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切り口がほんの数ミリ開き始めました、
杉丸太の根元に差し込まれていたチェーンソーのバーと、
杉の幹の隙き間が開き始めました、
チェーンソーのエンジンを切ると、
森全体が靄に包みこまれ、
物音のまったくしない世界に変わっています、
”パパ、倒れ始まったよ”、
ママの叫び声が遠くで聞こえます、
杉の切り口がみるみる開いていきます、
杉丸太の切り口がバキバキと音をたて始めます、
先端の枝を周りの杉の木にぶつけながら倒れていきます、
地面が大きな音と共に揺れるのが足を伝わってきます、
ママが倒れた杉の丸太に手をあてて話しかけています、
”今度は山小屋で大事にするからね!!”
小雨降る中、杉の丸太を切り出しましたが、
予想では22mと想定しておりましたが、
実際に倒してみると年輪は48年全長は27m,
杉の木の先端は山小屋の玄関の3m手前にまで迫っておりました、
”パパ、ギリギリだったね!!”
裏の杉林から大きめの杉の丸太を2本切り出し、
ママと2人で滑車とロープを使って車で引き出し丸太置き場に移動、
小雨降る中、
丸太の皮むき器の刃先を、
ヤスリで研ぎながら森を見回すと、
秋の森に小雨と紅葉の枯葉が空から降りて来ています、
森の総ての物音は、
靄で包みこまれ押し黙って、
私たちを物陰から観察しているようです、
この作業なんだか懐かしいです、
この作業なんだかワクワクしてきます、
森の中で遊んでいるとなんだか嬉しい気がしています、
森は私たちを拒否するのではなく、
優しく受け入れてくれているかのようです、
杉丸太はこの後は1〜2年乾燥させてから、
山小屋の内装に使わせてもらう予定です、
靄に包みこまれた森の中で、
不思議な幸せを感じた週末でした、
森はこれからが本格的な紅葉の季節、
春の山も素敵ですが、
秋の山も再び私を不思議な世界に、
運んでくれるかと思うと、
楽しみでなりません。