場所で行為が発展すると捕まってしまいますね」
中「そのスリルが味わいたいのかもしれませんが、お勧めできませんね」
シ「ハッテン場と無縁なゲイもいるでしょうが、私の感覚だと、大多数のゲイはハッテン場通いの時期を経験していると思います」
中「シャングリラさんは卒業できたのですか?」
シ「はい。性欲の減退と共に… 歳のせいです(泣)」
中「そうですか(焦)でも、私としては、若いゲイの子たちのことを考えると、ハッテン場は根絶するべきだと思います」
シ「厳しいご意見ですね。不道徳だということですか?」
中「いえ、健康的な問題です。性病やHIVの温床になっているのではないですか? ハッテン場通いをして、後悔をしながら亡くなった若い方の死後事務をして、これは世の中から無くさなければならないと強く思いました」
シ「確かにそのリスクは多くあります。でも、本人の問題でしょう?自己責任ってやつ。危険性をわかって行くわけだから、そこはハッテン場の責任ではないでしょう」
中「基本的には自己責任です。でも、若い子の場合、若さゆえの欲望に負けて、つい通いつめてしまうケースもあると思います。年齢確認が不十分な場合には、未成年者でも行ってしまう可能性もあります。ゲイの仲間を守るためだという発想には至らないのでしょうか?」
シ「う~ん、でもハッテン場を無くしても、今は出会い系サイトなどで、簡単に相手を見つけることができます。そういうものも危険なものだと思いますよ。結局、未成年者の被害は止まらないのでは?」
中「少しでもリスクを少なくするという点では、ハッテン場を無くしていくことは重要です。それに、私としては、いつ摘発されてもおかしくない違法な場所だと思っています」
シ「違法っていうのは、風俗営業の許可を取っていないハッテン場が多いという意味ですか?」
中「そうではなくて、そもそも、お金を払えば誰でも入れるような場所で、周りに見えるように性行為を行うことは、お客さんは公然わいせつ罪に問われるでしょうし、お店はそれをわかって営業しているのですから、公然わいせつの幇助罪に該当する可能性があります。健康被害のリスクだけではなく、犯罪者になってしまう可能性すらあるのです」
シ「お金を払って、店の中で行為に及んでも違法なんですか!?」
中「そうですよ。当たり前のようにゲイアダルトカルチャーの中にはハッテン場が存在するかもしれませんが、これからは、排除していく動きをしないと、ゲイのLGBTの権利擁護運動にも悪影響を与えると思いますよ」
シ「厳しいですね。何だか差別されている気分になります」
中「差別ではないですよ。むしろ、ゲイの皆さんの健康を守り、最低限必要な道徳倫理を守るためじゃないですか。こういうハッテン場の存在が、ゲイが単なる変態扱いされる一因にもなっているのではないでしょうか?」
シ「なるほど。でも、なかなか難しいでしょうね。ハッテン場をこよなく愛するゲイが多いのは事実です。ビジネスとしても、全国各地に有料ハッテン場は多く存在しますし、ゲイメディアに広告を多く載せているお得意様である以上、ゲイの世論構成をリードするようなゲイメディアがハッテン場を否定するような記事を掲載することは考えられません」
中「ゲイメディアがアダルト系に偏っているのも残念ですね。いわゆる大人の事情で、ゲイにとって本当に有益な情報が発信されないとしたら、それは非常に罪深い事です」
シ「ビデオ会社やハッテン場が摘発されるたびに、どちらかというと不当な弾圧だというスタンスで捉えている人の方が多いと思います」
中「私としては、少なくとも法に反するようなゲイアダルトカルチャーは、どんどん摘発されてしかるべきだと思います」
シ「その結果、何も残らなかったら怖いですが(焦)」
中「そんな事はないでしょう。現に摘発は始っています」
シ「えっ!そうなんですか!?」
中「LGBTの権利擁護運動を推進していくためには、まずはそれに見合った義務を履行していく必要があります。ゲイ風俗業界と言えども、ヘテロセクシャル(両性愛者)風俗業界と同じレベルでの規制を受ける必要があります。LGBTの権利擁護運動を推進している人達は、ようやくそれに気付き始めたようです。これは、政治レベルでのステージに話が進展し始めた証拠でもあります」
シ「襟を正せってことなんですね」
中「そうですね。もうそろそろ、野放しとはいかなくなってくると思いますよ」
シ「ハッテン場を経営する夢は諦めます(焦)」
中「夢を潰してごめんなさい。でも、もっと大きな夢を持って下さいね。シャングリラさんの大切な仲間たちのために、正しいゲイカルチャーの発信をしていって下さい。期待しています」
シ「ありがとうございます。頑張ります!!」