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2011/10/25

 

切り口がほんの数ミリ開き始めました、

杉丸太の根元に差し込まれていたチェーンソーのバーと、

杉の幹の隙き間が開き始めました、

チェーンソーのエンジンを切ると、

森全体が靄に包みこまれ、

物音のまったくしない世界に変わっています、

 

”パパ、倒れ始まったよ”、

ママの叫び声が遠くで聞こえます、

杉の切り口がみるみる開いていきます、

杉丸太の切り口がバキバキと音をたて始めます、

先端の枝を周りの杉の木にぶつけながら倒れていきます、

地面が大きな音と共に揺れるのが足を伝わってきます、

ママが倒れた杉の丸太に手をあてて話しかけています、

”今度は山小屋で大事にするからね!!”

 

小雨降る中、杉の丸太を切り出しましたが、

予想では22mと想定しておりましたが、

実際に倒してみると年輪は48年全長は27m,

杉の木の先端は山小屋の玄関の3m手前にまで迫っておりました、

”パパ、ギリギリだったね!!”

 

裏の杉林から大きめの杉の丸太を2本切り出し、

ママと2人で滑車とロープを使って車で引き出し丸太置き場に移動、

小雨降る中、

丸太の皮むき器の刃先を、

ヤスリで研ぎながら森を見回すと、

秋の森に小雨と紅葉の枯葉が空から降りて来ています、

森の総ての物音は、

靄で包みこまれ押し黙って、

私たちを物陰から観察しているようです、

この作業なんだか懐かしいです、

この作業なんだかワクワクしてきます、

森の中で遊んでいるとなんだか嬉しい気がしています、

森は私たちを拒否するのではなく、

優しく受け入れてくれているかのようです、

杉丸太はこの後は1〜2年乾燥させてから、

山小屋の内装に使わせてもらう予定です、

靄に包みこまれた森の中で、

不思議な幸せを感じた週末でした、

 

森はこれからが本格的な紅葉の季節、

春の山も素敵ですが、

秋の山も再び私を不思議な世界に、

運んでくれるかと思うと、

楽しみでなりません。

2011/10/25 10:10 | watanabe | No Comments