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2011/10/31

放射線治療が終わり毎日の通院が不要になるのを待ち、
病院から近かった一人暮らしの家を引き払った。
そのタイミングで夫と一緒に住み始め、専業主婦が板についてきたのは2009年4月頃。
朝食を作り夫を送り出し、掃除や洗濯など家事をして、夕飯の支度をしながら夫の帰りを待つ。
結婚したものの、これまで何ひとつ妻らしいことができていなかった私には、
この生活が新鮮で、楽しく、そして嬉しくもあった。

しかし、どうしても不安な気持ちがぬぐえなかった。
周りに取り残されているような、不安感。
もう、丸1年も仕事をしておらず、外出のほとんどが通院で、
社会との関わりがなくなっているような気がしていた。

これまで、仕事も遊びも、全力でこなしてきた私であったが、
2008年はそのすべての時間を治療にあて、それに専念してきた。
しかし、もう、治療といえば、毎日服用する薬と月に1度のホルモン治療の注射のみ。
通院はとたんに月イチに減ったのだ。
心にポッカリ穴が開いたようだった。

元々、私は結婚後も仕事を続けるつもりでいた。
29歳、ちょうど仕事が楽しくやりがいのあるステージにあって、夫にもそのように伝えていたが、
乳がんを患い休職し、そして休職期間が満了したため退職。
専業主婦になるつもりは全くなかった。

しかし、これまでと同じように働けるかと言われると、まったくその自信はなかった。
この頃、ホルモン治療の影響で体調のすぐれない日があり、
困ったことに、それは起きてみないと分からなかった。
今日はダメだな、あぁ今日は調子がいいな。
そんな状況がまた自分自身を不安にさせた。

夫は、普通の生活をしていくことがリハビリになるからと、仕事はしなくていいと言った。
けれど、その方がつらいのならば、アルバイトを探してみては、と提案してくれた。

私はやれと言われれば、どうにかこうにかこなす性格だ。
だったら、できるかできないか考えるのではなく、まずやってみよう。
人生を左右させるほどの決断でない限り、ダメならまたそこで考え直せばいい。
いつになったら普段通りの生活ができるのだろうか、なんて思って心配していても仕方がない。

私はアルバイトを探し始めた。
週2~3日、残業ナシ、満員電車には乗らなくてもいい時間、休んでも代わりはいくらでもいる。
そんな仕事を希望し、派遣会社にお願いしてまわった。
するとほどなくして数件紹介があり、面接へ出向くことになった。

久々にスーツを着てパンプスを履き、清々しい気持ちになった。
ウィッグもカラーは抑えめ、清楚っぽいものを選んで着用していった。
新しいチャレンジにワクワクしていた。

・・・次は、面接~その後をお伝えします・・・

2011/10/31 05:51 | megumi | No Comments