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最近読んだ本のあとがき
正確には本文を読めども読めども内容がわからず
しびれを切らして訳者あとがきを先に読むことにした
そこに綴られた、素敵な詩と訳
Keeping Things Whole
…………. 物事を崩さぬために
In a field
…………. 野原の中で
I am the absence
…………. 僕の分だけ
of field.
…………. 野原が欠けている。
This is
…………. いつだって
always the case.
…………. そうなんだ。
Wherever I am
…………. どこにいても
I am what is missing.
…………. 僕はその欠けた部分
When I walk
…………. 歩いていると
I part the air.
…………. 僕は空気を分かつのだけど
and always
…………. いつも決まって
the air moves in
…………. 空気がさっと動いて
to fill the spaces
…………. 僕がそれまでいた空間を
where my body’s been
…………. 塞いでいく。
We all have reasons
…………. 僕らはみんな動くための
for moving
…………. 理由をもっているけれど
I move
…………. 僕が動くのは
to keep things whole.
…………. 物事を崩さぬため
そして気がついた。
この本が詩人の本であることを。
そして、意味の分からない言葉の羅列に、音以外の意味はなく
けれどそれは本質をついている。
私が動いた後の穴を埋める空気はどこから来るのだろう。
埋めた分だけ、どこかが減っているのだろうか。
I am what missing.
まわりが私をとりまくのではなく、
私がそこからなくなれば、足りなくなるひとかけら
本の内容はさっぱりだけれど、この素晴らしい一節だけで十分。
こんな英語と訳は、心を幸せにする
マーク・ストランド【Mark Strand】
犬の人生【Mr. And Mrs.Baby and other stories】
村上春樹 訳