2011/08/27
小林さんは助けてくれたお礼にと、私を家に招待したいと言ってくれた。
野宿続きで疲れていた私には嬉しい話だ。
お言葉に甘え、小林邸に向かって歩き出した。
小林さんはとても仕事熱心な方で、道中に危険な場所の話を沢山してくれた。
『あっ!そうだ。僕、本を出してましてね。危険な目に遭いたければココに行け!って本なんです。
よかったら差し上げますよ。』
私は危険な目には遭いたくない事を伝えた。
『そう言うと思いましたよ。対処法なんかも書いてあるので役に立つと思いますよ。』
あっ。それならいただきます。
そんな話をしているうちに、小林邸が見えてきた。
丸いモコモコした可愛い家だ。
真ん中にスペースがあり、そこから小林さんの家族が明かりを持って出迎えてくれた。
しかし玄関が見当たらない。
キョロキョロしている私を見て小林さんはニヤッとした。
『僕達はね、この毛糸をよじ登って部屋に行くんだよ。だけど初めてのお客さんにはこの中を通ってもらうんだ。
柔らかくて気持ちいいって評判なんだよ。毛糸をかき分けて上の部屋へどうぞ。』
なんて面倒な家だと思ったが、前言撤回!
すごく気持ちがいいし、暖かい。疲れていた私は部屋に着く前に眠ってしまった・・・
2011/08/27 10:46 | hosokawa | No Comments